突然ですが、みなさんは”ハイブリッド授業”ということばを聞いたことがありますか?
新型コロナウイルスの影響で、急速にオンライン化が進んだ日本語教育業界ですが、中には徐々に対面レッスンに戻ってきた学校もあると思います。
対面レッスンとオンラインレッスン、その両者を組み合わせた授業、それがハイブリッド授業です。
三密を避けたり、ソーシャルディスタンスを取ったり…まさにコロナ禍の新しい授業スタイルといえます。
でも、ハイブリッド授業の需要はわかっても、なんだか難しそう…。そう思っている方も多いのではないでしょうか?
これを読んだ方のハイブリッド授業へのハードルが少しでも下がれば、うれしいです!
ハイブリッド授業の方法⁉やり方の例を見てみましょう!
そう思って、抵抗感を持ったり、できればやりたくないなーと思う方もいるのではないでしょうか。
では、あなたが学習者の立場だったら、どうでしょうか?
新型コロナウイルスが蔓延する中、対面授業が再開されても、教室に行くのが不安な人もいるでしょう。
また、日本語学校などの専任の立場だったら、どうでしょうか?
ハイブリッド授業ができる(やる気がある)先生と、ハイブリッド授業ができない(やる気がない)先生、どちらに授業をお願いしたいと思いますか?
日本語教師として、スキルを磨いてできることを増やしていくことは、今後の日本語教師としての選択肢を増やすことにもつながります。
ハイブリッド授業の話がきたときに、すぐに対応できるようになっておきませんか?
それでは実際に、ハイブリッド授業のニーズと進め方を具体的にを見ていきましょう!
ハイブリッド授業へのニーズ
ハイブリッド授業は、対面レッスンとオンラインレッスンを組み合わせたものです。
ということは、教室に教師と数名の学習者、オンラインの画面上に数名の学習者がいるということになります。
新型コロナウイルスが流行し始めて、早1年半…。
その間、学校によっては休校したり、オンラインレッスンに移行したり、さまざまな対応をしてきたと思います。
日本語学校などでは教師も学習者も慣れておらず、試行錯誤。
実際にオンラインレッスンを受けてみた学習者の感想もまちまちです。
私が教えていた学習者もオンラインレッスンが好きな学習者とそうでない学習者がいました。理由は以下のとおりです。
オンラインレッスンは、学校に行かなくてもいいからラク。自分の部屋から授業を受けることができる。コロナになる心配もないし。
というオンラインレッスンが好きになった学習者。
やっぱり、教室で友達と一緒に勉強したほうが楽しい。オンラインじゃなくて、早く学校に行きたい。
というオンラインレッスンが好きになれない学習者。
私の周りの学習者は、オンラインレッスンが好きになれない人が多かったです。
対面に慣れている留学生は、学校で友達と一緒に勉強するほうがよかったようです。
私が住んでいる地域では、比較的コロナが収まってきていた時期もあったので、対面レッスンが再開していました。
でも新入生が遅れて入ってくると、ホテル隔離中はその学習者たちだけオンライン参加となり、ハイブリッド授業になりました。
また、教室でみんなで勉強するのは感染のリスクがあって怖いから行きたくない、という学習者がいて、結果的にハイブリッド授業になったというところもあります。
このような場合、対面でもオンラインでも対応できるハイブリッド授業にニーズがあります。
ハイブリッド授業をやってみた!~やり方の一例~
一口に、ハイブリッド授業といっても、そのやり方は大きく分けて2つあります。
- PCやタブレッドでZoomにつなぎ、板書やプロジェクターを映したものを、オンライン受講者が見る方法です。
- 対面受講者は教室で、いつものようにホワイトボードを見て受講します。
- 対面受講者もPCやタブレッドを使用して、全員オンラインレッスンと同じように授業を受ける方法です。
私が行ったのは、1の方法です。シンプルに教室の前のほうに三脚を立て、タブレットでZoom板書を映すという方法。音声もタブレットから拾っていました。
その方法を選んだのは機器の問題からです。
私が教えていた学習者は専門学校の留学生で、オンラインレッスンもスマホから受ける学習者がほとんどでした。
スマホの小さい画面からは、スライドなどの資料が見にくそうな様子。
また、授業準備の面からもさまざまなコードをつないで、画面に映すよりも、いつものホワイトボードを使うほうが学校としてもやりやすかったようです。
そこで、三脚を立て、タブレッドでZoomにつないで、ホワイトボードを映す方法を採用。設備がそろった環境では、プロジェクターやテレビ画面を使ったハイブリッド授業もいいかもしれません。
ハイブリッド授業で気を付けたこと。すぐできるやり方4つ!
