こんにちは。タイ人と結婚し、バンコクと日本で活動している日本語講師、田中です。
日本で日本語教師の求人情報を見ると、日本語学校から専門学校、そして大学や技能実習生受入機関などいろんな機関が見つかりますよね!最近は高校やインターナショナルスクールもありますね!
では、タイではどうでしょうか?
- 日本語学校
- 小中高
- 大学
- 日系企業
大きく分けるとこの4つになるでしょうか!
タイではなんと、高校で第二外国語に日本語を選べるところがたくさんあります。また、インターナショナルスクールでは小学校から第二外国語を学ぶところもあります。私がタイ語を勉強していた学校には10歳でタイ語、英語、スペイン語、中国語が話せる子がいて・・・かなり羨ましかったです(無力感)。
話がそれましたが!いろんな教育機関があるのは分かったけど、それぞれの機関はいったいどんな特徴があるの?と不思議に思う方もいらっしゃるはず!ということで今回は、これらの学校の特徴をわかりやすく具体的に解説していきたいと思います!
未経験でもおすすめ タイの日本語学校
学校運営のイメージ的には日本とさほど変わりませんが、現地ならではの特徴もあるので、いくつかポイントをご紹介いたします!授業は初級から上級まで幅広いニーズに応えます!
学生はほぼ100%タイ人
日本語学校というと世間一般的には、スーパーの果物コーナーのようにアジア系、欧米系、中東系などが入り乱れ、それぞれの国民性を発揮してワイワイ授業するイメージ!?(私の周りだけか?)ですが、タイではほぼタイ人です。まれにタイに住んでいる外国人も日本語を勉強しに来ています。
学生は子供から大人まで幅広い!
老若男女問わずさまざまな学生と授業ができます。私の学生では10歳の小学生や50代の会社経営者がいました。
モチベーションは非常に高い!
タイで日本語学校に通う学生はお金持ちです。ええ、例外はなく教師より贅沢な暮らしをしています(笑)
というのも一昔前は日本語を勉強することは収入にもつながることが多かったのですが、現在は余裕のある人が趣味や興味から勉強しているためです。学費も高め。必然的に、日本語が勉強したい、日本のサブカルチャーを楽しみたいといったやる気のある学生ばかりになります。みんなやる気いっぱいです!
立地はかなり良い!
日本語学校のある地域は市内中心部になります。中心部でなくても、駅から近いかショッピングモール内でアクセスにはとても便利。郊外のショッピングモールの場合は移動がタクシーやバスになります。
同僚の日本人教師がいる
日本人教師が何人もいる点も、未経験者でも安心できるポイントです。スケジュールも日本人が管理している場合が多く、何かあったときでもすぐ相談したり、教え方がわからないときもサポートしてもらえます。授業見学や授業指導をしてくれる学校もあります。
勤務時間は他より長め
授業担当時間はほかの機関に比べて長くなります。ひたすら授業をこなし、経験を積むことができます。授業以外の時間は基本的にオフィスにいなければならないことも多く、学校によっては出張授業も入ります。
休日は平日!
学校のない土日に学生が一番多いため、平日に交代でお休みになります。そのため同僚の先生とは休みは合わないことが多いです。
日本へ帰国する先生はタイ正月(ソンクラン)期間が多いです。日本のお正月はタイではそこまでの連休にはなりません。また、夏休みと冬休み期間は日本語学校は集中講座を開くため休みはないことが多いです。
みんな元気!タイの小中高で日本語教師
日本にもある一般的な小中高校でも日本語授業を選択科目として扱っています。日本でいうとALTの授業です。授業レベルは初級程度となります。
みんなかわいい
10歳くらいから高校生くらいの学生に教えることになります。みんな元気でとても活発です!働いていて癒されますよ~。
上手く仲良くなって雰囲気を作るのが大事
低学年の授業になると、幼児教育的な要素も必要になるかもしれません。落ち着きがない子、反抗してくる子、日本語にちっとも興味がない子も中にはいますが、大人の知恵をもって楽しませると乗ってきます。授業するというよりは、クラスをコントロールすることが優先されます。
ローカルなエリアでの勤務
学校のある場所は、昔からあるローカルな場所が多いです。食事が心配な人もいると思いますが、学生のために近くに食堂もあることが多いので大丈夫です。近くに駅がないことも多く、子どももバスで通っています。
売店があるから安心
タイの学校には小学校から売店があって、お菓子やジュースは休み時間にいつでも買うことができます。先生もいつもジュースやお菓子を食べています。
学生に甘い(!?)タイの学校文化
タイ人の先生は学生に対してとっても優しいです。遅刻や宿題忘れはよくあることで、あまり意地を張ると嫌われてしまいます。「日本語の授業は日本の厳しさで」という信念も、タイ人の先生からはよく思われないことがあるので諸刃の剣です。
日本語担当の先生が少ない場合も
数人で日本語を担当しているというところが多いです。日本人は1人だけという学校もあり、タイ語や英語がないと学校とコミュニケーションがうまく取れない場合もあります。メールや紙による事務連絡もタイ語が多いので、読めない場合はタイ人日本語教師頼りになります。
カリキュラム作りを求められる場合も…
年間のスケジュールは決まっていますが、変更する際は作り直す必要があります。その場合は、タイ人教師と相談して教材やスケジュールを考えることが多いです。学校へ提出する書類はタイ語で書く必要があり、ほとんどの場合はタイ人教師が作成をしてくれるので心配はご無用です!
