日本語教師をしていたら、学生から答えにくい質問をされることってありますよね?
日本人なら聞かないであろう質問や、自身が答えがわからない質問などなど…。
他の日本語教師の方って、どうやって答えているんでしょう?学生からの質問への答え方マニュアルなんてありませんしね(^^;)
私の20年ほどの教師経験から、「こうやって答えるのが無難じゃないかな~」と思う方法をセレクトしたので、答え方に困っている方、参考にしてください(^.^)
こんな質問をされたら困る!日本語教師の学生からの質問への答え方
みなさんが困った学生からの質問って、どんな質問ですか?
私が経験した困った質問は次の4つ。
- 教師のプライベートに関する質問
- 歴史や政治に関する質問
- 未習内容についての質問
- 教師が説明できない語彙や文法に関する質問
けっこうメジャーな質問だから、「私もこの質問に困ってる~」という日本語教師の方も多いんではないでしょうか?
ご自分に関係がある部分だけサクっと読んじゃってくださいね!
教師のプライベートに関する質問
プライベートに関する質問って、日本人同士ならかなり親しくなってからでないとしないから、質問されると戸惑いますよね。
私も始めの頃は戸惑って、質問されると目が泳いでいました(笑)
そこで、編み出した私のプライベートに関する質問への答え方!
- その①:正直に学生に事実を伝える
- その②:学生にプライベートなことは話せないと伝える
例えば、正直に学生に事実を伝える場合は
学生:「先生は彼がいますか?」
教師:「はい、います」
という具合に素直に答える。
注意して欲しいのはどうやって学生にプライベートなことは話せないと伝えるか?!です。
例)
学生:「先生、1か月のお給料って、いくらですか?」
教師:「えぇ?〇〇さん(学生の名)に、私のお給料を言うんですか?!
私は小学生からの友達にも自分のお給料は言わないし、聞きません。
だから、〇〇さん(学生の名)には言えないですよ~」
学生:「え?日本人はお給料を聞かないんですか?じゃぁ、仕方がないですね…」
こんな感じで答えるんです。
ポイントは「私は小学生からの友達にも自分のお給料は言わないし、聞きません」というように、具体例を挙げて日本人同士ではあまり質問しない内容なんだよってことを伝えることです。
具体例を挙げると、学生に日本人の習慣も伝えられますしね。
間違っても、「学生にはプライベートなことは言えません!」って言っちゃあ駄目ですよ。冷たい先生になりかねません(笑)
ちなみに、私が聞かれたことがあるプライベートな質問は
- 教師の年齢・学歴・お給料
- 日本語教師歴
- 恋人の有無
- 鞄やアクセサリーなどの値段(学費を稼ぐためにアルバイトしている学生には正直な値段は言いづらかったです…)
などです。この記事を読んでいらっしゃる方の中に新米日本語教師の方がいらっしゃったら、答え方を準備しておくといいですね。
歴史や政治に関する質問への答え方
ここで言う「歴史や政治に関する質問」って、「法隆寺はいつ建てられましたか?」なんて答えやすい質問のことではないですよ。
センシティブな歴史の話や、特定の政党や政治家について意見を求められたときの話です。
歴史や政治が苦手な私の対応手順はこれ!
- 手順①:学生の質問をゆっくり最後まで聞く
- 手順②:教師は学生の質問内容に疑問があれば、聞く
- 手順③:最後に簡単に且つ正直に自分の意見を言う
私の経験上の判断ですが、教師が答え方に困る質問をする学生って、かなり歴史が好きだったり、政治について自分の考えや意見を持っている学生のような気がします。(え?そんなことはないですか?)
教師が学生の話を理解できないと困るので、疑問点は聞いておきます。そして、教師は簡単に且つ正直に自分の意見を言うのです。
ぶっちゃけ、歴史や政治に興味があって調べている学生には、私は到底知識が及びません。だから、
「へぇ~。知りませんでした」
「勉強になりました」
「自分でも調べてみます。」
などと、正直に言います。
お気づきかと思いますが、この対応方法は授業内では対応できないことが多いので、授業外に対応しています。
未習内容についての質問への答え方
未習内容について聞かれるというのも、よくあることですね~。
教師が質問に答えることができても、
- 未習内容は今後習う予定なので、今は説明しないほうがいい。
- 質問内容の難易度が高く、説明しても、学生が理解できない可能性がある。
といった場合があります。
そんなときに私がすることはコレ。
- その①:クラスの大半が理解できる内容なら、答える
- その②:クラスの大半が理解できない内容なら、答えない。でも、授業外の時間に質問してきた学生に答える
- その③:クラスの大半も、質問した学生も理解できないくらい難しい内容なら、答えない。
ただ、教師が答えないときの一言が大切です。学生に「あの先生は質問に答えなかった」と思われては困ります。
教師:「その質問は難しすぎて、今みんなに教えると、もっと難しくなります。だから、後で〇〇さん(質問した学生)に教えますね。」
教師:「その内容は上級クラスで習う内容なんです。初級のみなさんには難しいので、上級クラスで習ってくださいね。」
このように「今の段階で学習するのは難しい」ということを伝えると、学生もなぜ教師が質問に答えないのかがわかって、納得しやすいです。
あ!忘れてはいけないことがあります!
未習内容を聞かれたときは「まだ習っていないことなのに、質問できるなんてすごい!!」と褒めたたえてくださいね。
学習に疑問を持つこと・クラスが質問しやすい雰囲気であることは大切ですからね。
教師が説明できない語彙や文法に関する質問への対処法
学生から質問されて「あちゃー!!わからない!!」という状況になること、ありますよね。
想定外の質問は困ります(汗)。
「授業準備が足りなかったよ~」と思ってももう遅い。何か答えなければなりません。
まずは、「そんな質問を思いつくなんてすごい!」などと言って、質問したことを褒めることが第一。
学習に疑問を持つことやクラスが質問しやすい雰囲気であることは大切です。
そして、答えられないことを素直に言いましょう。「その質問は私も考えたことがなかったです。考えるから次回までの宿題にさせてください」と。
教師が「わかりません。次回までの宿題にします」とだけ言うと、「あ~、先生は答えられないのか~」と思われ、場合によっては「他の先生に質問したほうがよかったかな~」と思われかねません。
そう言われると、学生も「あ、私はレベルが高い質問をしたのかな?」と思って、不機嫌にはならないはずです。
もちろん、しょっちゅう「私、考えたことなかったわ。宿題にさせて」と言っているようじゃ、「先生、考えてなさすぎやん!」と思われるので、要注意ですよ(笑)
一番やってはいけないのは、正しい答えが分からないのに、教師の感覚だけで返答すること。間違ったことを教えてしまうと、訂正が難しくなるし、教師への信用を無くすので、気をつけましょう。
まとめ
学生に「質問はありますか?」と聞くけれど、実際に質問があったらドッキドキですよね。私は今でも質問されるとドキドキします。
けれども、昔に比べると余裕をもって、学生の質問を聞けるようになりました。多分、余裕ができたのは何回も質問されるうちに、質問への「答え方」が分かったからです。
皆さんも質問への「答え方」をマスターして、学生からの質問に余裕をもって答えてくださいね。
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