面接の模擬授業で成功するには?現役日本語教師がコツ教えます!

皆さんの中には、日本語教師の勉強や養成講座を終えて、これから学校で働いてみたいという人も多いと思います。ほとんどの学校では採用面接の際に模擬授業があります!

では実際に模擬授業ではどんなことをするのか?また面接官がどんなところを見ているのか?いくつかポイントがあるのですが、今回は日本語学校や専門学校で講師の採用担当をしていた筆者が、「面接の模擬授業で成功するコツ」を伝授いたします!

目次

日本語教師の模擬授業の流れ

まずは企業の就活同様、履歴書や職歴などを提出します。書類選考に通過すると面接日の案内があり、模擬授業の課題が与えられます。初級文法の導入が一般的ですが、当日は15分〜30分位の時間で、その学校の講師が生徒役となり、模擬授業を行うことが多いです。

文型を導入→板書→説明→変形練習→QAなど、どこまで進めるか時間次第ですが、終了後は生徒役となっていた講師からフィードバックをもらい、個人面接に入ります。

それでは面接でどんな模擬授業の課題が出されるのか、例を見ていきましょう!

模擬授業で出題される課題例

例えば、以下のような文法の導入です。

  • ます形「〜たいです」
  • て形「〜て(で)ください」
  • ない形「〜ないでください」 
  • 辞書形「〜ことができます」
  • た形「〜た(だ)ことがあります」

など、動詞グループや活用など文法知識が必要です。他に、

  • 「〜があります」「〜がいます」
  • 「あげます」「もらいます」「くれます」
  • 「〜とき、〜」

など、文法の意味や使い方を問う課題です。授受表現は外国人が間違えやすい文法の一つです。

少し応用編で、

  • 「と・ば・たら・なら」
  • 「受身形」「使役形」

など、やや高度な文法知識が出されることもあります。

「先生の前で模擬授業なんて緊張する!」という人もいるかもしれませんが、安心してください!例えば文法知識が間違っていたり、スムーズではないからという理由ですぐ不合格になるということはないと思います。特に未経験の場合は、初めから上手にできないのは当たり前ですし、それは面接官も理解しています。

では実際に面接官が模擬授業でどんなところをチェックしているのか、見てみましょう!

模擬授業の評価ポイント・注意点

文型導入からの流れ

文法の意味を知らない外国人に教えるので、シンプルでわかりやすい導入が求められます。明確に意味がわかるように、1つの文型につき例文は2〜3つ用意しておくといいですね。絵教材や生教材など効果的に使っているか、生徒にも発話させているか、などもチェックポイントです。

板書のわかりやすさ

口頭で文型導入の後に、例文などをホワイトボードに書く「板書」は、養成講座などで習いますよね。字が大きく見やすいか、動詞の活用などわかりやすく書かれているかなど、こちらも評価ポイントになります。

語彙・文法コントロール

例えば「て形」の導入の場合、想定として相手はまだ初級前半レベルのため、難しい語彙やまだ習っていない文法はできるだけ使わずに説明をしたほうがいいのです。もし教科書の指定がある場合は、その課より前までどんな文法や言葉が使用されているか、チェックしておくといいと思います!

質問の答え方・間違いの直し方

例えば通常の授業でこんなやりとりがあります。

学生:「彼女は“きれい人”です。ダメですか?」

先生:「“きれい”は、い形容詞ですか?な形容詞ですか?」

学生:「い形容詞です。“い”がありますから。」

先生:「いいえ、“きれい”は、“い”がありますが、な形容詞ですよ。ですから“きれいな人”です。他に“ゆうめい”や“きらい”も、な形容詞です。いっしょに覚えましょう!・・・」

学生は文法や言葉の使い方を間違えることが多々あります。模擬授業では生徒役の先生がわざと間違えて、その直し方や質問への対応力を見たりすることがあります。相手が間違えているのに、そのまま直さずに進めたリ、質問に対してあいまいに答えてしまうのはマイナスポイントですので、注意してみてくださいね。

それでは最後に“模擬授業で成功するためのコツ”を一緒に見ていきましょう!

模擬授業で成功するコツ3選

自分で教案を作ること

今はネット上に便利な教材がたくさん公開されているので、利用するのもいいのですが、自信を持って模擬授業をするには、自作の教案をおすすめします。自分で考えた例文や問題は忘れにくいですし、流れが頭に入っていれば、よりスムーズに進行できますよね!もちろん当日は教案を見ながら進めてもいいと思います!

段取り・時間設定

教案と絵教材を一通り揃えたら、ぜひ一連の流れを「時間を計ってリハーサルする」ことをおすすめします!板書に使う時間、練習やQAなどのボリュームは適切かなど、改善点にも気づくことができるはずです。スマホで動画を撮ったり、友人や家族に生徒役になってもらったりするのもよさそうですね!

表情・話し方・目線

最後に大事な「印象」の話です。メラビアンの法則にもあるように、人の印象は視覚(態度や表情、目線)と聴覚(話す声の大きさやトーン、スピード)の情報が大きく、なんと93%も占めています!どんなに完璧なスキルがあっても表情が暗くボソボソと話すより、慣れていなくても明るくハキハキとした態度で、学生を見ながら進めて授業を盛り上げるような雰囲気が感じられるほうが好印象なのは間違いありません。

授業は慣れていけば実力は自然と身についていくものなので、初めは心配しなくても大丈夫です!模擬授業は本当に短い時間であっという間に終わってしまいますが、本番で余裕を持ってチャレンジできるようにぜひ事前準備をしてみてくださいね!

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