勤務時間は学校によりけり
学校のスケジュールにもよりますが、授業のない曜日もあるかもしれません。授業時間外はテストの採点や教材づくりをしたりしますが、学校内にいればオフィスにいなくてもOKです。
休日はカレンダー通り
カレンダー通りになります。また、夏休み冬休み期間は授業がないことが多く、帰国や旅行をする先生も多いです。長期休暇中に給料がでるかどうかは確認が必要です。
授業を自由にデザインできる 大学
最近制度が変わり、条件に大学院卒の資格が必要になりました。日本の大学でいう外国人講師です。授業は選択科目では初級、専門科目では中上級や文化の授業もあります。
学生はみんなとても仲良し
日本の大学生と少し雰囲気が違います。大人びた雰囲気の学生はあまりいません。純粋で明るい学生が多いです!感覚でいえば日本の中学生のような無邪気さ(いい意味で)。おそらく「えっ、この子たち本当に大学生?」と感じるでしょう(何度も言いますが、いい意味です)。本当に楽しそうにキャンパスライフを満喫しています。
モチベーションは日本語専攻とそうでないかでかなり変わる
日本語専攻の学生はとにかく日本に興味がある学生ばかりで、とても熱心です。しかし、選択教養科目で日本語をとっている学生の中には、「単位がもらえればいい」「日本語は興味がない」といった学生が多いのが現状です。中にはアニメ好きのオタクもいますが、いかんせん「初級の初」までしか学ばない彼らにとっては必死になって単語を覚えるリターンが少ないんですよね。(日本の選択外国語科目と同じでしょうかね!)
キャンパス内に食堂やコンビニがある
もちろん日本のように食堂やコンビニがあります!スタバやホテルのあるキャンパスもあります。
研究活動がある!
大学の先生は研究活動をして、年間レポートを提出します。論文を書いたり、研究に関する活動をします。セミナーやイベントに参加することも大切になります。タイ国日本語教育研究会という会もバンコクで月例会などのセミナーを開催しているので参加してみるのもよいかもしれません!
立地は多少不便?!
大学は市内にたくさんありますが、駅からすぐ近くというところは少ないです。ただ、大学の近くはバスが通るし、お店もあるしで不自由ではないです!田舎の大学はキャンパス内にスーパーや市場、ショッピングモールがあり、先生のアパートも敷地内にある場合があるので、全く外へ出ないで生活することができるようになっています。
大学院卒でないとだめ?
以前は大学によっては4大卒でも働くことができたタイの大学ですが、現在はすべての大学で新しい先生は大学院卒の資格が必要となっているようです(タイの規則はとても曖昧なので、また変更があるかもしれません)。私の知り合いの先生で制度が変わる前からいる方は、講師をしながら勤務している大学の大学院で勉強しています。(大学側が学費を負担しているようで、とっても羨ましいです。。。)
学生に甘い
小さいときから優しく優しく育てられてきた学生です。大学の先生も学生にはとても優しいです。成績もCからBへ、BからAへ少しでも高くしてあげます。日本と違い大学の成績(GPA)がその後の留学や就活にかなり重要になってくるからです。大学のレベルによりますが、単位がもらえなくて職員室で泣いている体の大きなお兄さんを見る機会もあるかもしれません(なんでやねん!と思わずつっこみたくなる光景です)。
カリキュラムを作るのももちろん業務内容
チームではなく個人で担当する授業は全て自分で作ることになります。かなり自由に授業をデザインすることができます。アニメを使ったり、校外授業したり、ゲストを呼んだり、いろいろ試すチャンスです!
