日本語の発音、矯正すべき?キッズ英語ボランティアで分かった発音矯正が難しい理由や矯正方法

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

私は東京の日本語学校で非常勤講師として、欧米の学生を中心に教えています。最近はクラス授業、プライベートレッスンが減ってヒマになり、毎日中国の時代劇ドラマ三昧です(笑)。

学生の日本語学習にドラマを勧める先生方は多いかと思いますが、私も華流ドラマを見てその効果を実感しました。

若い娘は「小姐(シャオジエ)」、OKは「好(ハオ)」等、自然と覚えるんですよね。「陛下万歳、万々歳」も私、中国語で言えるように!(どこで使う?笑)

耳で聞いて発音を真似して覚える、この言語学習法もアリだなと思いました。最近始めたキッズ英語ボランティアでも、子どもは発音を聞いて、リピートしながら覚えていくんですよね。

今回は、耳からの学習で一番大切な発音について、日本語の発音矯正をどうしたらいいか、キッズ英語ボランティアをして感じたことをお話したいと思います。

学生の発音が変だけど、矯正した方がいい?とモヤモヤしている方、どうやって発音矯正すればいいの?とご不明な方、ご一緒に考えていきましょう!

目次

1.日本語教師は発音矯正しなきゃダメ?難しい理由と矯正方法

最近始めたキッズ英語のボランティアは、教える相手は私の姪っ子ちゃん、小学1年生!身内です(笑)。最近は小学校でも英語の授業があるようで、小学低学年ママたちのホットな話題らしいです。

アルファベットを教える時に気がついたのですが、姪っ子がどんなに頑張っても発音できない音が!同じことが日本語学習をしている学生にあるかも?と思いました。

皆様は、学生が「おはようごやいます」や「ありがとうごじゃいます」と言ったら、発音矯正をしますか?日常生活でよく使う言葉だけに、矯正できるものならしてあげたいな、と私は思っています。しかしこれが至難の業!以下、日本語の発音矯正が難しい理由とその指導法について、私の一考察です。

1-1.日本語の発音矯正、どうして難しい?

姪っ子が発音できなかった音は、FとRです。Flowerは「ふらわー」と日本語っぽい音になってしまう…。FもRも日本語に存在しない音ですよね。

同じことが韓国人学生にも言えます。「どうぞ」が「どうじょ」になるのは、韓国語に「ぞ」の音が存在しないから!学生は「ぞ」の音は母語で一番近い音「조(ジョ)」だと思ってしまいます。

韓国人学生にとって、「ぞ、じょ」は同じ音に聞こえるんです。だからまず、違う音なんだと認識させることが、発音矯正の第一歩!講師が学生の母語を知っていると、「조じゃないですよ、韓国語にない音ですよ」と指摘することができます。

他にも、フランス人が「ひろしま」を「いろしま」と言った時、皆様はどう指導しますか?フランス語の語頭のHは無音と知っていれば、「Hiroshimaは、フランス語ではHを発音しませんが、日本語では発音します」と説明できます。

発音矯正が難しいのは、学生の母語に存在しない日本語の音があったり、学生が母語の発音ルールを日本語にも適応してしまうから!

私たち講師が発音矯正をする時は、学生の母語を知って、その言語が日本語とどう違うか、比較言語論のような視点が必要なのかもしれません。

もう一つ、思いもかけない理由で発音矯正が難しい事例が!姪っ子にアルファベットを教えていた時、Cの発音はシーではなくスィーですが、姪っ子は何回やってもできず、ふと彼女の顔を見たら歯が抜けていました!歯がないとできないよね〜と、ちょっと笑ってしまいました!

1-2.日本語の発音矯正、どうやってする?

養成講座や日本語教育能力検定では、口蓋図でたくさん発音を勉強しますよね?でも実際に学生の発音が変な時、口蓋図で説明したら発音矯正できるのでしょうか。

経験上、口蓋図で舌の位置を教えても、学生の舌はこちらから見えないので、「じょ」「違います。舌はここ。ぞ、ぞ。」「じょ」「違います」「…(泣)」と、学生も講師も心が折れそう…。

もっと効果的な教え方はないかと模索する中、出会ったのは「つたえる はつおん」制作チームによる発音矯正の動画!

動画では、講師の方の発音矯正テクニックが素晴らしく、私もザ行の「ぞうきん」メソッドを授業で使わせていただき、効果を実感しました。動画は無料で公開されていますので、おすすめですよ!

https://www.japanese-pronunciation.com/jpn/movie/consonant1/

2.まとめ

発音はその人の個性でもあるので、発音矯正は学生の心を傷つけることがあります。学生と信頼関係ができた後か、または学生の要望がある場合に限り、発音矯正をするのをおすすめします。

しかも会話の途中ででちょこちょこ指摘するより、発音クリニックと称して、集中的に10分ほど時間をとって行ったほうが効果的!しつこいと学生が自信を無くすので、熱血指導ではなく、ほどほどに(笑)。

今回、姪っ子の英語の発音指導は、日本語の発音を考えるいいきっかけになりました。ボランティアなのでお金をもらっていませんが、ある日我が家に届いたのはお米!授業料がお米なんて、江戸時代の寺子屋みたい、とまた笑ってしまいました!

それでは、また別の機会に。

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