これで緊張しない!クラス授業の初日の前に知っておきたい学習者の性格&日本語レベル別自己紹介テク!

はじめまして!

この春からSenSee Mediaのライターデビューをした内藤みゆきです。

これまで国内外の大学や日本語学校など、いろいろな現場で日本語を教えてきた経験があります。

私の記事では特に養成講座生や新米日本語教師の「日本語教師のたまご」の方向けに、経験談をシェアしていきたいと思います。

みなさん、これからよろしくお願いします♪

記念すべき1回目の記事は、日本語学校で日本語教師デビューで緊張している方へのエール&私の実践例です。

これを読んで、この春から日本語教師としてデビューされたあなたが、日本語教師の仕事を楽しめるようになってくれたらうれしいです♪

目次

クラス授業の初日で学習者のココロをつかんだほうがいいわけ

授業の初日は、「どんな学習者が待っているかな?」「うまく授業ができるかな?」と緊張していると思います。

しかも、それが養成講座を修了したばかりで、初めてのクラス授業なら、なおさら!

でも、緊張しているのは教師である、あなただけでしょうか?

実は学習者のほうも「どんな先生かな?」「怖くないかな?」「授業についていけるかな?」と緊張しています。

緊張しているのは、自分だけじゃない!
そう思うと安心できませんか?(私は緊張しているのは自分だけじゃないと思うと安心します…)

緊張は何も悪いことではありません。
でも、学習者のほうも、教師と同じように緊張しているなら…

楽しい雰囲気のクラス作りをして、学習者の緊張をほぐしてあげたいですよね♪

何事も最初が肝心です!
お互いに「明日からの授業が楽しみ♪」となれば、次がラクです!
この記事では私が初日に心がけている、ちょっとした工夫をシェアします。

どれも簡単なことなので、よかったらお試しくださいね!

クラス授業初日を迎える前におさえるべき3つのポイント

少しでも落ち着いた気持ちで、クラス授業の初日を迎えるために、事前にできることがあります。

それは「学習者についての情報をできるだけ仕入れておくこと」です!

プライベートレッスンでは、トライアルレッスンをしてから本レッスンになることが多いので、そのときに学習者にインタビューすることが多いと思います。

でも、クラス授業でも学習者一人ひとりについて知っておくことは、これから授業をするときに役立ちます。

授業の初日を迎える前に、名簿を見たり、担任の先生に聞いたりして、基本的な学習者情報をチェックしておきましょう!

私がいつも授業の初日の前に、チェックしている3つのポイントがこちらです!

  1. 国籍
  2. 年齢
  3. 性格

以下で詳しく説明します!

国籍を知っておくべきメリット

まずは「国籍」です。
これは担任の先生に聞かなくても、クラスの学習者の名簿を見ればわかるかもしれません。

国籍を見て、「漢字圏」か「非漢字圏」かどうかがわかります。漢字は非漢字圏の学習者にとっては難しいので、教える時に気を付けます。

一方、漢字圏の学習者にとって、漢字は「見たら意味がわかるもの」なので、説明しなくてもいい場合があります。(もちろん、日本語の意味と違う場合もあるので、注意が必要ですが…)

漢字圏、非漢字圏どちらの学習者も同じクラスにいる場合もあります。でも、クラスにどれくらいの割合でいるのかを知っておくことは大切です。

年齢を知っておくべきメリット

次に「年齢」です。
これもクラスの名簿を見ればわかることかもしれませんね。

一般的に留学生を対象としている日本語学校では、10代後半から20代後半くらいまでの学習者が多いです。
留学生以外を対象としている日本語学校では、学習者の年齢層も幅広いです。

年齢が上の学習者がクラスのお兄さん、お姉さん的立場でまとめてくれる場合もあります。
逆に若い学習者がクラスを盛り上げてくれる場合もあります。
学習者一人ひとりによって、もちろん違いはあるので、あくまでも傾向です。

これはあくまで、私の経験談ですが、教師との年齢が近いと、友達のような関係になりやすいです。

それについてはメリット、デメリットあると思うのですが、初日を迎える前に、「何歳くらいの学習者がいるのかな」と知っておけば緊張が和らぐのではないでしょうか。

性格を知っておくべきメリット

最後のポイントは「性格」です。
こればかりは、名簿に載っていないので、担任の先生に聞いてみなければわかりません。

では、そもそもどうして学習者の性格を事前に聞いておく必要があるのでしょうか?

簡単に言うと、性格を知っておけば、授業に役立ちます!