日本語担当の先生が少ない場合も
高校などと同じく、日本人の先生が一人の場合、学校とのやりとりを英語やタイ語でする必要があります。メールなどのタイ語はタイ人教師に確認しましょう!
勤務時間は短め?
比較的授業時間は少ないです。授業時間でなければオフィスにいる必要もありません。1コマの時間は学校によって異なります。90分のところが多いですが、私が以前いた大学では、1コマ4時間、1日に2コマしかないというオバケのようなスケジュールのところもありました!ただ、4時間ぶっ通しでしている先生は少なく、だいたい2、3時間になるように調整していました(最初から2時間にするのはだめなのかな?先生にとって融通が効くからでしょうか?さすがタイ)。
休日はカレンダー通り
カレンダー通りデス。大学によっては研究日といって平日にも1日休みになるところもあります。夏休み冬休みはありますが、夏休みはサマーコースという特別授業(補講かな)を開講する場合もあります。
手厚い待遇 タイの日系企業で日本語講師
タイに進出している日系企業の社員や日本へ行く技能実習生が日本語を勉強しています。初級から中級、ビジネスマナーや文化も勉強します。
学生は社会人
技能実習生が日本へ行く前の準備として、また現地にいる社員が学生です。社員は日本語のレベルが高くなると評価も高くなるためまじめに勉強します。大学生と比べても落ち着いている学生が多いです。
目標の達成をめざす
具体的に期限を決めて、業務に必要な日本語能力や能力試験の合格などを目標に教材を作成し、授業を組み立てます。他に日本語教師がいなければ社員の能力を調べたり、カリキュラムを作るところから始めます。
社内での試験もして、学習状況も確認します。どんな学習をし、どれだけ日本語能力が伸びたかを教師が判断してレポートにして会社に報告します。
立地も良い
会社にもよりますが、中心部のオフィス街にあれば他の日系企業もあり、日本人向けのお店もあるし駅も近く便利です!
待遇は日本基準に近い
ほかの学校と比べて違うのが、日本の会社の社員であるということです(現地採用枠ですが)。求人をみると、ボーナス有り、残業代支給、医療保険制度など、学校の求人と比べると「日本みたいだ!」と思ってしまいますよね。なにより給料も高いですよね。だだ、求められることも高く、結果も求められます。そういう意味ではある程度経験がある方向けになりますね!
勤務時間中に教材開発が進む!
実習生の研修であれば日本の日本語学校のように毎日授業があったりしますが、企業で働いている社員は仕事時間内か時間外で時間をとって勉強します。授業がない時間は、教材開発や学生の分析などをします。どんどん教材を作っちゃいましょう!
休日はカレンダー通り
カレンダー通りの休みになります。長期休みはタイの正月に加えて日本の年末年始やお盆の時期も休みになることもあります。
まとめ
というわけで
- 日本語学校
- 小中高
- 大学
- 日系企業
以上4つの特徴を少し詳しく(読みづらくて申し訳ないです)解説させていただきました!
タイの学生はおおらかでのんびりしています。遅刻や宿題忘れの他に、カンニングは助け合ってあたりまえの価値観です。しかし、先生に対しては非常に敬意を持って接してくれます。廊下を歩くとみんなに手を合わせて拝まれるので、日本人からすると不思議な気分も味わえます。あと、お土産やお菓子もたくさんくれたりします!
給料についてはバラツキがあるのであまり触れませんでしたが、国公立の学校が一番安く、統一されていて、以前からずっと2万5千バーツ程度です。私立校や日本語学校は高い所では5万バーツ以上のところもありますが、「ずっとタイに住むんだ!」という方でなければあまり気にしなくてもいいかもしれませんね!
また、学校が合わないと思ったら学校を変えることもそこまで難しくありません!(VISAと労働許可証の変更は必要です)「変なところに入ってしまった!」と思ったら無理をせず、他の学校に応募してみるのも一つの手です!タイに住んでさえいれば面接してすぐに採用になることも多いです。
どの学校がいいか迷っている方がいたら、ぜひこの記事を参考にして、日本語教師ライフinタイをエンジョイしてくださいね!
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