【留学生の受験対策】面接指導ってどうする?

突然ですが、あなたは留学生の受験対策、面接指導をしたことがありますか?

日本語教師が授業の他に進学指導ができると、ひとつのセールスポイントになります。私も職務経歴書には「進学指導経験あり」と必ず記載しています。

日本語教師になりたての皆様は、留学生の受験についてどのくらいご存知ですか?進学指導ができますか?

留学生の入試に面接は必須です。

そこで今回は教師歴約20年の私が、一番効果があった面接の指導方法をお伝えします!教師にとっても、学習者にとってもわかりやすい方法です。

これを読んだら「私、面接指導できます」って言えますよ。

  • 進学指導をしてみたい
  • 進学指導を依頼されたが、具体的に何をすればいいのかわからない

という方、必見です!

目次

留学生の受験に面接は必須

多くの日本人の大学受験には面接はありませんが、留学生の受験に面接は必須です。

留学生はどんな学校を受験し、面接で何が問われるのでしょうか?

留学生の受験校って?

日本語学校に通う留学生が受験するのは主に次の4つの学校です。

  1. 日本語を勉強する専門学校
  2. 日本語以外の分野を勉強する専門学校
  3. 大学
  4. 大学院

この4種類です。

この4種類の中でも

  • ②日本語以外の分野を勉強する専門学校
  • ④大学院

この2つの学校の面接では専門分野についての質問をされることが多いので、教師も面接指導をする前に専門分野について勉強しておく必要があります。

今回は一般的な留学生の面接に限って話をするので、専門分野についての面接はまたの機会にしますね。

面接でよく聞かれること

専門学校や大学受験の面接でよく聞かれるものは、次のような内容です。

  1. 簡単に自己紹介をしてください
  2. ご両親は何をしていますか
  3. どうして日本へ来ましたか
  4. どうして本校を選びましたか
  5. 将来の夢は何ですか
  6. 趣味は何ですか
  7. 日本語能力試験(又は日本留学試験EJU)を受験しましたか
  8. 長所と短所を教えてください
  9. 今までで一番頑張ったことは何ですか
  10. アルバイトをしていますか

実際は他にもありますが、今回は切りがいいように10個挙げてみました。進学後に勉強したい内容や時事ネタを聞かれるときもあります。

さて、これらの質問に対して、留学生はどうやって準備するのでしょうか?詳しくは次の項目からです!

留学生の面接指導:面接準備で絶対必要なこと

面接対策として留学生にサポートしてあげるべきことは大きく2つ。

  • 質問の答えをノートに書かせ、内容や日本語の運用面をチェック
  • 回答は15~20秒ほどで答えられるように一緒に練習

読者の皆様の中には留学生がスラスラ答えられるのなら、わざわざ回答を書かせる必要はないと思っていらっしゃる方もいるでしょう。でも、書かせたほうが断然指導しやすいのです。

例えば留学生の発音が悪くて聞き取れなかったとき、回答を書いた原稿があれば、どの言葉の発音が悪かったのか、すぐにわかります。文法や言葉の間違いも、原稿を見たほうが訂正しやすいです。

面接指導のときに、留学生の発話内容はもちろん、日本語の運用面を教師がチェックしながら聞くのは意外に大変なのです。

次になぜ15秒〜20秒で答えなければならないのか?という点についてですが、面接官が「優しい日本語教師」だとは限らないからです。

外国人が話す日本語に慣れていない人は、片言の日本語(しかも一方的に話す日本語)を聞いて、瞬時に内容を理解するのはかなり難しいです。

面接官がたどたどしい日本語を30秒以上聞くと、内容がわからなくなる可能性が高いです。内容がわからなくなったら、それ以上は聞いてもらえません。

ですから私は答えは15秒~20秒くらいで言えるように!とアドバイスしています。もちろん早口はアウトですよ。

面接指導で留学生に伝えるべきこと

留学生に質問の答えを考えさせるとき、質問の意図を理解させることが大切です。

面接は日本語能力を確かめるためだけに行っているのではありません。

受験校が確かめたいことは

  • あなたには本校に通えるだけの学力と経済力がありますか
  • あなたはしっかりとした将来の夢がありますか
  • あなたは日本の生活に馴染めていますか

ということ。面接を通じてこれらを聞かれているのです。

つまり、留学生は質問に答えつつ「具体的な将来目標がある留学生」であることを伝えなければなりません。

具体的な答え方についての解説は次からです!

