新人日本語教師のみなさん、こんにちは。
「『みんなの日本語』教案どうやって作る?初心者必見!書籍紹介」と題して、第1回では文法分析の参考になる書籍を、第2回では導入や練習で使う絵カードを探すときに便利な書籍をご紹介しました。
教案を書くとき、みなさんはどんなふうに授業を組み立てますか。
文型を導入した後は、その文型を学習者が実際に使えるように練習をしていかなければなりませんよね?
今回ご紹介する書籍はどれも、『みんなの日本語』で習う文型を使った練習を考えるときに筆者が参考にしているイチオシの書籍です。
それでは、さっそく一緒に見ていきましょう。
『みんなの日本語』シリーズ―使える教材2選
『みんなの日本語』で教えるなら、真っ先に頼りになるのは『みんなの日本語』の補助教材です。
『みんなの日本語』補助教材のなかで文型練習に使える筆者のイチオシ書籍は、以下の2冊です。
- 『みんなの日本語 書いて覚える文型練習帳』
- 『みんなの日本語 導入・練習イラスト集』
やっぱり『みんなの日本語』補助教材だけあって、『みんなの日本語』本冊を補うのにピッタリ!とっても使いやすいです。
それでは、『書いて覚える文型練習帳』、『導入・練習イラスト集』それぞれの特徴と活用方法をご紹介します。
動詞の活用練習に、語彙練習に…多目的に使える『書いて覚える文型練習帳』
『みんなの日本語』の教案を書いていて、どうやって文型練習を入れるか迷ったら、まず参考にしたいのが『書いて覚える文型練習帳』(略して『文型練習帳』)です。
『書いて覚える~』という名前のとおり、書き込んで練習するスペースがたっぷり。だから、学習者がきちんと日本語を表記できているかの確認にもなります。
課ごとに構成は違いますが、多いのが次のような練習です。
- 動詞の新しいフォームの練習
- 文型を使った作文練習
- 語彙の整理
どれも全部、『みんなの日本語』本冊だけでは足りないところ、見逃しがちなところを補完。すっきり分かりやすく学習項目が整理できる優れモノ。
「こういうときにはコレがいいよ」という、筆者おススメの『文型練習帳』活用法をご紹介しますね。
『文型練習帳』の使い方①新しいフォームが出たらコレ!動詞のフォーム
『みんなの日本語』本冊では、練習Aで動詞のフォーム一覧表があるだけ。動詞のフォームだけの練習はなく、練習Bでは動詞のフォームも変えて、新しい文型にも接続させて、しかも動詞のグループもバラバラという練習を一気にしなければなりません。
だから、練習Aと練習Bの間で、一度ゆっくり動詞の新しいフォームだけを練習できたらいいのになあ…それができるのが『文型練習帳』。
新しい動詞のフォームが出てきたときには必ず活用したい、それが『文型練習帳』です。
さらに、例えば15課では「て形の整理」という練習があります。14課で学習した「て形」をもう一度活用の仕方別にまとめましょうという練習なのですが、こういった練習ってなかなか自分では思いつきません。
既習のフォームも別のアプローチで練習でき、その課の練習につなげられる。とってもうれしい1冊です。
『文型練習帳』の使い方②本冊の練習の補足に!文型や語彙の整理
例えば22課では、「(靴を)はく」、「(帽子を)かぶる」などの着脱動詞をまとめる練習があり、続けて「~をはいている/かぶっている人は○○さんです」のように、着脱動詞を使った連体修飾節の練習までできちゃいます。
『みんなの日本語』本冊では練習B3とC1で関連した練習がありますが、どういうときに「はく」を使うの?どういうときに「かぶる」を使うの?といったまとめはできません。
だから、『文型練習帳』で着脱動詞をまとめることができるのは、大助かり!
