オーストラリアで日本語ボランティア!子どもに日本語を教える日本語補習校ってどんなところ?

こんにちは。

日本語教師・日本語教師のたまごサポーターの内藤みゆきです。

こちらの記事でも書いていますが、私は2012年3月から2014年3月まで2年間、オーストラリアにワーキングホリデーに行っていました。

そして、日本語学校で非常勤講師として働く前に、子どもに日本語を教えるボランティアをしていました。

この記事では、オーストラリアで日本語を学ぶ子どもたちにボランティアとして関わった私の体験談を書いていきます。

コロナが収束してから、オーストラリアへ行って子どもたちに日本語を教えてみたい方の参考になればうれしいです。

目次

オーストラリアで日本語を学ぶ子どもたちに教えてみたい!日本語補習校のボランティアがチャンス!

私が当時、体験したのは”ボランティア”です。

まだ資格を持っていない、これから日本語教師になりたい方、教師として子どもに教えたい方にもチャンスがあります!

とてもかわいい子どもたちが待っていますよ♪

オーストラリアで子どもに日本語を教えるには?

別記事でも書いたように、オーストラリアの日本語学習者の9割以上は子どもたちです。

2018年度日本語教育機関調査結果(国際交流基金)https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/area/country/2019/australia.html

オーストラリアの小中学校等で教師になるためには、オーストラリアの大学や大学院で教育を学ぶことや、高い英語能力が必要であったりと、多くの人にとってハードルが高くなります。

英語の壁が高いので、学生ビザやワーキングホリデービザでオーストラリアに渡っている人にとって難しいといえるでしょう。

では、オーストラリアの子どもに日本語を教えるのはまったくチャンスがないのかと言えば、ほかにも道があるんです!

子どもが学ぶ”日本語補習校”とは?

私がボランティアをしていたのは、”日本語補習校”というところです。

みなさんは、”日本語補習校”ということばを聞いたことがありますか?

文部科学省によると、補習校(補習授業校)は次のように定義されています。

補習授業校は、

  • 現地校に通学する生徒が、【対象】
  • 再び日本国内の学校に編入した際にスムーズに適応できるよう、【目標】
  • 基幹教科の基礎的基本的知識・技能および日本の学校文化を、【内容】
  • 日本語によって学習する【方法】

教育施設である。

補習授業校の設置目的(文部科学省)

以上から、「帰国を前提とする日本人の子ども」が主な対象ということがわかります。

私がボランティアしていた補習校の運営母体は現地の日本人会で、土曜日の午前中に開かれていました。

場所は現地の小学校。

私は年長クラスを担当していたので、勉強というより「日本語に親しむ」という感じでした。

小中学生の子どもたちは教科学習が中心で、国語や算数(数学)に取り組んでいたようです。

日本語補習校に来る子どもたち

私が行っていた補習校では、年長さんから中学生までの子どもたちが学んでいました。

日本人の子ども、両親どちらかに日本にルーツがある子どもが中心でしたが、日本が好きなオーストラリア人の子どもも何名か。

学習目的はさまざまです。

  • 今はオーストラリアで生活しているけど、日本に帰国したときのため。
  • 日本にルーツがあるため、日本語や日本文化に触れる機会のため。
  • 日本や日本文化が好きだから。

平日はそれぞれの地域の学校に行っていて、土曜日の補習校でしか会えない友達に会うことができ、それを楽しみにしている子どももいました。

日本語補習校でのボランティア体験談~オーストラリアの未就学児クラスの場合~

ここからは実際に私がボランティアをして、どうだったかということについて振り返りたいと思います。

私は未就学児クラス(年長さんクラス)のボランティアをしました。

これは私が選んだのではなく、人手が足りないところに指名されて入ったんです。

小さい子どもたちに関わることはこれまであまりありませんでしたが、みんなとてもかわいかったのを覚えています。

まず、1日の活動のはじめは、トイレに連れていくところから始まりました(笑)

