オンライン授業でも学生に発話をしっかりさせたい! – 厳選アイデア3選!

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

私は今、東京の日本語学校でオンライン授業を担当しています。午後に欧州(ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス等)から学生が参加するクラス授業、夜は日本在住のビジネスマンのプライベートレッスンが中心です。

オンライン講師は競争が激しいですよね。私は学校のおかげで学生が途切れず感謝していますが、講師間の競争があります。毎月、講師は学生と顧客企業から査定され、評価が悪いとチームを外れるため、気が抜けない毎日です。フリーランスの方も、同じく競争が激しいのではないでしょうか。

今回は、オンライン講師として生き残るために、私が実践している「授業の80%は学生の発話」についてお話したいと思います。学生はたくさん話すことで満足度が高まるので、皆様も学生から「今日は楽しかった!」とコメントがもらえて、人気講師になれますよ!

目次

「授業の80%は学生の発話」は今すぐできる!

授業の80%も学生が話すの?と、皆様びっくりされたかもしれませんね。しかし、欧米の学生はコミュニカティブな授業を好むので、これができると授業は成功です。それでは、オンライン授業で、たくさん学生に発話してもらうには、どうしたらいいのでしょうか。

今すぐ皆様ができるのは、画面共有をしないことです。

「え、そんなの無理でしょ!」「授業にならないよ!」って思いませんか?正直、私もオンライン授業を初めて間もない頃にはこれは考えられませんでした。

今、日本語学校ではICT授業(タブレットやインターネットを使った授業)が主流ですから、皆様の中にも、画像を映しながら授業をしている方がいらっしゃいると思います。私も学校ではiPadの画像をホワイトボードに映して対面授業をしていました。

当初、オンライン授業でも同じようにしていたのですが、なかなか授業が盛り上がらないことに悩んでいました。なぜ楽しい授業にならないのか…考えてみたら、画像を画面共有すると、お互いの顔が小さくなって表情が見えず、会話が弾まないことに気が付きました。

今、私は、できるだけ画面共有をせずに、する場合も1回2分以内にしています。その代わり、小さい文型カード、動詞・形容詞フラッシュカードを手作りしたり、100均のホワイトボードで文字を書いたりしています。つまり、昔のアナログに戻りました。

学生が発話したくなる時って、どんな時?盛り上がること間違いなしのアイデア3選

学生が話したくなる時って、どんな時でしょうか。私は、「先生に知ってもらいたい!」「先生とディスカッションしたい!」時だと思います。では、どんなテーマを与えたら学生の話すモチベーションが上がるのでしょうか?次にご紹介するのは、学生が発話したくなるトピックです。私が自信を持っておすすめするトピックを、具体的な文型の例も一緒にご紹介します!

「授業はアナログ、宿題はデジタル」というのが私のスタイルです。「宿題はデジタル」については、次回のコラムでご紹介しますね。皆様も、画面共有を減らして、アナログな授業をしてみてください。学生の発話が飛躍的に増えますよ!

① 学生は自分の国のことを知ってもらいたい!

学生は自分の国や地域について話すのが大好きです。特に名所や食べ物など、学生が自慢できるものは、たくさん話してくれます。講師が事前に学生の地域を下調べしておくと、「先生が私の町を知っている!」と親近感を持ってくれて、さらに雰囲気が良くなります。

会話が終わったら、私は学生に自分の町についてミニスピーチをしてもらい、録画してプレゼントしています。学生は他の人に「日本語で話しているカッコいい自分」を見せることができるので、喜ばれますよ!

そんなに難しいことはしなくて大丈夫。初級の学生でもできる文型を以下にご紹介します。

文型例(初級)

「私の町は〜です。〜は、ここです(地図を指して)。〜は〜が有名です。~で~ができます。〜は〜がおいしいです。〜や〜が入っています。」等。

② 学生の「好きなもの」は話が止まらない! 

早い段階で、学生の好きなものを聞き出すことは必須です。好きなものを学生が話し出したら、絶対に遮らず、心ゆくまで話してもらいましょう。講師は楽しそうに聞き、話を引き出すことで、「この先生は私に興味を持ってくれている!」と学生は感じます。

「好きなこと」について話すときに導入しておくと便利な文型はこんな感じです。

文型例(初級)

「趣味は〜ことです」「よく/ときどき/あまり/全然」「〜たいです」等。

③ 学生は、知的な会話がしたい!

皆様が数字を教える時、「いくらですか」「〇〇円です」というお買い物場面で練習していますか。私はこれを実際の生活で使うことは、あまりないと思っています。レジで数字を見れば済むことですから。

では、こんな質問はどうでしょう?

「あなたの国のマクドナルドの時給はいくらですか」

「今日の為替はいくらですか」

「あなたの国の出生率は何%ですか」

一気に知的レベルが上がりましたね。私の学生は大学教授、医者、弁護士、有名大学の学生と、私より知的レベルが高い方が多いので、彼らが好むディスカッションを授業に取り入れています。

初級でも、分からない語彙は英語で質問してもらい、私が翻訳します。実際の授業では、マクドナルドの時給の時は「最低賃金」や「貧困」の話へ、為替の時は「トランプ氏就任時と今までで為替は変動したか」、出生率の時は「結婚しない女性」や「機械化」の話が出ました。

実は、ディスカッションが白熱すると、大概の学生は英語になります。私は常に日本語で応対しますが、無理に日本語にさせません。一通り英語で話し終えてスッキリさせてから、じゃあこれはキーワードですね、と翻訳した語彙をチャットボックスに書いて、リピートしてもらいます。学生は熱心にメモを取ることが多く、言いたい言葉が日本語で分かったからか、ありがとうと感謝されます。

まとめ

皆様の中には、「学生の発話が少ない」、「自分ばかり話している気がする」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。そんな時はぜひ、画面共有を外して、学生の目を見ながら会話してください。そしてトピックは、学生の国、学生の好きなもの、知的な会話をするといいでしょう。

それでもうまくいかない時は、画面背景を変えるという奥の手があります。私はおとなしい学生の時に、自分のZoomの背景をハワイやトランプ氏の選挙会場に変えました。すると学生はたまらず、「どこですか」と発話しました。私はフラダンスを踊ったり、Trump! Trump!と言ったりして学生を笑わせると、緊張がほぐれたのか、その後はよく話すようになってくれました。最後の手段ですが、おすすめです。

次回は、私がオンラインでしている「授業はアナログ、宿題はデジタル」の宿題部分について、私が使っているおすすめアプリをご紹介したいと思います。

オンラインで、紙のプリントの宿題を配布して、回収することは難しいですよね。アプリで簡単に楽しくできますので、次回をお楽しみに!

それではまた別の機会に。

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