オンライン日本語教師がYouTubeに負けない方法とは?生教材で教えよう!

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

私は東京の日本語学校で非常勤講師として、欧米の学生を中心に教えています。クラス授業、プライベートレッスンのほとんどがオンラインです。

皆様、オンライン授業を受けている学生の数って、少なすぎる気がしませんか?昔は大勢の学生が来日して日本語を勉強していましたが、彼らはもう勉強をやめてしまったのでしょうか?

この疑問は、最近クラス授業で若い学生達と話した時に解けました。なんと全員がYouTubeで日本語を勉強していたんです!日本人や英語圏のYouTuber先生から文法を習っていて、私たち日本語学校の日本語教師って、もう必要ないって感じ!

今回は、「YouTubeで勉強しているから別に日本語学校に申し込まなくてもよかったんだけど。」と言う学生に対して、私が日本語教師としての意地を見せたお話です(笑)。

具体的には、日本人ならではの生教材を多く使い、クラス授業ならではの意見交換の時間を多くとりました。

結果、学生達は画面に前のめり!時々ブブーッと吹き出し、討論では活発な意見交換が!学生から「面白かった」「こんなに自分が日本語で話せると思わなかった」など、YouTubeを見ているだけでは得られない実体験ができたようです。

それではご一緒に、YouTubeから学生を取り戻すべく、私が奮闘した授業の一例を見ていきましょう!

目次

1.YouTubeに負けない!オンライン日本語授業、生教材を使って教えよう!

海外からオンライン授業に参加する学生が興味があるもの、それは文法でも読解でもありません。日本の物、日本の今のニュースです。

日本の物に関しては、私の背景に偶然映り込んだダルマが学生に見つかり、質問攻めにあったことがあります。もう授業そっちのけ!

ダルマやニュースは日本語教育界では生教材(レアリア)と言いますが、これを使うと、授業が格段に魅力的になります。私がオンライン授業でどう生教材を使ったか、以下、実践報告です。

1-1. オンライン日本語授業で、ニュースを見せよう!

大学生が多い上級クラスの授業で、若者の離職率が高いことについて、自分が人事部ならどういう対策を取るか、というお題で討論した時のことです。

賃金を上げる、と学生が月並みなことしか言わないので、もっとアイデアを出しましょう、これって日本の就活のグループディスカッションでよく出るトピックですよ〜と促したら、歴史オタクの学生から「江戸時代の参勤交代では、妻子を人質として江戸に置いた。だから社員の妻子を本社に人質として置いたらどうか」というアイデアが!クラス全員がドッと爆笑!

私からは、失恋休暇、推しロス休暇など、面白い有給休暇がある日本の会社のニュースを紹介したところ、これも大笑い!

クラス授業って、いろいろな人の意見が聞けて刺激になるし、日本人講師から最新の日本のニュースを教えてもらえるし、1人でYouTubeを見るよりも楽しい!と学生に思ってもらえたような気がします。

講師の準備としては、ネットニュースを常にチェックして、授業ネタを探すことでしょうか。年配の学生には新聞を見せるのも効果的!欧米で新聞を読む人は知識階級なので、毎日読んでいると言うだけで皆様の評価も上がるオマケ付きです!(笑)

1-2. オンライン日本語授業の教材は、家の物が最高!

皆様の日常生活の物は、最高のオンライン教材です。なぜなら、学生にとって日本でしか手に入らない珍しい物であり、講師の日常が見えて親近感が増すからです。

例えばオノマトペの授業の時、私はシャンプーのボトルに書いてある「さらさら」を見せたり、セブンイレブンの「シャキシャキレタスサンドイッチ」を買ってきて、どんな意味のオノマトペか考えてもらいました。

他にも、「まず、次に、最後に」といった手順を話す練習の時、私はシャンパンとオレンジジュースを混ぜ、カクテルのミモザの作り方を見せました。

すると欧米の男子学生がジンを取り出して、カクテルの実演会が!中国系の学生はCookDoみたいな物を持ってきて「ラフテー」の作り方を披露!講師が目の前で作ることで、学生が私も!という気持ちになり、自然と参加型の授業になったようです。

サンドイッチもミモザも、授業後に美味しくいただきました(笑)。家にあるものを教材として使えるのは、オンライン授業の最大のメリットですね!

2.まとめ

ここ数年で、日本語教師の授業スタイルが大きく変わってきています。以前は対面授業で黒板に手書きだったものが、いつの間にか授業スライドを投影するようになり、今はオンライン授業が主流です。

と同時に、学生の勉強スタイルも変わってきました。紙の教科書よりも電子教科書、手書きよりもWord、といったデジタル化です。しかし先生までYouTuber先生を選ぶとは、そこまでデジタル化するとは思ってもみませんでした!

学校勤務の日本語教師にとって、学生がYouTuber先生に流れるのは危機感を感じます。しかし、優秀な日本語教師がYouTuberになって広告収入で稼ぐ、というのは、日本語教師の新しい働き方でいい感じ!皆様の中にも、Youtuber日本語教師として、才能が開花する方がいらっしゃるかもしれませんね!

それでは、また別の機会に。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんにちは。
    オンラインで日本語教師を始めました。
    ニュースを授業に使うのはとてもいい案だと思いました。
    私も使いたいのですが、どちらのサイトを使用されましたか?著作権関係で、どこのを使えばいいのか悩んでおります。

    • いぬさん、コメントありがとうございます!

      私が使っているニュースサイトは、NHK News Web Easyです。著作権的には、NHKは転載を禁じているので、私と学生はお互いのスマホでサイトに入ってニュースを見ています。

      また、ニュースはそのまま見るだけにして、手を加えないほうがいいようです。講師が親切心でニュースの文章を読みやすく変えてしまったら、著作権違反になるそうです。

      …とまあ、私の知識はここまでかも(笑)。著作権って細かいしグレーな部分が多いし、私には難しすぎて分からない!というのが本音です(笑)。

      日本のニュースに興味がある学生は多いので、著作権を気にしつつも旬な情報をお届けして、学生に楽しんでもらえたらいいですよね!

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