こんにちは!SenSeeライターのきなこです(^^)/
2020年、新型コロナウイルスの影響で日本語業界も大きな転機を迎えました。
私自身も、今までやったことのないオンラインレッスンをスタートしました!
ほとんどの日本語教師が、いきなりその土俵に立たされて、
右も左もわからないまま、とりあえずスタートした!という状況だと思います。
- オンライン授業、なんかうまくいかない。反応が悪い。
- オンライン授業、嫌になってきた。
- やっぱり対面じゃないと身にならない。
私自身オンライン授業をしていて、周りからそんな声をよく聞きます。
すごくわかります。
でも、実は私は「オンライン、意外と楽しい」派です。(笑)
もちろん失敗の連続で、内心学生に謝ってばかりですが、
オンライン授業をしていて学生が話せるようになっていくのを見ていると、
「オンライン楽しい!」と心から思えます。
オンライン授業×日本語教師の「よくある失敗3パターン」
私が今働いている所は授業見学にたくさん行けるようになっています。
2月に新学期が始まってから、2ヶ月でおよそ15時間以上の授業見学をしてきました。
知らないと恐ろしいことも・・・・(+_+)?!
それでは実体験&授業見学から得た失敗パターンの真相に迫ります!
1.あるある注意!!先生の指示が通らない原因は?!
1-1. ジェスチャーの落とし穴!
本当に「あるある」なのが、ジェスチャー!
ほとんどの先生はパソコンで授業をされていると思います。
初期の自分に、本当に問いかけたいことがあります。
自分の授業の「見え方」、把握していますか?と。
たとえばzoomでの授業では、先生はたくさんの学生の顔を見ることができますが、
スマートフォンやタブレットはで参加している学習者からの見え方は、別物です。
だいたい話している人+数人、パワーポイントなどを画面共有している場合は、共有画面+1人程度しか見えないんです。
ジェスチャーでサインを送っても、そこに先生が見えていなければ、
何の意味もありません!
これを先生がちゃんとわかっておかないと、
1時間、1日、1週間と「学習者のリアクションがわからないまま授業が進んでいく」という、
非常に恐ろしい事態を招きます。
以前、オンライン(zoom)で一人がジェスチャーをして、別の学生に動詞を当てさせるという活動をしている授業を見学しましたが、どうも学生の反応が悪い・・・。
先生は「どうしたの?どうして言わないの?」とすごく困った様子でしたが、
そもそも学生には他の学生が画面上に映っていないので、何をしたらいいか理解できていないことに、気づいていなかったんです!これってすごく時間の無駄です。
できないことを要求してしまう・・・・最悪の場合、教師への不満にもつながりかねません。
1-2. 先生の長い指示は不要!
伝わらないジェスチャーと同じく、
時間を取りがちな「教室用語」は、あらかじめ宿題にしておぼえてくるなど、
時間をムダにしない工夫が大切。
たとえば「どうぞ」「みなさん、はい。(言ってください)」「意味は?」
この3つを仕込んでくだけでも、授業のスムーズさが数段変わってきます!
そして先生が、毎回同じセリフを使うこと!
そうすることで、学生も先生の進行スタイルを理解します。
簡単で今すぐできるので、「いつも指示が通らない・・・」という先生は、
ぜひ試してみてください!
3. 学生の反応が悪い・・・パワーポイントのNGやってない?!
パワーポイントなどの視聴覚教材は、
効率的に情報を示すことが出来て、便利ですよね。
ただその便利な一方で、さまざまな危険をはらんでいることを
教師は絶対に知っておく必要があります。
オンラインでパワーポイントを使う上で、絶対に知っておかなければならない問題。
それは、
- インターネット環境により、時差が生じる。
- アニメーションや音声には、時差がある。
- 想像の5倍、こちらの意図は伝わらない。
先生が気付いていないだけで、学生はポカンとしているかも・・・・・?
うっかりやってしまいがちな問題について、詳しく見ていきましょう!
