Senseeライター兼養成講座講師のおおたです。
日本語教師としては過去に大学、日本語学校含めて8校で経験しました。
日本語学校や大学で日本語の授業を担当すると、評価の一部に会話テストの成績が含まれていることが多くあります。チームで教えていて、担当曜日などの関係で、たまたま自分が会話テスト実施、その後の評価を担当することになったら、どうしますか。
養成講座を修了してすぐに就職した方などは、評価の一つとして会話テストがあることは分かっているかと思いますが、現場に出て実際に自分がそれをやる、ということはあまり考えたことがなかったかもしれません。
このような会話テストに対してはあまりイメージが沸かないのではないでしょうか。
ですが、ほとんどの方はどこかで会話テストをやることになると思いますし、これが結構、何かと面倒臭いのですよ(笑)
日本語のクラスで会話テスト担当が決まったら確認したい4つのこと

冒頭にも書いたとおり、とりあえずこの記事では、会話テストの内容があらかじめ決められている前提で話をします。また、ここでの会話テストは、一人、または二人ずつ学生を部屋に呼んで、教師と学生(または学生同士で)会話をするというスタイルを想定しています。
自分が会話テストを担当するらしい、ということが分かったら、以下のことをコーディネータやー専任の先生、ベテラン非常勤講師などに訊いてみるといいと思います。
また、これらの内容を口頭で学生に伝えるのか、もしくは、試験実施日が近くなったら、コーディネーターが告知文として作ったプリントを学生に配布して説明する場合もあると思いますので、その辺りも含めて確認してください。
・・・というか、別にこれらの内容をこちらから全部質問しなくてもいいですよ(笑) 試験日が近くなったら、何となく周りの先生方が騒ぎ始めて、自然とその情報は耳に入ってくるでしょうから、ご心配なく。後で答え合わせしてみてください。
会話テストの実施日、実施場所
①試験実施日、時間 →何コマ目に実施するのかも。
②試験実施場所 →いつもの教室でやるのか。どこか他の部屋でやるのか。(⑤で後述する通り、待機部屋と実施部屋を分ける必要があるのか)
③順番決め(学生を呼ぶ順番) →名簿順でいい?それとも事前に学生と一緒にくじ引きや、早い者勝ちなどで決める?
④ペア決め(学生を二人ずつ部屋に入れる場合) →こちらも名簿順?それとも仲のいい人同士?教師が独断で決める?
⑤順番やペアを事前に決めた場合、学生は自分の時間のときに来て、終わったら帰ってもいいのか。それとも試験実施コマの間ずっといなければならないのか。
⑥⑤で後者の場合、学生は試験を受けていない間は、何をしていればいいのか。待機している間の課題はこちらで指定する必要があるのか。自習でいいのか。
会話テストの範囲
教科書の第何課から何課までが範囲なのか、というようなことの他に、会話テストでやる予定のものがクラス内できちんとカバーできているかどうかも振り返って確認しておきましょう。
会話テストの構成
①インタビュー?ロールプレイ?プレゼン?(一人であるテーマについて長く話すのか)またはこれらの中からいくつかを組み合わせることもあると思います。
②教師対学生なのか、学生対学生なのか。
③一人(一ペア)何分ぐらいなのか。
会話テストの評価方法
①専用の評価シート(ルーブリックなど)がある?
②評価する項目は何か(タスク達成度、流暢さ、正確さなど)
③満点は何点で、コース評価の際に、会話テストがどのぐらい加味されるのか。
日本語会話テスト当日はバタバタ必至!準備と実施のリアルな流れ

