オンライン日本語授業におすすめ!ディクテーション&シャドーイングとは?やり方も紹介!

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

私は東京の日本語学校で非常勤講師として9年間、欧米の学生を中心に教えています。

最近私が担当したプライベートレッスンの学生は、会話が好きで話せるけど、日本人の言葉が聞き取れない…という悩みを持っていました。

私が学生に提案した授業は、ディクテーション&シャドーイング!日本人にはなじみの深い勉強法ですが、意外と英語ネイティブの国では知られていません。私の学生も初挑戦!

結果、学生の日本語聴解力が伸びて、学生は授業を気に入ってくれ、自宅でもしたいと自ら本を買っていました。

今回は、皆様の授業の引き出しの一つに、ディクテ&シャドーを入れてみてはいかがでしょうか?というご提案です。オンライン授業でもしやすかったし、準備に時間がかからないのも、講師的にポイントが高い!(笑)

皆様の中で、オンライン授業で他の講師と差別化したい方、授業準備に時間をかけたくない方に、ディクテ&シャドーはおすすめです。それでは詳しく見ていきましょう!

目次

1.オンライン日本語授業、ディクテーション&シャドーイングは、先にゴールを見せよう!

ディクテ&シャドーを知らない学生もいるので、授業に入る前に、勉強するとこんないいことがあるよ!とゴールを先に見せるのがおすすめです。

以下、私がいつも授業前に学生に見せているグラフです。英語学習の数値ですが、日本語学習でも参考になると思っています。

グラフでは、どのレベルの学生でも、ディクテ&シャドーをすると聴解力が上がっています。しかも低いレベルの学生ほど、聴解力の伸びが高いんですよね。

このデータを見せると、だいたいの学生は納得して、先生やりましょう!という雰囲気になるので、ぜひお試しください。

※出典:玉井 健、「リスニング力向上におけるシャドーイングの効果について」、日本通訳学会第3回年次大会講演、2002、183p

2.オンライン日本語授業、ディクテーション&シャドーイングで、何をする?

ディクテーションでは、音声を聞いて書き取ります。シャドーイングでは、音声を聞いてリピートします。音声はこんな感じです。

A:何か食べませんか?

B:いいですね。ラーメンはどうですか?

※著作権のため自作

音声を選ぶコツは、学生の日本語能力よりも低い、簡単な文を選ぶこと!

聴解力って、実は心理的なものなんです。難しいと心も耳も閉じますが、既習の言葉だと、勉強したことが聞き取れた!と学生は自信が付きます。

それでは具体的に、ディクテ&シャドーの授業の進め方を見ていきましょう。

2-1.ディクテーション&シャドーイング、授業の進め方

音声を聞き取って書く時は、ひらがなではなく、ローマ字で書くことをおすすめします。
より音に集中できるからです。
答え合わせのスライドも、ひらがなとローマ字併記がいいです
(例:すしを たべよう/sushi o tabeyoo)。

以下、授業の流れです。音声ごとに①〜⑦を繰り返します。

■ディクテーション

  • ①音声を2回、通しで聞く。学生はメモを取る
  • ②AB分けて聞く。学生はメモを完成させる
  • ③答え合わせをして、語彙と文法を確認
  • ④もう一度聞く。全部聞き取れたか確認。
  • ⑤ABのロールプレイ、自由にロールプレイ

■シャドーイング

  • ⑥教科書を見ながら、音声を聞いてリピート
  • ⑦教科書を見ないで、音声を聞いてリピート

シャドーイングは、音声を聞いた後にリピートします。講師が音声を適度に切りながら進めると、学生はリピートしやすいです。

⑦の教科書を見ないでリピートは難しそうですが、①〜⑥をしたらできます。学生自身も、難しそうなのにできた!と達成感を感じる部分なので、講師も一緒に喜んで、褒めて終わる授業構成です。

2-2.ディクテーション&シャドーイング、教科書はコレ!

下記の教科書は、くだけた会話もあって、会話のスピードもいいのでおすすめです。1ページからではなく、学生の場面で選ぶのがコツです。

新・シャドーイング 日本語を話そう! 初~中級編 [英語・中国語・韓国語訳版] / Shadowing: Let’s Speak Japanese! Beginner to Intermediate Edition ペーパーバック –

3.まとめ

今回は、ディクテーションとシャドーイングについてお話しました。でも授業が単調になる、自習でもできる、と思う方がいるかもしれません。

自習は大いに結構!むしろ私は推奨しています。家でコツコツ自習するのに向いている勉強法だし、継続することで、耳が日本語に慣れていきます。

授業が単調になるのは、授業の性質上しかたがないかも。粛々と授業を進め、学生が聞き取れたところや、うまくリピートできた時に褒めることで、満足度を高めます。

もし教える自信がない方は、Netflixの英語ドラマを英語字幕にして、ご自身でリピートしてみてください。はじめは聞き取れなくても、巻き戻したら聞こえるようになった、リピートしたらスムーズに言えるようになった、を学生目線で実感できるかも?

ディクテ&シャドーのメリットは、聴解力の向上はもちろん、一字一句書き取ることで日本語の正確さにつながるし、会話のイントネーションも学べます。ぜひ皆様の学生にも紹介してみてくださいね!

それでは、また別の機会に。

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