教室からトイレに行くまでに、子どもたちがどこかに行かないように、前の子どもの肩に手を乗せて、「電車ごっこ」のようにして、移動しました。

トイレが済んだら、手を洗ってまた教室まで「電車ごっこ」で戻ります(笑)

当たり前ですが、この経験は日本の日本語学校で教えていたときには、絶対にないことだったので、とても新鮮で楽しかったです♪

教室に戻ると、担任の先生が今日の活動を始めます。

前述したように、未就学児クラスは「日本語に親しむ」ことを目的としていました。

とても印象的だったのは、ひらがなの「け」と書かれた紙を渡し、その文字の上に毛糸をボンドで貼る活動!

「け」という文字の形に、毛糸で貼ることで、「毛」の意味も伝えられて、とてもおもしろいと思いました。

子どもにとっては、指先を使った遊びを通して、「け」という文字の形を認識できる活動だと思います。

私はうまくできない子をサポートしたり、見守ったりしていました。

時々、飽きて教室から脱走する子どももいて(笑)、その子どもを探しに行って教室に戻すこともボランティアの私の仕事の一つでした。

学んでいるのは日本語だけじゃない!オーストラリアの日本語補習校でボランティアしてわかった、子どもたちが楽しんでいる日本文化

このように日本語に親しむ活動をしたり、小中学生の子どもは教科学習をしたりしていました。

これも国や地域、学校にもよると思いますが、私がボランティアしていた補習校では、日本文化を楽しむ活動もしていました。

オーストラリアで生活していると、当たり前ですが、日本文化に触れる機会はありません。

それでも補習校では、日本文化に親しむ体験があったのが印象的でした。

運動会

意外に思われるかもしれませんが、日本の学校で行われているような「運動会」も日本文化の一つです!

もちろん、海外にも「Field Day」と呼ばれる運動会のような行事はありますが、競技種目自体が全然違うようです。

例えば、綱引き、大玉転がし、玉入れ、パン食い競争…など日本の運動会ではおなじみのものも、実は日本独特の文化だったり。

ちなみに日本の運動会については、海外からは賛否両論ありますね…。

私がボランティアしていた補習校では、難しいことは考えずに、日本の運動会を体験してみよう!というような趣旨で行われていました。

学校の校庭で、初めての大玉転がしや玉入れ、パン食い競争などの競技を楽しんでいた子どもたちの笑顔が印象に残っています。

和太鼓

私のボランティア先の補習校では、地元の和太鼓チームに来てもらい、演奏を楽しんだり、和太鼓に触らせてもらったりという活動もありました。

未就学児クラスの子どもたちは、和太鼓の音を怖がったり、バチを持って叩いてみたりしていました。

担当講師やボランティアだけではなく、外部を巻き込みながらの活動によって、より深く日本文化に触れられたのではないかと思います。

七夕

実は私は2015年の7月にも観光ビザでオーストラリアに短期滞在したことがあります。

そのときにも同じ補習校で、1日だけボランティアをさせていただきました。

そして「七夕」の文化を子どもたちに伝え、体験してもらうということに。

画用紙に織姫や彦星の絵を描いたものに割り箸を付け、劇のようにして七夕のお話を紹介しました。(オーストラリア人の先生の英語通訳付き)

そして織姫と彦星の簡単な折り紙をいっしょに楽しみ、短冊にお願いごとを書きました。

この活動は未就学児から中学生までいっしょにしましたが、みんな熱心に活動に取り組んでくれてうれしかったです。

まとめ:楽しく経験を積もう!オーストラリアの日本語補習校の子どもたちへのボランティア!

このように日本語補習校でのボランティアでは、日本語や日本文化を学ぶ子どもたちとの楽しい時間が待っていました。

私の経験はほんの一例です。

国や地域、学校が違えば教育方針も内容もさまざまです。

コロナが収束したらオーストラリアにワーキングホリデーや留学に行きたいと思っている方も多いと思います。

子どもの日本語教育に関わることができる、一つの例として参考にしていただけたらうれしいです。

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