自分の出講日が「テスト」となっていると授業準備しなくてもいいので気が楽~と思いきや、会話テストとなると結構やることが多くて、私は下手したらいつもの授業よりも緊張します。
早めに教室に行って準備を
①持っていくもの
・当日スケジュール(学生が来る順番と時間を書いた紙)・・・学生も自分の時間は分かっているはずですが、教師も把握しておきましょう。
・評価シート・・・私は後で書き直すことを前提に、下書き用として評価シートのコピーを人数分持っていきます。
・ICレコーダーなど、録音できるもの・・・録音しない先生もいらっしゃるのですが、私は絶対に録音する派です。インタビューなどで学生の相手をしつつ、学生の発話を聞いて評価をする、というのは思っているよりも大変なのです。
また、学生も会話テストとなると結構緊張するみたいなので、試験中でも学生が話している間は、学生の顔を見て「うんうん」と聞いているアピールをしたほうがいいと思います。
・タイマー・・・例えば1人あたり5分、というふうに決めているなら、なるべくその中で終わるようにしましょう。私も経験があるのですが、「もう少し話させたい」という気持ちから、一人一人に対して時間延長をしていると、どんどん時間が押していきます。
・ロールカードなど実施に必要なもの・・・学生に見せる用と、教師が見る用も忘れずに。
・教科書・・・テストで扱う会話が、教科書で勉強したものであれば私は持っていきます。
テスト中に教科書を見る余裕はあまりありませんが。
・待機課題(学生全員が同じ部屋で待機している場合)
・教室の外に貼り出す用の紙・・・あってもなくてもいいと思いますが、「テストです。静かにしてください。」というような紙を貼っておくといいかもしれません テスト中に、廊下で騒がれたり、知らない人が間違えて教室に入ってきたりすると、私は気が散ってしまいますので(笑)
いざ実施
私の場合ですが、こんな流れでやっています。
①学生を呼んで教室の中に入れる(または学生が時間になったら勝手に来る)
②学生に「録音します」と伝える
これで学生にダメと言われたことはないですが、念のため。もし録音を嫌がる学生がいたら、「評価のために録音するので、教師以外の人が聞くことはない」ということを伝えましょう。
③タイマーをセットする
私はスマホのタイマーを使っているのですが、「テスト中にケータイいじってる(怒)」と誤解されたくないのもあり、「タイマー、セットします」などと伝えています(笑)
④テスト開始
・上述の通り、私はなるべく録音し、評価は後ですることにして、この時間は学生の話を聞くことに集中します。
・その上で、余裕があれば印象点ぐらいはつけておきます。評価シートのコピーを持参しているので、とりあえず細かい部分は置いておいて、「このぐらい話せていれば、総合点は〇〇点ぐらいかな」「結構流暢だから、流暢さの項目は平均以上の〇点ぐらいあげてもいいかな」というようにざっくりつけていきます。
⑤タイマーがなったら、キリのいいところで終了。
ここが一番大変?日本語会話テスト評価のリアル

会話テストは、実施後の評価も結構手間が掛かるし面倒臭いです(笑)
採点基準について
専用の評価シートをもとに、どんな基準で点数をつけたらいいか、コーディネーターに聞いたり、または、同じことをやっている他のクラスの先生方と相談してみましょう。
「だいたいこの学校ではいつも、平均が何点ぐらいになるのか。最高点、最低点は何点ぐらいか。」なども聞いておくと、評価しやすいかもしれません。
例)評価する項目が5つあって、それぞれ5段階評価で25点満点の場合
・普通のレベルであれば、全て4で20点ぐらいが平均
・どんなにできてない人でもそれぞれの項目で最低3はあげ、合計は15点より下回らないようにする
また、評価シートの構成上、一人一人にコメントを添えなければならない場合、結構詳しく書いた方がいいのか、「よくできていました」のような簡単なコメントでいいのかもさらっと聞いておきます(笑)
私はだいたい、いい点と改善点(文法ミスなども含めて)を一つずつ書いています。
採点について(録音を聞き直す)
私は、テスト中に印象点をつけているので、それの答え合わせをするつもりで、録音を聞き直しています。また、一人一人の評価シートへどんなコメントをしてあげるか考えてメモを取りながら聞きます。
仕上げに、点数順に評価シートを並べて、点数の微調整をします。
例えば、「この人とこの人が同じ点数だけど、本当に同レベルか?」というのを確認するために、その二人の録音をもう一度聞いたりします。
教師も人間なので、録音を聞き続けているとだんだん疲れてきて、最後のほうの人の評価がやたらと厳しくなってしまったり、「この人は授業態度が真面目だから、できているはず」というフィルターを通すと評価が甘くなってしまったり、ということがあるからです。
更に、教師のその日の気分や体調次第で、同じ学生の評価も変わってしまう可能性もあるので、私はなるべく日をまたがずに、一日の間でまとまった時間をとって評価するようにしています。
返却について
評価シートを返却するのであれば、返却のタイミングも一応他の先生方に聞いておいたらいいかもしれません。同じことをやっている別のクラスがある場合、返却のタイミングをなるべく揃えたほうがいいということもあります。
また、チームで教えていると、コーディネーターや他の先生方が会話テストの様子を知りたい、というケースもあるので、評価シートのコピーを残しておいてもいいと思います。
それから、これも他の先生方の様子を見たらいいと思いますが、私はよく返却したタイミングで、クラス全体に教師の感想、簡単なフィードバックをします。
ここでもやはり、全体的によくできていたこと、できていなかったことを伝えます。
さらに私は、普段なかなか時間を割くことができない発音について、この機会にコメントし、簡単に練習したりもします。
最後に
日本語学校や大学などのコースで行われる会話テストについてでした。
(私は会話テストで急に人生相談されたこともありました・・・。)
会話テストの楽しさ、実施時の緊張感、評価の難しさ、ぜひ体験してみてください!

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