日本語教師として海外で働きたいと思っている方は、海外生活にも興味があるのではありませんか?異文化交流にも意欲的では?でも、海外に住むのはちょっと不安…そんな方も多いですよね。
私は大学生のときにイギリスとオーストラリアに短期留学しましたが、異文化を楽しむ余裕がありました。しかし!いざ中国に住んだときには、楽しむ余裕なんてありませんでした。日本との違いにストレスを感じることもしばしば。
この記事ではみなさんが海外生活への心の準備ができるよう、ガイドブックには載っていない海外生活事情をお伝えします!
外国語ができても困った!言語以外で困ったことベスト3
「海外では日本の習慣や日本人の『当たり前』は通じない」と頭ではわかっていても、目の前で起こると、びっくりしてしまうことがあります。日本語や現地の言葉で意思疎通できても、困ることって山ほどあるんですね…。
以下で、私が経験した「海外生活で困ったことベスト3」を紹介します。
時間の感覚は人それぞれ
私は日本語教師をしながら、大学院に通っていました。ルームメイトはニジェール人で、彼女とのおしゃべり中の出来事。彼女とはルームメイトでもあり、クラスメイトでもありました。彼女は授業に10分から15分遅刻してくることがしばしば。そんなある日、彼女から「あなたの国の人は毎日時間通りに出勤(登校)できるんでしょ?」と一言。
そうです。彼女にとっては、毎日時間通りに出勤(登校)することは当たり前ではなかったのです。このとき「自分の当たり前が相手にも通じると思ってはいけない」と改めて知りました。
逆の立場で考えると、日本に来た留学生が日本人の「当たり前」の時間感覚で生活するのは、かなりのストレスかもしれませんね。
わかってても言えないこと
これも、ニジェール人のルームメイトとの出来事。彼女が勉強中の私に言いました。「私は今からテレビを見るけど、音がうるさかったら言ってね」と。「OK!」と返事をしたものの、数時間経っても彼女はテレビを見たまま。最初は「まあいっか!」程度だったのですが、何時間もテレビの音が聞こえるとは思ってはおらず…数時間後テレビの音が邪魔になりました。
しかし…。「ごめん、あなたのテレビの音が邪魔なの」とは言えませんでした。相手に「邪魔なの」なんて、失礼は発言で言えないですよね?!少なくとも、私は日本人の友人に「邪魔」って言われたことはないし、言われたらけっこうショックです…。
もしかしたら相手の母語や中国語でなら、「邪魔なの」と言うことは何でもないことなのかもしれないけれど、私は言えませんでした。このとき、日本語の間違いはなくても、日本語で言ってはいけない表現を学習者には伝えないといけないなぁ…と身をもって感じました。
どこまでがプライバシー?
中国で働いていたとき、学校のホームページに無断で私の写真と経歴が載っていたことがありました。私はプライバシーの侵害だ!と憤慨しましたが、経営者は「え?どうして?学校の宣伝になるからいいじゃない」という態度でした。
またあるとき、私が始めて会った学習者に自己紹介をしようとしたら、「私は先生のことをネットで調べましたから、もう知っています。自己紹介は要りませんよ」と言われたこともあります。
国が違えば、著作権やプライバシーなどの考え方も違います。日本で自由に写真を撮っている学習者も多いですが、授業を通じて考え方の違いを教えることも大切ですね。
中国の「衣食住」って、どんな感じ?
海外生活を始めるなら、思いもよらないギャップに驚くことがあるよ、という話をしてきました。でも、「海外に行こう」「海外で働こう」と思ったら、まず心配するのってお金のことじゃないでしょうか。
日本で働く日本語教師のイメージには、給料が良くない、というのもあると思います。でも、海外で働く日本語教師のお給料はどうなの?日本語教師のお給料で生活できるのでしょうか。中国は物価が安いから大丈夫なんじゃない?と思っている方はいませんか?
日本語教師のお給料でも、もちろん生活できます。が、多少のやりくりは必要です。企業で働く日本人と同じ生活は無理ですよ。それから、物価は食費と交通費以外、日本と変わらないと思っておいたほうがいいです。
日本と同じ服、買える?
