こんにちは、SenSeeメディアライターの安達です!
今回は海外で日本語教師の仕事を探したいという人に向けて海外での求人についてまとめてみました。外国での日本語教師歴約5年、色々な日本語教育機関を見てきた筆者が自身の経験を元に、海外の求人を掲載しているウェブサイトの紹介からトラブルの多い悪い求人を見極めるポイントまで分かりやすく書きました!
「海外で働いてみたいけど、学校選びで失敗するのが不安」とお困りの方に是非読んでほしいです。
海外での仕事探しで使える日本語教師求人情報サイト3つ
海外で日本語教師のキャリアを積みたい!でも、どんなサイトを見て求人チェックしていいかわからない!と思う人もいますよね。ということで、まず初めに、求人情報サイトを紹介します。海外の求人を多く掲載していて、更新頻度が高いサイトを選んでみました。
この3つは主にアジア圏(日本国内含む)の求人を掲載しています。すでに利用したことがあるという方も多いのではないでしょうか。
アジア圏の求人に比べると数は少ないですが、欧米圏の求人も掲載されていることがあります。「絶対に欧米圏で就職したい!」という人はLinkedInもお勧めです。アカウント作成が必須ですが、アメリカやヨーロッパ諸国の求人が掲載されています。最近はコロナの影響でオンライン講師を募集している教育機関が多いですが、中には2021~2022年の学期から授業開始という教育機関の求人もあります。「Japanese language lecturer」や「Japanese language teacher」などで検索して求人をチェックしてみてください。
海外で日本語教師:トラブルを防ぐ求人の要注意ポイント
求人情報サイトについて理解していただけたかと思います。ここからは、具体的にどんな学校(あるいは求人)に気をつけたらいいのかということを説明していきます。最近では掲載する前に求人を十分精査しているサイトもありますが、それでもトラブルが全くないとは言えません。
注意すべきポイントについてまとめたので、応募する前にご自身でもチェックしてみてください!
求人が出されるタイミングと頻度をチェック
チェックするポイントについて説明する前に、まず知っておいてほしいのが「外国での新学期」です。日本語学校でも大学等の高等教育機関でも、新しい学期がスタートするのは大抵9月です。新入生が入学するのも9月です。
そういった理由から、外国の学校の求人が出されるタイミングとして一番多いのが5~6月です。内定が決まった場合ビザの申請等の渡航手続きをし、8月中に赴任するというのが一般的です。
ですが、時々それとは異なる時期に求人が出されていることがあります。そのような求人が全て疑わしいと決め付けるわけではありませんが、もし新学期が9月に始まる地域なのに赴任の時期が大幅にずれていれば、用心した方がいいかもしれません。それが大学や高校等であれば尚更です。
赴任の時期がずれているということは、前任の先生が学期の途中で退職したのだと考えられます。ビザの問題もありますから、外国籍の先生が中途半端な時期に退職するというのは通常ではありえません。何か契約上深刻な問題があったのかもしれません。もしその問題が学校側にあったとすれば、あなたにも同じことが起こる可能性があります。
もしできるなら「学期が始まるのはそちらでは○月だと聞いたんですが……」と前置きし、赴任の時期が通常とは異なる理由について尋ねてみることをお勧めします。
そして、もう1つ注意すべきポイントがあります。それは求人が出される頻度です。これは国内での就職の際にも言えることかもしれませんが、短期間のうちに何度も求人を出している機関は要注意です。
当然ながら、どんな時に求人を出すのかといえば欠員が出た時ですよね。外国の日本語教育機関の雇用形態で、私が知る限り一番多いのは1年ごとに契約更新というパターンです。1年の契約期間が終わる前に継続かそのまま終了か、学校側との話し合いで決定します。稀に契約期間が半年だったり2年だったりというところがありますが、1年契約が大多数ではないでしょうか。
そのような雇用形態の中、例えば半年のうちに何度も求人を出している学校や機関があった場合、考えられる理由は2つです。
1つは、「すぐに先生が辞めてしまう」。2つ目は「そもそも募集がないため繰り返し求人を掲載し続けている」。このどちらかである場合がほとんどではないでしょうか。いずれの場合も様々な原因があるとは思いますが、学校側に問題がある可能性が高いです。
求人が書かれている言語をチェック
次のチェックポイントですが、求人が書かれている言語です。何語で表記されているでしょうか?
