初級第一難関「て形」日本語の動詞のグループ分けって何!?日本語教師1年生向けにわかりやすく解説

軽い気持ちで日本語を教えていたら、外国人から「これは何グループの動詞?」と聞かれてわからなかった、という方はいらっしゃいませんか?

日本語の動詞には3種類あり、私たちが国語の時間に習った動詞の種類とは違うんですよ。今回は動詞のグループ分けについてご説明致します。そして、学習者へのわかりやすい説明方法も一緒にお届けします。動詞のグループ分けがうまく説明できないと悩んでいる日本語教師にもおすすめです。

目次

日本語の動詞には3種類ある

五段活用・上一段活用・下一段活用・か変・さ変…そんな動詞の種類を学生時代に覚えましたよね!?しかし、日本語教育ではほとんど使いません。日本語教育では動詞の種類は3つだけ!!名前は「1グループ」「2グループ」「3グループ」。なんて覚えやすい!

では、各グループの説明をしていきます。

1グループ

1グループは動詞を「~ます」の形で言ったときに、「ます」の前の音が「Iます」になるもの。具体的には

  • かいます(買います)
  • かきます(書きます)
  • いそぎます(急ぎます)
  • まちます(待ちます)
  • のみます(飲みます)

などです。「ます」の前の発音が「い段」になっていますね!これが「1グループ」です。

2グループ

2グループは動詞を「~ます」の形で言ったときに、「ます」の前の音が「Eます」になるもの。具体的には

  • おしえます(教えます)
  • たべます(食べます)
  • とめます(止めます)
  • ねます(寝ます)

などです。「ます」の前の発音が「え段」になっていますね!これが「2グループ」です。

3グループ

そして、最後に3グループ。これは超簡単!

  • します
  • きます(来ます)

だけです。「します」とは

  • コピーします
  • 結婚します
  • 散歩します

など、「します」の前が名詞のものです。

注意を忘れてはいけないこと!!!それは2グループの例外動詞です。2グループは「Eます」の動詞だと説明しましたが、実は例外があります。

  • おきます(起きます)
  • かります(借ります)
  • みます(見ます)
  • います

などです。これらの動詞は「Iます」ですが、「2グループ」の動詞なのです。学習者がこれを知らないでいると、動詞活用を頻繁に間違えてしまうことになるので、大変です。

学習者への教え方

動詞のグループ分けができなければ、この先日本語を学習していくことがかなり困難になります。ひとりたりとも、教室でぼーっとさせてはいけません。学習者全員に今から何をするか、明確に提示します。

今日は動詞の種類を勉強します。日本語の動詞にはみっつあります。

この一言から、動詞のグループ分けの学習を始めます。

また、「種類」「グループ」という言葉がメインで使われていることにも注意をはらってください。メインで使われているにも関わらず、動詞のグループ分けを習う段階では「種類」と「グループ」という言葉は未習です。語彙導入し、「種類」「グループ」を使用するのもよし、学習者全員が同じ母国語を話すなら、母国語を使用するのもよし。くれぐれも言葉がわからずに戸惑っている学習者がいないように心がけてください。

では、本題のグループ分けの説明に入ります。

1グループ2グループ
かいます(買います)おしえます(教えます)
かきます(書きます)
1グループ2グループ
かいます(買います)おしえます(教えます)
かきます(書きます)たべます(食べます)
いそぎます(急ぎます)とめます(止めます)
まちます(待ちます)ねます(寝ます)
のみます(飲みます)います

のような表(もちろん表に書かれている動詞は学習者が既習のものだけを使ってください)を見せ、

1グループと2グループは一緒ですか?

と聞けば、予習している学生や勘のいい学生は「Iます」「Eます」の違いを自分なりの日本語で答えてくれます。そして、答えてくれた学習者を大きくほめたたえます。(褒めることは忘れずに)学習者が1グループと2グループの違いを答えてくれたら、必ず教師が簡単な日本語で説明しなおします。

「Iます」は1グループ、「Eます」は2グループの動詞です。でも、注意してください。起きます・借ります・見ます・います は「Iます」ですが、2グループです。

例外の2グループの動詞はなかなか覚えられませんから、別枠で板書するとわかりやすいです。

2グループ
7時にきます
本をかります
テレビをみます
教室にいます

この例外の2グループの動詞は学習が進めば進むほど増えていきますし、すぐに覚えるのも難しいです。ですから、学習者が動詞のグループ分けに慣れるまでは、教室に掲示しておくのもいいですね。

なぜこの特別な動詞だけ「名詞+助詞+動詞」で板書するかというと、「(荷物を)置きます」じゃなくて、「(7時に)起きます」の動詞が2グループの動詞だからです。特にひらがなのみで学習している学習者は混乱する可能性があるので、要注意です。

例外があるなんて、なんて面倒くさい!と思う学習者もいると思いますが、動詞にも名詞にも種類がある外国語もあるし、あなたの母国語と同じでしょ!と笑って言えば学習者も笑って理解を示します。難しいことを勉強しているときこそ、笑いは大切です。

最後に3グループの説明。

3グループの動詞はとても簡単です。「します」「来ます」だけです。

といって、3グループの動詞の説明をします。これで動詞のグループ分けが終了です。

終了したら、学習者にクイズを出題。

はなします(話します)は何グループですか?

「話ます」は1グループですが、「はなします」と、「します」がついているので、3グループだと思う学習者もいますので、これもまた注意が必要です。

まとめ

学習者が自分で動詞のグループ分けができることは非常に大切です。初級で学習する動詞の活用は動詞のグループ分けができてこそ、できるものです。今までに学習した動詞を見てグループに分ける練習、動詞を聞いてグループに分ける練習などをして、しっかりと覚えられるように工夫してみてください。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 興味深く拝読しています。が、例になる動詞、ところどころ文字が抜けていて残念です。
    例えば動詞のグループ分けのところ、
    1グループ かいます 買います 
    であるべきところが 
    「かます」になっています。

    • コメント、ありがとうございます。
      該当部分を訂正しております。
      ご連絡、ありがとうございました。

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