外国に行っても、自分の好みの服を着ていたいですよね。「日本で流行っているものを身に着けていたい」と思う方も多いはず。大丈夫!中国の都市には多くのブランドが出店しているので、簡単に手に入ります。
店舗がなくても、ネットで売っていることもあります。ネットで商品の良し悪しを見極めることができれば、問題なく買い物できるでしょう。ただ輸入品は日本で買うよりも値段が高くなっていますけどね…。例えば日本の100均のお店は、中国では10元均一で販売していました。100円の商品が160円になっていると思うと、なかなか手が伸びませんでした。
毎日何を食べてたの?
私は自炊がメインだったときと、外食がメインだったときがあります。自炊しようと電化製品や調理器具をそろえると、日本と同じくらい費用がかかります。電化製品や調理器具の値段は日本と変わりません。
ですので、現地で得たお給料で自炊の準備をすると、生活が苦しくなります。自炊の準備に必要な費用は日本から持って行ったほうが、その後の生活が楽です。中国にある日本や海外のスーパーでは、日本の調味料や食材が売っていることが多く、日本よりは高いですが手に入ります。
一人で気軽に入れる小さいレストランも多く、私はよく利用していました。小さいレストランで一人で食べると、一人15元(2020年11月現在 1元=約16円)程度で済むので、日本語教師のお給料でも、家計を圧迫することはありませんでした。ただ、この小さいレストラン、衛生面を理由に食事をしない人もいますのでご注意を。
中華料理の外食なら、日本より安いです。友人数人と食べたりお酒を飲んだりしても、一人100元(2020年11月現在 1元=約16円)程度でした。ただ、中華以外の外国料理だと、日本と同じくらい、店によっては日本以上に食費がかかります。
正直なところ、日本語教師のお給料では頻繁に日本料理や外国料理を食べに行くことは難しいですね。
どんなところに住んでいるの?
個人的には、企業で働く日本人と日本語教師の収入差が顕著に現れるのは住居だと思います。
日本語教師の場合、日本語学校が一般的なマンションを提供、または紹介してくれるパターンが多いです。一般的なマンションでは、家具もすでに設置されている場合がほとんどです。私が借りたときは、テレビや洗濯機も設置されていました。
大学などに勤務する場合は、大学敷地内にある外国人教師用のマンションを紹介されることが多いです。
私は大学の寮と一般的なマンションに住んだことがありますが、家賃が安いので、間取りや設備に不便さを感じました。まぁ、安い家賃なので仕方がありませんが…下記のようなことに不便さを感じました。
- 靴を脱いだり、下駄箱を置いたりするスペースが設けられていない。
- お湯は限られた量しか継続して使えない。(設置されている湯沸し器よって異なる)
- バスタブがない。(多くの中国人はバスタブにつかる習慣はありません)
- 家がハウスクリーニング後のものとは限らない。
外国人向けのマンションは、日本でもよく見かける間取りやデザインですが、日本語教師は住めませんね…。1か月の家賃が日本語教師のお給料を超えますから…。
中国で水回りのトラブルや停電は何回か経験しました。計画的に水を止めたり、停電にする場合は、事前にお知らせがありますので、案内板などを注意して見ておくといいですよ。
まとめ
日本語教師のお給料では、輸入品ばかり好んで買ったり、毎日日本料理屋で外食する生活は無理です。外国人向けマンションに住みたいなんて、もってのほかです。しかし、高い買い物や外食ばかりせず、一般的なマンションに住めば、快適に過ごせます。私は長期休みに旅行に行く余裕もありました。
また、海外には日本人向けのフリー雑誌があります。フリー雑誌には日本人がよく行くお店の情報や、同じ趣味や同郷同士で集まるイベントなどの情報が載っています。フリー雑誌に載っている情報を頼りにするのもアリですね。
みなさんの海外での日本語教師生活の手助けになったら幸いです!豪遊できずとも、楽しい生活はできます。素敵な海外生活を!!
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