Power Pointの問題点①インターネット環境により、時差が生じる。
これはあえて言うまでもないかもしれませんが、
インターネット環境が良くない人も、当然います。
教師側としてはなんとかしてほしいものですが、なんとかならないことの方が多いです。(笑)
時間帯や、天気によって接続がかなり不安定になることもしばしば。
もちろん都心と田舎でも、大きな差があります。
雨の日は全くつながらない、なんてこともあります。
また、パワーポイントの容量が重すぎると、先生がカクカクします。
(なんていうんだろう、止まったりすること。(笑))
対面授業よりも、必要or不必要の分別を心がけるべきかもしれません。
たとえば50分の授業で、50枚のスライドがあるとしたら、単純に1分に1枚スライドが変わっていく計算になります。
それって学習者目線で考えると、視覚情報が多すぎて大変じゃないですか?(+_+)
結局何も印象に残らない、という悲しい結果にも・・・・・。
教師には断捨離能力も必要ということでしょうか!(あー苦手だ。笑)
先生が教えてしまうのは簡単ですが、
ちょっとの工夫でクラスの一体感が生まれやすくなります^^
Power Pointの問題点②アニメーションや音声には、時差がある。
実際に私が日本で実験したことですが、
たとえ日本にいる者同士でも、先生と学生のパワーポイントには時差があります。
パワーポイントに仕込んだ音声を再生すると、先生と学生の再生のタイミングに、2~3秒程時差があります。
他の先生の授業を見学した際も、同じ状況でした。
日本間でも時差があるわけです。
ということは、気を付けなければならないのが、
音声が終わった直後に、話し始めないこと!!!!
学生からしてみれば、まだ音声が流れているところに、
先生が声をかぶせてしまったことになり、
「どちらも聞こえなかった!」という最悪な事態になります。
最悪の場合、自分のせいでもう一度音声を流さなければいけなくなるかも・・・・・
これってすごく時間のムダ!!
Power Pointの問題点③想像の5倍、こちらの意図は伝わらない。
スライドを見て、何を練習するべきなのかは、思ってるより伝わらないもの。
大切なのは、どうやって練習するのか、必ず明確に例を示すこと。
練習のゴールや意図については、日本語や学習者の母語で、文字にして示してもいいと思います。
全体ではなんとなくできていても、グループに分けるとできていなかったりすることって、対面授業でもあると思います。特に初級は。
私はまだまだあります・・・・・・・・(笑)
授業見学に行って思ったことですが、
教室用語のように、練習の流れも基本を作っておくと、わかりやすいと思います。
たとえば、語彙のスライドでは「発音全体→発音個人→意味→文で言う」など、
“いつもの流れ”を作っておくと、「先生の意図を汲む」という不要な負荷を与えずに済みます!^^
3.つまらない授業の原因!!〇〇は、先に出してはいけない?!
オンラインだと、つい気が緩んでしまう学生、いますよね。
午後なんて絶対聞いてないな、って人います。(笑)
集中力と緊張感を保つために、今日から簡単にできること、
それは「先に答えを出さない」こと!
簡単なようで、意外とやりがちです。
私自身、思い当たる節が多すぎて反省・・・・(+_+)グサッ
答えを出してしまうと、脳は考えることを止めます。考える必要がないからです。
脳を使わないと、記憶しません。記憶する必要がないと脳が処理するからです。
先に答えを出してしまったパワーポイントは、ただのスライドショー。
私が実践しているのは、「何人か当てる」こと。
既に実践されている先生もたくさんいらっしゃると思いますが、
私が留学生として外国語の授業を受けていて「いいな」と思った先生のマネです。(笑)
一人だけだと、まちがえたとき恥ずかしいし、苦手な学生は委縮してしまって、何も答えられずに黙ってしまうことも。
何人かの小さいグループで考えさせて、グループとして答えを出させてもいいと思います。
「何が失敗?」は、学習者目線で考えると見えてくる!!
「日本語を考える」という必要な負荷は与えつつ、
「先生が何をしたいのか?」「何を言えばいいのか?」という無駄な負担はかけない!
必要なことに100%頭を使ってもらうためにも、対面授業以上に、情報の取捨選択が求められるのかもしれません。
私は授業準備で迷ったとき、「これがアラビア語だったら」と考えるようにしています。
考えるだけで、しんどい。(笑)
でもなんとなく、何がストレスなのかとか、
“こうしてくれたらわかりやすい”っていうポイントが、
学習者目線で見えてくるような気がするのでオススメです。(笑)
オンラインは、私含めまだまだデビューしたばかりの先生が多いと思います。
いいアイディアがあれば教えてください!笑
それではまた次回お会いしましょう!(^^)/
コメント
コメント一覧 (2件)
インドやアフリカで日本語教師をし、今は日本で致しております。
この度、フィリピンの生徒を受け持つ機会に恵まれましたので何か情報をと検索しておりましたところ、こちらのブログに辿り着きました。先生の書かれていることの一つ一つがとても新鮮です。情報発信を楽しみにしています。
ウィル様、こんにちは。
貴重なご感想をありがとうございます。
素敵なご経験をお持ちの先生に、温かいお言葉をいただき嬉しい限りでございます。
今後も現場から生の声をお届けできるよう、たくさん発信してまいります!^^