たとえば、授業中に学習者を指名するとき。

おとなしい学生や、ゆっくり考えたいタイプの学習者を先に指名したら、どのようなことが起こるでしょうか?

なかなか答えられずに、その学習者が困ってしまうかもしれません。
そのとき、ほかに先に答えたい学習者がいて、やきもきしているかもしれません。

それで私は、何か新しいことや発言をしてもらうときは、積極的な学習者やムードメーカーの学習者を先に指名するようにしています。

それを見て、おとなしい学生やゆっくり考えたい学習者も続いてくれるといいなと思っているので。

では、学習者の性格を知るには、何を聞いたらいいでしょうか?

私はいつも、「ムードメーカーになりそうな人はだれか?」ということをまず聞いています。

新しいクラスでは、学習者も緊張していることが多いです。そんなときは、ムードメーカーの学習者とやり取りして、授業を楽しい雰囲気に持っていきます。

その他、「どんな人ですか?」ということを担任の先生に聞きます。

「まじめ」「おとなしい」「負けず嫌い」「明るい」…など、メモしておきます。

そのメモは個人情報なので、くれぐれもなくしたり、学習者に見られないよう注意が必要です!

クラス授業の初日に使える!日本語レベル別自己紹介テクニック

どのレベルでも、初日の活動の一番はじめは「自己紹介」です。
でも、ただの自己紹介では、つまらないですよね。
日本語レベル別に、学習者のココロをつかむ自己紹介の実践例をお伝えします!

初級クラスでの自己紹介

初級では、いきなり「自己紹介してください」と言ってもできません。

それで初日の授業では「自己紹介できない」状態から「できる」状態に持っていきます。

それができたら、学習者の「できた!」という達成感を一気に上げることができます。
達成感は次回からの授業へのモチベーションにもつながっていきます。

使っている教科書にもよりますが、
「私は〇〇(名前)です。〇〇人(国籍)です。〇〇歳(年齢)です。よろしくお願いします」
が言えることがその日のゴールだとします。

これをはじめての日本語で言えるようになるのは大変なことです。
でも、スモールステップを踏むことで、確実に一つ一つ言えるようになります。

一気にではなくて、意味を確認しながら一つずつ。
いきなり全員の前で発表じゃなく、少しずつ練習します。


まずは一人で。次にペアで。そして、少人数グループで。最後に全体で。という段階を踏むことで、練習のチャンスも増えます。そして、少しずつ覚えて、言えることで達成感が生まれます!

初中級~中級クラスでの自己紹介

初中級以上になると、一般的な自己紹介では学習者側も、教師側もおもしろくありません。みんな、似たり寄ったり。そんな自己紹介は避けたいですよね。

そこで、私のおすすめは「3つの文章を作り、その中の一つに嘘を入れる」というものです。
クイズ感覚で楽しみながら、自己紹介することができますよ♪

  1. 自分について3つの文を作る。(そのうち1つは嘘を書く。残り2つは本当のこと)
  2. 一人ひとり発表する。「嘘はどれでしょうか?」
  3. 聞いている人は、どれが嘘か当てる。

おもしろい文を書く学習者もいて、盛り上がります!
学習者の性格や好きなことが知れたり、文章を書いたり、聞いたりするのにも役立ちます。

はじめはどうやってするのか、教師がやってみせるとスムーズにいきます!
ぜひ、おためしください。

上級クラスでの自己紹介

上級クラスでは語彙も文法も増えていて、一般的な自己紹介ではさらに退屈させてしまいます。お互い、次からの授業が楽しめるように、工夫が必要です!

学生時代にやったことがある人もいるかもしれませんが、「他己紹介」がおすすめです。

ペアでインタビューし合い、メモしながら相手に伝わるように話します。

インタビューのときに、学習者に「”もっと聞きたい。おもしろい!”と思ったことは、もっと詳しく聞いてみましょう。」と促します。

意外と「掘り下げて質問する」ということは負荷がかかって、難易度も上がるので、特に上級クラスでの自己紹介でおすすめです。

まとめ:初日に学習者のココロをつかんで、学習者との仲を深めよう!

何事もはじめが肝心!
新しいクラスの初日は、学習者も教師も緊張しているものです。

でも、その緊張の正体は「相手のことを知らないから」!

それならば、相手のことを知りましょう!
授業初日の前に、学習者について聞いたり、楽しく自己紹介することで、相手を知れば緊張がやわらぐかもしれません♪

どれも簡単なことなので、ぜひお試しくださいね!
それではまた次の記事でお会いしましょう!

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