日本語指導:わかりやすいPowerPointの使い方 授業の無駄を減らし練習を増やす方法

学校での授業時間は限られています。ですから、限られた時間内にできるだけたくさんの練習がしたいですよね。PowerPointを使うと、従来の教材より簡単に学習者に問題文やイラストを見せることができます。練習の幅も広がりますね。使ったら便利だろうけど、準備が面倒…。授業で上手く使いこなせないんじゃないかなあ…。なんて思う人もいるのではないでしょうか。

PowerPointは、ちょっと工夫することで、さらにテンポよく、無駄な時間を省いて授業をすることができるんですよ。今回は授業の無駄を減らして練習を増やす方法をお伝えします。

PowerPointを使ってもテンポよく授業がすすまない。練習量を増やしたいとお考えのかた、ぜひご一読ください。

目次

PowerPointで授業を受けたことがありますか?

私が中国の大学で中国語を勉強したとき、教師は黒板ではなくPowerPointをメインに使っていました。私が中国で日本語を教えたときも、メインは黒板ではなく、PowerPointを使いました。そこで気づいたこと。それは…

仕事での使い方と日本語を教える時の使い方は違うということ

仕事や学校でPowerPointを使われる方は多いかもしれませんが、授業で、しかも語学の授業でPowerPointを使って勉強したことってありますか?使い方を変えると、練習量が増えるんですよ。

日本語指導を効率化するPowerPoint作成のポイント

今回は「練習量を増やす」を目的にPowerPointの使い方を3点、ご紹介します。

機能は使わない

PowerPointにはいろいろな機能がありますよね。スライドのデザインを自分好みに変えたり、文字を表示するときに何らかの効果をつけたり…。

スライドのデザイン、画面や文字の効果オプションなどは使わないこと

例えば、教師が「教室の雰囲気がよくなるかな」と思って、スライドにブルーのデザインをつけたとします。すると学習者は「なんで先生のスライドはブルーなんだろう。今日の授業と関係があるのかなぁ…」などと考えたりします。この考える行為が学習の邪魔をします。

スライドや文字に効果オプションをつけると、画面右側からヒュっと現れたり、画面上側にサッと消えていったり…。なんか楽しい感じがして、私も使ったことがあります。

しかし、この現れる時間、消える時間が無駄です。紙の教材のときは、パッと見せるだけでよかったのですから、PowerPointを使う場合も同じ。パッと見せるだけでいいのです。要らぬ効果に、授業時間を使ってはいけません

「真っ白のスライドばかりを使うのは味気なくて嫌だな」と思われる方は、教科書の表紙と同じデザインのスライドにしたり、スライドの右下部分などに、教科書表紙の写真を載せるのがおすすめです。画面を見ると「今、どの教科書を使って授業をしているか」が一目瞭然で、遅れて教室に入ってきた学習者にもわかりやすいですよ。

板書をノートに書かせない

みなさんはPowerPointを使って導入をしていますか?スライドに導入例文も書いていますか?では、PowerPointで見せた内容、学習者に書かせていますか?実は、ここに大きなポイントが隠れています!

スライドに書いた例文や注意点などは学習者には書かせないこと

なぜ書かせないのか?答えは簡単、学習者は教科書をすでに持っているからです。教科書に書かれている内容を再度ノートに書く必要はないという考えです。学習者が例文や注意点をノートに書くのを待っている時間があるなら、練習時間に使ったほうが有意義です。

また、私が過去に出会った学習者の中には、何をノートに書けばいいのかわからない、という方もいらっしゃいました。聞けば小学校のときからPowerPointなどで授業を受けていて、授業後には教師からデータが配られていたとか。

教師が学習者に板書をノートに書かせたい場合は、書く内容と書く場所を指示したほうがいいかもしれませんね。

説明は書かない

PowerPointを使って導入したとき、スライドに導入例文も文法説明も書いていますか?

説明文はスライドには書かないこと

教師は導入例文と文法説明をスライドに書き、口頭でも文法説明をすることで、「丁寧な解説ができている」と思いがちですが、実際はその逆です。教師が丁寧な解説をしているとき、学習者は「外国語で書かれた説明を読みながら、教師が話す外国語を聞いている」という状態です。

外国語を読みながら、外国語を聞くというのはかなり高度。日本語に苦手意識を持っている学習者ほど、「説明を読んでもわからない。聞いてもわからない。あ!母語での説明を読まなきゃ!」と感じて、手元にある教科書や文法書をみがちです。学習者が手元にある母語を読み始めたら、もう教師の話なんて耳に入っていませんよ。

PowerPointには導入例文のみ記載、たくさん書きたいときには最小限の単語だけにして、説明は簡単な日本語でするほうが戸惑う学習者がいなくなります。スムーズに練習問題にすすめるのです。

まとめ

私が学習者として中国語を学んだとき、中国語教師が作成したPowerPointを仕事目線でも見ていました。職業病ですね。今回まとめた内容は、自分が学習者として体験した経験も含めています。

授業は学習者がお金を払って得た貴重な勉強の時間。その時間を無駄にすることがないように、授業を工夫していきたいですね。PowerPointで授業をすると、授業の幅が広がりますが、今までにはなかった悩みも登場します。

  • 教室に行ったら、機器が動かなかった
  • 使用したいと思っていたソフトウェアが教室では起動しなかった
  • インターネットの調子が悪いと授業内容にも差し支えてしまう

などなど…

こんなことがないように、事前準備を徹底して悩みを解決していきたいですね。

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