また、『みんなの日本語』本冊では、練習C以外イラストが少ないのですが(練習Bには時々イラストあり)、『文型練習帳』はイラストも多い!その文型を使う場面が想像しやすいです。
簡単な会話練習や作文練習に使える『導入・練習イラスト集』
導入絵カードを探すときにも便利な書籍ですが、それだけじゃありません。
簡単な会話練習にも使えるイラストがたくさんあるんです。
筆者の場合、『導入・練習イラスト集』のイラストを導入用の絵カードとして使うか、会話練習の素材として使うかで次のような使い分けをしています。
①導入用の絵カードとして使う:『導入・練習イラスト集』のイラストをスキャン、プロジェクターを使って教室に大写しに。イラストをみんなで見ながら導入。文字情報は無し、または導入の途中で例文を書く。(教室にパソコン、プロジェクターがなかった頃はA3用紙に拡大コピーをしていましたが…)
②会話練習の素材として使う:イラストをスキャン、ワード文書に貼り付けてプリントを作る。イラストの隣に文型を使った簡単な会話の穴埋め練習を作っておく。
会話練習の素材として使う場合は、プリントを配布した後、まずクラスのみんなで練習のしかたを確認。その後ペアを組ませて、話す練習をします。話す練習をした後、プリントに書き込ませるようにすると、表記の練習にも。
学習者の気分転換に最適!厳選おススメ教材をご紹介
最後に『みんなの日本語』の補助教材ではないけれど、『みんなの日本語』の基本練習に使える書籍をご紹介します。
『みんなの日本語』補助教材ではない教材を使うメリットは以下の通りです。
- 『みんなの日本語』を一度離れることで、学習者の気分を変えることができる
- 『みんなの日本語』とは違うアプローチで練習を補うことができる
これからご紹介するのは、「授業時間に余裕があれば」ですが、筆者がそれはもう、よく使っている教材です。
簡単なリスニング練習に使える『わくわく文法リスニング』
『みんなの日本語』は課末の問題と補助教材の『聴解タスク』以外にリスニング教材がありません。(『聴解タスク』については、また改めてご紹介しますね。)
筆者の勤務校にあるのは、こちらの『わくわく文法リスニング99 ワークシート 新装版(CD付)』(1995年発行)。
ところで、この『わくわく文法リスニング』、2017年に改訂版が出てきます。それが、こちらの『新・わくわく文法リスニング100 ―耳で学ぶ日本語―』。第1課~第50課、第51課~第100課の2巻に分かれています。
目次を見れば、どの課にどの文型が使われているのかも一目瞭然。
例えば『みんなの日本語』第14課では動詞の「て形」を学習しますが、『わくわく文法リスニング』でも「て形」を使ったリスニング練習がそろっています。
『わくわく文法リスニング』の「て形」の練習は、以下のようです。
- 「①して ②しって ③しった」の3択からCDを聞いて発音しているものを選ぶ
- 「~てください」を使った簡単な会話を聞いて適切な絵を選ぶ
「①して ②しって ③しった」の3択から発音しているものを選ぶって、日本人には「どこが難しいの?」っていう感じなんですが、外国人学習者には「っ」の発音が難しいんですよね…
動詞の「て形」を勉強すると、「っ」の入れどころで迷う学習者が必ず出ます。だから、「て形」に関連して「っ」のリスニング練習ができるって嬉しい!
今回は文型導入後の基本練習に使える教材をご紹介しました。
次回は応用練習からまとめの段階で使える教材をご紹介しようと思います。
それでは、次回またお会いしましょう。
<参考文献>
- 平井悦子、三輪さち子著『みんなの日本語初級Ⅰ第2版書いて覚える文型練習帳』スリーエーネットワーク
- 飯島ひとみ、芝薫、高本佳代子、村上まさみ著『みんなの日本語初級Ⅰ第2版導入・練習イラスト集』スリーエーネットワーク
- 小林典子、フォード丹羽順子、高橋純子、梅田泉、三宅和子著『わくわく文法リスニング99ワークシート 新装版CD付』、凡人社(品切れ中)
- 小林典子、フォード丹羽順子、高橋純子、梅田泉、三宅和子著『新・わくわく文法リスニング100―耳で学ぶ日本語―[1]』凡人社
- 小林典子、フォード丹羽順子、高橋純子、梅田泉、三宅和子著『新・わくわく文法リスニング100―耳で学ぶ日本語―[2]』凡人社
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