こんにちは!SenSee編集部のハルです!私は日本語学校や会社とゆる〜く繋がって、案件ごとに働くという、フリーランス的な働き方をしています。
皆様の中で、英語を使って日本語を教えている方はいますか?日本語だけでなく、英語も使って教えてほしいという学習者ニーズは高いですよね。
でも日本語学校や養成講座って、直接法(日本語で日本語を教える)の教え方はじっくり学べるのですが、間接法(英語で日本語を教える)の教え方は情報が少なくて、手探りの方も多いのではないでしょうか。
それではご一緒に見ていきましょう!
1.英語で日本語を教える「間接法」の教え方

学生にとって間接法のいいところは、文型導入時ににすぐ理解ができて分からなかったらすぐ英語で質問できるので、ストレスなく学習が進むことです。
以下、間接法の教え方のコツをまとめてみました。ご参考にどうぞ!
1-1.文型説明はキーワードでラベル付け

皆様は、文型「〜てしまいました」を教える時、どうやって教えますか?
私は冷蔵庫にあった友達のケーキを学生が食べた場面で、どう友達に言うのか考えてもらいます。
「ケーキを食べました」と言う学生には、「ケーキを食べてしまいました」の方が、後悔の気持ちが伝わって許してくれるかもね、と言います。
そして「〜てしまいました=Regret」と板書します。この文型はコレ!と、キーワードでラベル付けするんです。
例えば、「天国みたいです」の文型「Nみたい」はどうでしょうか?皆様はどうラベル付けしますか?私は「Nみたい=Metaphor」です。
キーワードとなる英単語は、教科書「初級とびら」を参考にしています。この教科書は、長年アメリカの大学で教えてきた著者のノウハウがぎっしり!英語で日本語を教える時の参考書としてもオススメですよ!
1-2.日本語と英語を混ぜて話さない

クラス授業でカタカナを教えていた時のことです。習字アクティビティのために名前を縦書きで書いてもらおうと思い、「バーティカルに書いてください」と言ったら、「バーティカルは何ですか」と聞かれました。
「英語です…。ホリゾンタル、バーティカル…」と言ったら「Oh, vertical」と見事な発音で返されました(笑)。
伝わらなかったのは私の下手な発音のせいですが、日本語と英語を混ぜて話したことも良くなかったです。言語を混ぜると脳が混乱してしまうからです。
皆様の中で、「ここはfactです」「verbをte-formにchangeして」など、日本語と英語を混ぜて教えている方はいませんか?日本語か英語に統一した方が分かりやすいかもしれませんね。
昭和の芸人、ルー大柴の「トゥギャザーしようぜ」は、英語話者に通じるのか、ちょっと聞いてみたい気もしますが(笑)。
1-3.間接法の教え方は、直接法と同じでいい?

私の教案は直接法でも間接法でも、同じものを使っています。Can-Do方式で、学生と対話しながら進める双方向の授業スタイルです。
文型導入をする時は、直接法では小芝居をしていましたが、間接法では、スライドに状況説明を英語で書いています。直接法の小芝居で求められる高い演技力と語彙コントロールは、間接法ではしなくていいのでラクです。
教師のセリフは、ChatGPTに「分かりやすい英語にして」と指示すると、数秒で翻訳してくれますよ!
以下は「まるごと初中級L1」を間接法で行った際のスライドと授業の流れです。
①タスクを見せて、学生はペアで会話
②How did you say it?と言って学生から引き出す
③Here’s a nicer way to say it.と言って「一緒に行きませんか」「行きたいんですが、予定があるんです」「来週なら行けます」を順に紹介し、文型「Vませんか」「んです」「なら」に注目して練習
④学生に類似タスクをやらせて、Did you complete the task? Great!と褒める
2.まとめ
今回は、英語で日本語を教える間接法についてお話しました。問題は教師の英語力ですが、私は英語でうまく説明できなくて、落ち込むこともしばしば…。
学生の英語が聞き取れず、英単語も出てこず、冷や汗をかいてアワアワしています(笑)。でも家で主人との会話が「え?なに?」「アレ、なんだっけアレ」なので、英語だけの問題ではないかもしれません(笑)。
そんな英語力に不安がある私に、学生達から「Thank you for being an amazing sensei!」と書かれた寄せ書きが!英語は伝わらなくとも熱意は伝わったのかな?と嬉しく思いました。
日本国内では、日本語だけで教える直接法が主流ですが、一歩日本の外に出ると、日本語は世界のいろいろな言語で教えられています。
フリーランス日本語教師は、世界の学習者に向けて、英語や他の言語を使って日本語を教えることを強みにしてもいいかもしれませんね!
それでは、また別の機会に。
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