日本語教師の英国(イギリス)大学院進学という選択③筆者の当時のエジンバラ生活を公開

今回は、筆者が実際英国(イギリス)で大学院生だったとき、どんな生活していたのか、学業から普段の生活、休日の過ごし方まで紹介します。

筆者はエジンバラ大学大学院で応用言語学を専攻していました。

エジンバラは、イギリスを4つの地域に分けたうちの一つ、スコットランドの首都なので、イギリスの中では北のほうにあります。

修士号を取ったのは今からもう12年前ぐらい前の話になるので、さすがに色々変わっているところもあると思います。そして筆者自身も、正直もう忘れてしまっている部分もあるのですが(笑)、当時のことを思い出しながら書いて行きます。

イギリス(特にスコットランド、特にエジンバラ!)に進学することに興味を持った方々に参考になることがあれば嬉しいです。

目次

日本語教師、イギリス大学院時代を公開:学業

まずは、一番大事な学業のことです。

一年のスケジュール

こちらの記事にも書いた通り、イギリスの大学院の修士課程の多くは、一年で終わります。

9月の上旬に渡英し、翌年の8月末ごろに帰国したのですが、その約一年のスケジュールはだいたいこんな感じです。細かいことはもう覚えていないので、当時のProgramme Handbookを見て(捨てないで良かった)思い出しながら書きました。

9月:1学期開始、履修登録

12月:試験(レポート)、1学期終了、冬休み開始

1月:冬休み終了、2学期開始

3月:2学期の授業終了、2学期のレポート提出①

4月:レポート提出②

5月:レポート提出③

8月:修士論文提出

3月に授業は全て終わり、5月から8月までの約3~4か月で、指導教官に相談しながら、修士論文を仕上げます。2学期のレポート提出①②③はそれぞれ学期中に取っていた3つの授業に即したものですが、1学期終了時のレポートよりも長めのものでした。

学期中の一日のスケジュール

1学期は、一日当たり平均3コマ、2学期はもう少し少なかったですが、1学期のある日の一日のスケジュールを!と思いましたが、かなりつまらないです(笑)

 7:30-   起床、朝食

 9:00-  授業

10:00₋ 空き時間 勉強

12:00₋ 授業

13:00₋ 昼食 (キャンパス内の食堂、テイクアウト、近所のカフェやレストランetc.)

14:00₋ 勉強(寮か図書館) 

18:00₋ 夕飯(共同キッチンで作って、部屋に戻って一人で食べる(笑)

19:00₋ 勉強(寮か図書館)

23:00₋ シャワー、就寝

学期中の平日は基本的に、授業→勉強→ご飯→勉強→ご飯→勉強→寝る です。過ごす場所は授業の教室か図書館か自分の部屋です。

そしてこうやって書いてみると、すごく規則正しい生活をしていたかのようですが、これは初期の頃、イギリスにいた頃はこれまでの人生で一番、生活が乱れていたときです。

朝はぎりぎりまで寝ていて、授業に向かう途中でサンドウィッチをテイクアウトして歩きながら食べる、というのも日常茶飯事でした。授業が全て終わりほぼ全て自分の時間、となってからは昼夜逆転していました。

取った授業

  • 1学期:意味論、統語論、語用論、社会言語学、談話分析、応用言語学、言語研究
  • 2学期:談話分析、応用言語学と言語教育、言語とアイデンティティ

1学期の取った授業の名前は、皆さんも馴染みがあるものばかりではないでしょうか。養成講座でもこれらのものは学ぶと思いますが、言語学関連分野が専攻、となると当然一つ一つじっくり学びます。それぞれ2時間/1週間×15週の講義を受け、それぞれにレポートか試験が課されました。

1学期はこれらの科目の入門的な内容で、学期末のレポートは2000₋3000ワード2学期は少し発展した内容で、5000₋6000ワードくらいの長めのレポートが課されました。

