日本語プライベートレッスンで、教科書、どうする?教材分析をしてお客様に最適の一冊を!

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

私は東京の日本語学校で、欧米の学生を中心に教えています。学校勤務のいいところは、学校の本棚にいろいろな教科書があること!プライベートレッスンでは、お客様ごとに教科書を替えて教えているので、教材分析は必須です。

今回は、プライベートレッスンでどんな教科書を使ったらいいの?とお悩みの方に、私がしている教材分析の流れやチェックポイントをご紹介したいと思います。

特に「みんなの日本語」をプライベートレッスンで使おうとしている方、ちょっとご注意を!私を含め同僚で、「みん日」をプライベートレッスンに使っている人はいません。そのワケは…

  • 理由その1.学習の期間が合わないから!

「みん日」は数ヶ月以上の時間をかけて、文型を積み上げていく教科書です。長期間、毎日勉強できる学生には合っているかもしれませんが、プライベートレッスンは、週に1~2回の短期契約!1回ごとに成果を見せないと、継続してくれないんです。

  • 理由その2.ニーズが違うから!

「みん日」は読み書き中心のインプット型です。進学を目指す学生には合うかもしれませんが、プライベートレッスンのお客様は、「先生との会話を楽しみながら、自分の場面で練習したい」アウトプット重視!「みん日」の会話練習だと、機械的でつまらないんですよね…。

ということで、私がプライベートレッスン用に選ぶ教科書は、場面シラバスでCan-do(何ができるか)がはっきりしていて、会話しやすい教科書!それではご一緒に、お客様の為の一冊を探しに行きましょう!

目次

1.日本語プライベートレッスンで教材分析、何をする?

私がしている教材分析は、学者じゃないので、プライベートレッスンに使えるかどうか、の一点で判断しています。まず教科書を手に取って、パラパラめくって…

  1. 場面シラバスか(お客様のニーズや場面に合うか)
    1. Yes→②に進む、No→さようなら
  2. アウトプット重視か(会話を促すいい質問や仕掛けがあるか)
    1. Yes→③に進む、No→さようなら
  3. 著者の「この教科書の使い方」で、授業の流れをチェック
  4. 目次で、文型をチェック

著者の「この教科書の使い方」は、いわば授業マニュアル!

著者がマニュアル通りに授業して成功したから教科書を出版したわけで、真似をすれば成功間違いなしですよね?クラス授業用に書かれたものが多いので、プライベートレッスンではここは省こうかな…など考えながら読んでいます。

目次では使用文型の難易度をチェック!

難しかったり簡単すぎたりするとお客様のやる気が下がるので、クラッシェンの仮説「i+1」、お客様のレベルよりもちょっと上のレベルだと、ちょうどいい感じです。

その他、教科書の表記もチェックポイント!

漢字が多い教科書は漢字圏のお客様に合うし、最近増えているローマ字併記の教科書は、欧米のお客様に喜ばれています。

2.プライベートレッスン用の日本語教材分析、どこでする?

日本語の教科書って、結構高いですよね。教材分析のために何冊も買えないので、以下、お金をかけずに教材分析しよう!という試みです。でも気に入ると結局買っちゃうんですけどね(笑)。

2-1. 本屋に行こう!

本屋で立ち読み、無料です(笑)。やはり実際に手に取って、実物を見るのが一番です。東京なら新宿の紀伊國屋書店、麹町の凡人社(臨時休業中/2021年7月現在)には教科書が揃っていて、立ち読みしている同業者らしき人に親近感!

2-2. 出版社のホームページを見よう!

凡人社、Japan Times出版は斬新で面白い教科書がよく出るので、ホームページを時々チェックしています。私がプライベートレッスンで使って好評だった教科書をご紹介しますね。

凡人社:「WEEKLY J book1 ―日本語で話す6週間」

初中級をウロウロしている既習者に使用。会話を促す質問や仕掛けがあり、授業が盛り上がる。一方、文法説明が一切ないので、講師は自作のスライドなどの準備が必要。1ユニット120分でプライベートレッスンの時間軸に合わせやすい。

Japan Times出版:「中級から伸ばす ビジネスケースで学ぶ日本語」

中上級のビジネスパーソンに使用。授業イメージは「ハーバード白熱教室」!実際の企業戦略を題材に、対話形式で授業を進める仕掛けが素晴らしい。

Japan Times出版といえば、場面シラバスで有名な教科書「げんき」の出版社です。「げんき」は完璧な英語解説があって私は大ファンですが、プライベートレッスンで使うことはありません。だって、読めば分かるから、先生いらないんです!(笑)。ホームページで公開されている活動集が秀逸で、25分オンライン授業などで使えますよ!

https://genki.japantimes.co.jp/site/reso/active.html

3.まとめ

実は私の学校には、教科書を書いた先生方が結構います。以前著書のお話を伺う機会があり、大変勉強になりました。

教材分析は、自分でするのもいいですが、教材を作った人から話を聞くのが一番分かりやすかったです。皆様も例えば、出版社主催の、著者による教科書セミナーに参加してみるのはいかがでしょうか?

私は先日、凡人社主催の、作文の教科書のオンラインセミナーに参加してきました。著者による教科書の説明があり、授業の流れも実際に体験できて、しかも無料!教材分析って、孤独な作業だと思っていましたが、みんなでワイワイやるのも楽しいな〜と感じました。

教材分析のゴールは、お客様に最適の教科書を見つけること!そしてゴールであると同時に、プライベートレッスンのスタートでもあります。いいスタートが切れるように、いい教科書に巡り会いたいものですね。

それでは、また別の機会に。

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