答え方のポイント~具体例~

どのように面接の質問に答えればいいのか、具体例を挙げてみました。

まずはよくある失敗例から。

失敗例1

面接官「お父様は何をしていらっしゃいますか?」

留学生「スーパーの店員です」

大学生のアルバイトでも「スーパーの店員」って、ありますよね?日本人が持つイメージだと大学生のアルバイトのお給料では、大学の学費を払うことはちょっと難しいです。

このような場合は学習者に詳しい内容を聞き、もっと具体的な説明をするように指示してください。

参考例1

面接官「お父様は何をしていらっしゃいますか?」

留学生「スーパーで働いています。ふるさとでは有名なスーパーで、同じ階の従業員をまとめる仕事をしています。」

これなら、比較的大きいスーパーで一定の収入を得ていることがわかります。部長や課長など、肩書きを言うのもわかりやすくていいですね。

失敗例2

面接官「趣味は何ですか」

留学生「ゲームです」

これもよくある答えです。ゲームやアニメや漫画、多くの学習者の趣味ですよね?!趣味がゲームなのは悪くないのですが「休みの日はずっとゲームをしている」と思われるのは、留学生の印象としてはあまりいいイメージではありません。

参考例2

面接官「趣味は何ですか」

留学生「オンラインゲームです。最近はゲームの中で日本人とチャットできるようになりました」

ポイントはこれ!

  1. 趣味の時間も日本語を使っている
  2. 趣味を通して日本人と交流している
  3. 昔からの趣味であることをアピールする

日本の生活に馴染めていることをアピールするには①趣味の時間も日本語を使っている、OR②趣味を通して日本人と交流していることを伝えるといいでしょう。

もちろん、嘘を言うのはよくないので、①にも②にも当てはまらないときは「③昔からの趣味であることをアピールする」のが高評価かな~と思います。

(日本では?)長く、コツコツ続けていることって、高評価なことありませんか?

「趣味はバスケットボールです」よりも「趣味は小学校のときから続けているバスケットボールです」というほうが、聞き手に「へぇ!長い間しているんですね!」と思われませんか?!

失敗例3

面接官「将来の夢は何ですか」

留学生「会社員です」

この記事をここまで読んでくださった方は、どうしてこの答えが駄目なのかがわかりますよね?

学校側は揺るがない具体的な目標がある留学生を自分の学校の学生にしたいと思っています。ですから「会社員になりたい」だけでなく、

  • どこで働くのか
  • どんな分野の会社で働くのか

この2点を明確にした答えが望ましいです。

参考例3

面接官「将来の夢は何ですか」

留学生「将来の夢は母国に帰って、流通会社で働くことです。貴校では母国の経済を研究している先生がいらっしゃるので、ぜひ〇〇先生のゼミで勉強したいて思っています」

教授やゼミの名前まで言えると、大学の資料に目を通したことがわかりますね。

面接時の服装

「面接にはスーツで行きましょう」だけでは留学生には不十分な説明です。ピンクのミニスカートのスーツで面接に行くかもしれません。(行こうとした留学生を私は知っています…)

面接に着ていく服の説明をするときは、カラー写真を見せるのがベストです。

  • シャツの色
  • ネクタイの色
  • スカートの長さ
  • 髪型・髪の色
  • 靴下(ストッキングの色)
  • 靴の形や色

面接関係のテキストは白黒で編成されていることがありますが、留学生には断然カラー写真がオススメです。

昔「紺のスーツ」を着て来るように言ったら、青いキラキラしたスーツを着てきた留学生がいました。だから私は誤解を生まないためにも、カラー写真で伝えたほうがいいと思います。

絶対にしてはいけないのが「潔感がある服装」とか「真面目な感じ」などと曖昧な言葉を使い、具体例を見せないことです。

人によって清潔感がある格好や真面目な印象をうける服装が違いますからね。国が違えば尚更です。

面接時のマナー

面接時のマナーは私たち日本人が就職活動のときに意識したものと変わりません。

  • ノックをして部屋に入る
  • 指示があるまで椅子には座らない
  • 椅子には半分くらいしか座らず、背もたれにはもたれない
  • 手は膝の上(女性は膝の上で重ねるのも可)
  • 男性は足を肩幅に開き、女性は足をそろえて座る
  • 貧乏ゆすりをしない
  • 入退室や椅子に座るときは一言添える

質問に答えられるようになったら、教室に入るところから通して、数回練習するといいでしょう。

私もそうですが、わかっていても緊張するとできなくなものです。

でも、一番大切なのは質問にきちんと答えることですから、練習時間がないときは、マナー練習は2~3回で終わっても問題ありません。

まとめ

今回は一般的な面接内容についてまとめました。

ポイントは面接での質問に答えつつ、将来の目標をしっかりと持っている留学生であることを伝えることです。

小さな日本語の間違いは恐れず、自分の意見や気持ちを伝えること。自分をアピールしまくること

今までに合格した留学生を思い返してみても、やはり内容が重視されていて、マナーを失敗しても合格しているように思います。

では、一緒に面接指導、頑張りましょう!

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