修士論文

5~8月は、がっつり修論期間でした。

私を含め多くの外国人学生は、8月に修論を提出したらすぐに帰国し、修論の結果(つまり修士号が無事取得できるのかどうか)が知らされたのは11月頃です。

筆者は日本のトーク番組の中で行われているホストとゲストのやりとりをデータとして扱いました。You Tubeでいくつかのトーク番組見てトランスクリプトを起こし、ホストがゲストにしている「質問」の「機能」について考えました。

日本語教師、イギリス大学院時代を公開:エジンバラでの生活

次は生活関連です。外国の大学院に勉強しに行くんだとしても、まずはその国でちゃんと生活できるのか心配になりますよね。初めて親元を離れての一人暮らしだという若い人は尚更のこと…。

食事

イギリス=食事がまずいというイメージがある方が多いのではないでしょうか。

まず、日々の食事は基本自炊だったので(私は食事付きの寮ではなかったので)、普通にスーパーで野菜やお肉を買って普通の調味料で味付けして、食べていました。

一方、外食やテイクアウトなどもしました。イギリスの伝統食フィッシュアンドチップスの店、日本でも馴染みあるカフェやファーストフード、そしてエジンバラは移民が多く彼らが経営してるレストランも多かったのです。

当時のレート(1ポンド180円前後?)で、1000円ぐらい出せば、それなりに美味しいものが食べられました。

スコットランド料理のハギス(羊の内臓を羊の胃袋に詰めて茹でたもの)、苦手な人は苦手みたいですが、筆者は大好きでした。

私が住んでいた寮は、大学院生用の寮で、一人部屋(シャワーとトイレ付き)、食事無しというところでした。

共同キッチンがあり、同じ階の人と10人くらいで使っていましたから、そこで人と触れ合うことができました。この寮には、200人ぐらい住んでたんでしょうか(すいません、これテキトーです笑)

寮は沢山あったのですが、自分の好みと、推薦状を書いてくださった先生のアドバイスも聞きながら、このようなことを基準に決めました。

  • キャンパスに近い
  • 一人部屋で、シャワーとトイレ付き
  • 院生専用(若い学部生と一緒の寮だとうるさいらしい)
  • 食事無し(食事ありは高い&まずいらしい)
  • 共同キッチン(キッチン付きの部屋もあるが、それだと引きこもりになるらしい)

結果とても良かったです。同じ階のどこかの部屋から、ギターの練習をしていたり、心病んで叫んだりしているのが聞こえてくるとかはしょっ中でしたけどね(笑)

家事全般

食事の準備、洗濯は自分でし、掃除だけはスタッフがしてくれていました。

食事は書いた通り、共同キッチンがあったので自炊していました。筆者は当時24歳で、初めての一人暮らしだったので、とりあえず簡単なカレーやサンドウィッチ、野菜炒めなどを作っていましたが、徐々に、日本から持って行った電子レンジ調理レシピの本やクックパッドなどを見ながら色々試して、それなりに楽しみました。

確か鍋とかフライパン、まな板ぐらいはあった気がします。包丁、食器、カトラリー、スポンジ、洗剤などは各自で買っていました。

あと私は日本から、電子レンジ調理用品(電子レンジ用炊飯器、パスタ茹で器、インスタントラーメンの器)をいくつか持って行きましたが便利でしたよ。 

洗濯は、寮の中にあったコインランドリーでしていました。洗濯機で洗ったら、今度は乾燥機に移動させて乾燥させ、部屋に持って帰ってそのまま畳みます。

掃除はスタッフが週一で、キッチンと一人一人の部屋をやってくれていました。私の階の掃除の日は水曜日でしたから、その日だけは朝ちゃんと起きるようにしていました。(もしくは「今日掃除は結構です」という貼り紙をしておくとか(笑))

