初級の授業も中盤を迎えた「みんなの日本語27課」可能形の学習。学習も半ばを迎えると、授業がマンネリ化したり、単調になりかけたりしますよね。
だって、学習者が可能形を使って「自分ができること」を言うわけですからね。みんな積極的に話したがります。お互いの特技や長所がわかるので、親睦を図るチャンスでもあります。
教師も学習者の長所がわかれば、その後のコミュニケーションも取りやすくなるし、導入も考えやすくなりますね♪
クラスが盛り上がる!学習者が楽しめる可能形の導入と練習・2つのポイント
可能形の導入で学習者が楽しめるポイント2つ!
- みんなが知らない情報で例文を作成すること
- 実際にその能力が見られること
この2つです。具体的にどういうこと?って思いますよね。具体例を挙げてご紹介します。
盛り上がること間違いなしの導入
多くの可能形を導入って、こんな感じですよね。
(学習者の〇〇さんに漢字を読ませて)
〇〇さんは漢字が読めます。
(男の子が自転車に乗っているイラストを見せて)
この男の子は自転車に乗れます。
これらはよくある例文です。
このような例文が悪いんじゃないですよ。
だって、みんな一緒に勉強しているわけだから、同じクラスの〇〇さんが漢字が読めることはみんな知っていますよね。
「この男の子は自転車に乗れます」って言われても、自転車に乗る姿が見られるわけじゃないし、ほとんどの学習者が自転車に乗れる可能性だってあります。
じゃあ、どんな導入がいいのか?
ね?この導入なら、実際に目にすることができます。そして「〇〇さんが絵が描けること」や「□□さんが歌が歌えること」がクラス全体の既知情報じゃなかったら、歓声が起こること間違いなしです。
もちろん、導入のための下準備は大切。
事前に学習者の持ち物や、授業中&休み時間の様子をチェックして、可能形で表現できるものがないか、チェックしておくのです。
これで盛り上がる!可能形の練習方法
可能形の練習で取り入れると盛り上がることが2つあります。
可能形を使って、
- クラスみんなの能力を紹介する
- お互いの文化や習慣の差を紹介する
この2点です。
①クラスみんなの能力を紹介するのはなぜか?
導入で特定の学習者の能力だけを紹介すると、その学習者にばかりスポットライトが当たり、不公平感がでます。だから練習のときにはできる限り多くの学習者の能力を紹介するのです。
- ( )ので、ピアノが弾けます。
- ( )から、日本料理が作れます。
↑こんな感じで、学習者に前件&後件がある文章を作成させると、文法の復習にもなるし詳細もわかるので、一石二鳥ですよ。
自分だけの能力を言うのではなく、他者紹介をさせて、クラスメイトの能力を紹介するのもいいですね。
また、可能形は
- 図書館で本が借りられます。
- この店はカードが使えます。
というように、ある状況での行為の可能性も表します。
例①
*日本では10円で公衆電話が使えます。
⇒公衆電話の使い方は災害時に必要な知識です。
例②
*私の国の水道の水は、沸騰させたら飲めます。
⇒沸騰させても水道の水が飲めない国、沸騰させたら飲んでもいい国、いろいろあるようです。私が出会った外国人の中には、どの国でも大都会の水道の水はみんな飲めないし、髪を洗うのにも使えないと思っている人もいました。
もちろん、このような授業をするときは、教師が前もって学習者の母国について調べておくことが必須ですよ~。
まとめ
可能形の導入や練習は、私が楽しみにしている文法学習のひとつでもあります。だって、可能形を使って、クラスメイトの相互理解・異文化理解ができますからね。
以前に可能形を使って、お互いの特技や長所を紹介したところ、二胡がとても上手で、授業後にみんなの前で演奏してくれた学習者がいました。
バスケットボールが得意で、雑誌に載ったこともあるという学習者もいました。
これら学習者のプライベートな話は、教科書問題だけ解いていてはわからなかったことです。
どうぞ、この可能形の導入と練習方法で、学習者とのコミュニケーションを深めてください!
コメント