対面授業とオンラインレッスンを組み合わせたハイブリッド授業。
私が実際にやってみて、気を付けていることが4つあるので、シェアします!この4つを意識してから、ハイブリッド授業への抵抗感が薄れ、授業がスムーズになりました!
これからハイブリッド授業をする方の参考になればうれしいです!
板書
- 板書は端に書かない
- 大きい字で、よく出るインクのペンを使って書く
私が行ったハイブリッド授業は、ホワイトボードの前に三脚を立て、タブレットでZoomをつなぐ方法です。
板書内容はZoomで画面共有して、オンラインの学習者にも見えるようにします。
対面だけの場合は、ホワイトボード全体に書いていたのですが、タブレットに写る範囲は限られる…。
端に書いてしまうと、画面に写らなくなってしまうんですね。
画面に映っているかどうか確認して、書く必要があります。
また、字の大きさにも、いつも以上に気を付けました。
それから、対面のときもそうですが、ペンのインクもきちんと出ていて見やすいかどうかもチェックポイントです。
声の大きさ
- 教師の声の大きさ
- 学習者の声の大きさ
声の大きさも、大切です。
タブレットが声を拾ってくれるように、話す必要があります。
対面授業でも、大きい声で授業をする日本語教師は多いと思いますが、もう一つ、大切なことがあります。
同じ教室内なら、学習者同士の声は聞こえますが、対面の学習者の声がオンラインの学習者に聞こえないこともあります。
反対に、オンラインの学習者の声が対面の学習者に聞こえにくいこともあります。
この方法で、対面の学習者とオンラインの学習者をつないで、一体感を作ることができます!
クラス運営
- オンライン学習者と教室での学習者との接点を作る!
先程の、声を拾って対面の学習者とオンラインの学習者をつなげる方法もありますが、同じクラスの一体感を作ることも大切です。
私の場合は、教室で授業を受けている在校生(対面)と、ホテル隔離中の新入生(オンライン)のハイブリッド授業でした。
ホテル隔離が終わったら、教室で対面授業を受ける予定の学習者たち。
教室で対面授業を受けている学習者に、一人ずつタブレッドの前に来てもらい、自己紹介をしてもらいました。
オンラインレッスンのように、学習者同士で手を振って楽しそうに自己紹介している姿が印象的でした。
実際に教室で再会?したときも、場の雰囲気が和んでいました。
教師のテンション
- テンションは少し高めに!
- でも、画面からはみ出ないように注意!
ハイブリッド授業では、教師のテンションも重要です。
オンラインレッスンでは、比較的テンション高めに授業をする日本語教師の方も多いかと思います。
ハイブリッド授業でも、対面の学習者とオンラインの学習者をつなぐ役割があるので、いつもよりテンション高めです。
また、ここでも大事なのが、タブレッドの画面から出ないことです(笑)
対面授業では教室中を使って動いて、日本語を教えることができますが、テンションが高くなって、画面から出てしまったら、オンライン受講の学習者から見えなくなってしまうので、要注意です!
まとめ:ハイブリッド授業のやり方をチェックして、コロナ禍に強い日本語教師を目指しましょう!
私が今回、ご紹介したハイブリッド授業のやり方は、ほんの一例ですが、少しイメージが湧いたでしょうか?
今はまだハイブリッド授業をしたことがない方もいるかと多いと思いますが、これからハイブリッド授業を行うこともあるかもしれません。
ハイブリッド授業を行うことになったときに、慌てないために、心の準備をしておくと安心です。
いつ収束するかもわからないコロナ禍。
仕事のチャンスを逃さないためにも、ハイブリッド授業にも対応できる日本語教師を目指しましょう!
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