買い物

私の寮からは歩いて5分もしないところにTESCO(スーパー)があり、他にもいくつかスーパーはありました。あと、少し歩いたところに中国人が経営していた小さなスーパーがあって、中国、韓国、日本の調味料や冷凍食品、インスタント食品などが売っていたので、日本人を含めアジア系の学生がよく利用していました。

食料品のほか、日用品や服などの店もちゃんとあり、特に困ったことはありませんでした。

日本語教師、イギリス大学院時代を公開:休日の過ごし方

せっかく国としても憧れていたイギリスに来たのですから、勉強以外のことも楽しみました。

名所巡り

寮から10分ぐらい歩けば、観光客でにぎわうエリア、Royal Mile、Princes streetに着きました。エジンバラ城を始め観光名所、ギフトショップ、カフェやレストランなどが集まっているところだったので、楽しめました。チェックのスカートを穿いて、バグパイプを演奏している男性が必ずいて、何ともエジンバラらしい光景でした。

旅行

長期休みのときは、エジンバラ以外の都市にもでかけました。行ったところを少し紹介します。

グラスゴー:

エジンバラと並びスコットランドの大都市です。エジンバラから電車で1時間と少し?ぐらいなので、気軽に行けますし、ショッピングを楽しみたいときにはとてもいいです。若い人も楽しめると思います。

セントアンドリュース:

エジンバラよりもまだ北のほうの、ゴルフ発祥の地です。エジンバラ出発のバスツアーで行きました。

湖水地方:

ピーターラビットの故郷で、イギリス一自然が美しいと言われています。さすが、のどかで空気も綺麗、絶景が続きました。ショップの中もピーターラビットの可愛いイラストに囲まれて、幸せな気分になります。クラスメートで中が良かった香港人の女の子と二人で卒業旅行として訪れました。

ヨーク:

中世の雰囲気が漂う町、ハリーポッターの撮影地になったシャンブルズ通りがあるところで、エジンバラから電車で3時間ぐらいです。一人旅で、ヨーク大学の寮に1泊しました。2日間で、大聖堂や鉄道博物館などの名所を回ったのですが、結構忙しかったです。

ロンドン:

別に街の様子などは紹介しなくてもいいでしょうか(笑) 修論を提出した後、両親が遊びに来てエジンバラ、ロンドンを一緒に旅行して帰国しました。エジンバラからロンドンまでは飛行機で1.5時間ぐらいです。ミュージカルも観ました。

どの都市もそれぞれの魅力があって素敵でしたが、筆者はやっぱりエジンバラが一番好きです。都会特有の喧噪に包まれる感じもなく、かといって田舎でつまらなくて不便だということもない、住みやすい町でした。

寮やアパートで食事会

寮の空き部屋か、アパートに住んでいる人の部屋で時々食事会をしていました。日本人だけでも集まりましたし、台湾人の方々が一緒のこともよくありました。日本人だけのときは、皆で鍋や手巻き寿司など日本食を作って食べていました。

やっぱり、日本人だけで集まって、気兼ねなく日本語で語り合う時間もたまには必要ですよね。

習い事

エジンバラに住んで半年ぐらい経ってからですが、ダンスのレッスンに通いました。

ある日何かの舞台を観に行ったときに、会場内にたまたまそのダンススクールのパンフレットが置いてあるのを見て知ったんです。

筆者はもともと踊ることが好きだったので、やっぱりどこにいても環境が許してくれるなら、踊りたいのです(笑)ちょうど翌月からの3か月のコースがあったので申し込み、週1,2くらいのペースで通っていました。

エジンバラの他の学生からも、ジムや料理教室に通ったという話も聞きました。

外国にいても自分の昔からの趣味ができる時間があるというのはいいものです。少なくともその時間だけはいつもの自分に戻れる気がします。

まとめ

この業界だと、英国での大学院生活がどんなだったかという生の声を聞く機会が少ないかもしれないので、興味がある人は参考にしてください。

次は、英国大学院進学に関しての失敗ネタです。

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