全て日本語で書かれているということは、募集している機関に日本人教師、あるいは日本語の専門家がいるということです。ところが稀に、現地の言語のみで表記されている場合があります。
どうして現地言語のみの求人が問題なのかというと、正しく日本語を使用できる人がいない=日本語教育機関として稼動していない可能性があるからです。学校自体はあるとしても、0からのシラバスやカリキュラム作り、教材選びなど全て無責任に任されることになるかもしれません。
以前、アメリカにある日本語学校の求人がLinkedInに掲載されていました。コンタクトを取り面接、という流れになったのですが「学習者の日本語のレベルは?」「使用教材は?」等の基本的な質問に対してはっきりとした答えがもらえませんでした。後々調べてみると日本語学校ではなく非営利のボランティア教室(もちろん無給!)であることが分かりました。
その求人も全て英語表記、責任者と名乗る人は一言も日本語を話しませんでした。
求人自体が日本語で書かれていないとしても、後々のやりとりは日本語で行う場合がほとんどです。採用の担当には必ず日本語の知識を持った人が関わっているはずです。採用に関して日本語が使われているかどうかが、信頼に足る機関なのかを見極める1つの目安になるはずです。
海外で日本語教師:面接での要注意ポイント
良さそうな求人を見つけて、いざ面接!でも、初めての「海外」での仕事の面接だとチェックポイントがわからない~!なんてこともありますよね。
ここからは面接まで進んだ場合、気をつける点を説明していきます。主に面接で質問すべきことについてまとめてみました。
業務内容は?
一番大事なことですが、ウェブサイトに掲載された求人情報には詳しく明記されていない場合もあります。
日本語教師の業務内容は教室で学生に日本語を教えることだけではありません。学校によっては教育の一環として日本料理を作ったり、着物の着付けをしたりといった文化活動があるかもしれません。また、日本語のスピーチコンテストの審査員を任されることもあるでしょう。
このように、日本語教師としての業務であれば全く問題ありません。しかし、例えば「日本語の授業がない時に英語の授業を担当してね」と言われたらどうでしょうか?承諾してもいいのでしょうか?
答えはNoです。絶対にいけません。これはビザに関することなのですが、日本語教師として学校と契約をしたあなたは、当然「日本語教師」としての労働の許可を得て働くことになります。日本語教師以外の仕事でお金をもらってはいけないということです。
以前、職場の同僚にロシア語教師がいました。彼女はロシア語だけでなく英語も教えていたのですが、そのことが原因でビザが取り消されロシアへと強制帰国となりました。
学校側はこのビザの問題について理解しているはずですが、それでも日本語教育に関係のない業務を打診してくる場合があります。面接でしっかりと業務内容を確認し、その上で雇用契約を交わすようにしてください。
もし上記のように日本語教育の範囲外のことを求められたら「契約書に書いていない」と断ることもできます。
給料や待遇は?
最近ではほとんど見かけませんが、給料を明記していない求人もあります。それが全て悪いわけではありません。例えば、経験や資格等によって給料の額は変化します。そういった理由から求人では明記していない、という学校もあるでしょう。
反対に、求人にははっきりと金額を記載しているのに、その金額を支払ってもらえないということもあります。これも、経験や資格によります。求人に記載されているのは一番いい条件での金額ということです。「月給25万円(※博士号所持者の場合)」といった感じです。
面接ではご自身の経験や資格を考慮し、給与について相談しましょう。
海外での日本語教師の内定をもらったら:渡航までにやっておくこと
念願の内定ゲット!さて、あなたはこの後どうしますか?やるべきことはただ1つ。それは「あなたがこれから赴任する学校の名前をインターネット検索する」、これだけです。
なぜかというと、私自身後悔していることがあるからです。以前勤めていた職場で給料の支払いが遅れたことがあるんです。一度だけではなく、しかも最大2ヶ月の遅れがありました。幸い外国籍の教師は私だけではなかったので同僚と相談することができましたが、その時に同僚から学校の評判がネットに書かれていると教えてもらいました。
早速学校の名前を検索してみると、以前勤めていた先生達のものと思われる書き込みが多数見つかりました。そこにはたくさんの「給料の支払いがいつも遅れていて今月もストライキを起こした」という書き込みが見られました。
インターネットには信用できない情報も多いですが内定後でしたら具体的な部署名や担当者の名前等を把握しているので、信憑性がある情報なのか判断ができると思います。学校とやりとりをする中でちょっとでも引っかかることがあれば、念のためインターネットで検索することをお勧めします。
注意はしても心配はしすぎないで!
初めて海外で日本語教師として働く!となると、期待も不安も大きいですよね。「給料未払い」や「ビザの取り消し」など不安を煽るような内容だったかもしれませんが、海外だとそのようなことが必ず起こるというわけではありません!
海外での就職は日本国内で就職するよりも不透明なことが多いです。しかし、注意するポイントさえ知っていれば危険を避けることができます。
私自身失敗もしましたがそれ以上に、海外に来てよかったと思える出来事がたくさんあります。この記事が皆様の海外への一歩を踏み出す手助けになれば、と願っています。
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