こんにちは!SenSee編集部のハルです!
私は東京の日本語学校で欧米の学生を中心に教えています。対面授業もしていますが、ほとんどの授業はオンラインです。
パソコンの無機質な画面に先生の手書きやアナログな物を出すと、学生はおっ!となって集中します。今回は、オンラインでも対面みたいに、ホワイトボードとフラッシュカードを使ってみよう!という企画です。
特に新人日本語教師の皆様、日本語学校が採用を抑制している今、オンラインでデビューという方も多いかと思います。ホワイトボードやフラッシュカードをオンラインで使って慣れておくと、いつか学校勤務で対面授業になった時にその技が役立ちますよ!それではご一緒に見ていきましょう!
1.オンライン日本語授業、画面共有しない教え方とは?
私が画面共有ナシにこだわるのは、学生の表情と口元が見たいから!
オンライン授業で書きたい時、Word等を画面共有して書き込む方法もありますが、見ている学生は、講師のタイピングがいちいち画面に出て、「ひらがな→漢字」の変換が目にうるさく感じるかも? ホワイトボードなら、講師がすぐペンで書けるし、絵も描けます!
また、皆様は口頭練習の時、スライドを使っていますか?口頭練習はテンポの良さが必要ですが、スライドって、もたつきませんか?紙のフラッシュカードならサクサクめくれるし、学生が間違えたところにすぐ戻れます!
ということで、私はオンライン授業でホワイトボードと紙のフラッシュカードを愛用しています。以下、私の使い方をご紹介しますので、ご参考にどうぞ!
1-1.オンライン日本語授業、画面共有しないで、ホワイトボードを使おう!
100均のミニホワイトボード、黒ペン、赤ペン、タオルハンカチ(拭き消し用)は、いつも私の机の上にあって、気軽に使っています。以下、ホワイトボードならではの使い方です。
欧米の学生は漢字が大好きなので、漢字の授業はもちろん、通常の授業でも面白い漢字が出たら必ず成り立ちや覚え方を説明しています。学生にウケがいいのは「滝」で、サンズイは水、竜はドラゴン、と板書を分解して説明すると、オオ!とどよめきが…!
言葉で説明するよりも、絵を描いた方が一発で分かる場合があります。例えば「履きます・着ます・かぶります・します」は、人の絵を描いて説明すると分かりやすいです。講師はマスクの絵を描いたり、スカートの絵を描いたり、自由自在に学生に質問ができます。
例えば「水みたい、水っぽい、違いは何ですか?」と学生から質問されて、すぐに答えられますか?私は対面授業では、とりあえず後ろを向いて質問を板書し、その間に答えを考えています(笑)。でもオンラインでは講師の顔が真正面で動揺が丸見え!苦肉の策で、横を向いて板書しながら考えています(笑)。
その他、25分オンライン授業では、教える文型が1つか2つなのでホワイトボードに直接書いて説明しています。クラス授業では教える文型がいくつかあるので、メモ帳をちぎって、手書きで文型カードにして提示しています。授業が終わったらゴミ箱にポイッ!(笑)。手書きって楽なのでおすすめですよ!
1-2.オンライン日本語授業、画面共有しないで、フラッシュカードを使おう!
文型導入後は、動詞や形容詞のフラッシュカードで口頭練習です。
例えば「寝ます」なら、布団と人の絵だけで、余分な情報はありません。カラーは目が疲れるので白黒の線画です。
口頭練習の仕方は、例えば文型「〜たほうがいいですよ」なら、
- 講師は動詞フラッシュカードをテンポ良く見せて、
- 学生は、た形
- ➡︎〜たほうがいいですよ
- ➡︎Nを〜たほうがいいですよ
と階段を上がって行くように、文を徐々に長くしていきます。学生は口が滑らかになって、スッと文型が出るようになりますよ!
紙のフラッシュカードは一回作っておくと、一生使えるのでおすすめ!しかも使えば使うほど、いい具合にヨレて、めくりやすくなります(笑)。
2.まとめ
学校勤務の新人日本語教師は、ベテラン先生の授業見学をして、授業の流れやホワイトボード、フラッシュカードの使い方、学生のあしらい方などを見て学ぶことができますが、フリーランスの新人日本語教師にその機会がないのは残念なことです。
ベテランの先生方、25分オンライン授業で、新人の先生に授業アドバイスをするビジネスを始めるのはいかがでしょうか?もちろん価格は後輩価格で!フリーランスの新人日本語教師の方、25分オンライン授業で自分が学生になって、ベテラン先生から技を伝授してもらうのはいかがでしょうか?
私が新人の頃は、自分の教え方でいいのか、いつも悩んでいました。1人で試行錯誤していましたが、主任に相談してバシッと正解をもらうと、自信を持って授業ができるようになりました。
学校という対面の場が閉ざされた今、学生がオンラインで学んでいるように、講師もオンラインで教え合う時代になっていくのかもしれませんね。
それでは、また別の機会に。
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