オンライン授業の「(自動詞)ています」の活動はこれ!オンラインでも楽しくコミュニカティブな授業に!

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

皆さま、オンライン授業はスムーズに進んでいますか?オンライン授業は対面授業と違って、大変なことが多いですよね。私も学校がオンライン授業に移行したので、最初はドタバタでした。しかし今ではオンライン授業が400時間を超え、学生からも高評価をいただくようになりました。

私は東京にある日本語学校で7年間、非常勤講師として欧米の学生を中心に教えています。今年はコロナ禍で、対面授業からオンライン授業へと移行した先生方も多いのではないでしょうか?

オンラインでも楽しくてコミュニカティブな授業をしたい!と工夫を重ねる中で、学生から「面白かった!」と言われたオンライン授業について、具体的な文型を例にしてご紹介したいと思います。

今回は、いくつかある「~ています」の意味の中から、初級後半で学習することの多い、話し手が「見たままの状態を伝えたい」時に使う「(自動詞)ています」について、オンラインだからこそできる導入・練習・活動をご紹介したいと思います。

目次

発想の転換!オンラインだからできる授業

オンラインでは対面と同じように授業ができない、と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。オンラインの使い勝手の悪い部分に目が行きがちですが、発想を変えて、オンラインのいい部分を活用しましょう。

オンライン授業では、学生も講師も自宅にいます。つまり、家にある物がフル活用できます。物だけではなく講師の家族も画面に登場すると、クラスはどっと沸き、喜んでくれます。早速、実際の授業内容を見てみましょう。

「(自動詞)ています」の導入

パソコンのカメラを自宅の窓に向けて、「あ!窓が開いています」と、今気が付いたかのように言います。それからTVを見せて、「あ!TVがついています」と言います。「(自動詞)ています」が、今、この目で見たままの状態を言う時に使うことを理解してもらいます。

「(自動詞)ています」の練習

自動詞と他動詞は、この学習項目の前に学習している前提です。自動詞フラッシュカードで、口慣らしをします。

教師:(フラッシュカード) あきます、て形は?

学生:あいて

教師:ています?

学生:あいています

教師:ドア?

学生:ドアが あいています

教師:OK!

「て形」➡︎「~ています」➡︎「Nが〜ています」という順番で、徐々に難易度をあげて口慣らしをします。ここはテンポ良く進みます。

文型が言えるようになったら、学生に自分の部屋の状態を自由に話してもらい、「エアコンがついています、ついていません」など否定形の確認をします。

「(自動詞)ています」の活動

場面を設定して会話練習をします。場面の案としては、以下のようなものがあります。できれば、3つ以上の場面設定をして授業内で練習ができるといいですね。

場面1:落とし物を届ける

カメラを自宅の床に向け、「1万円です!1万円が?」と講師が言った後、学生に「落ちています」と動詞を言わせます。拾ったらどうするか聞き、学生が何かを拾った時に「道に落ちていました」と、この文型を使って警察に届け出ができることを教えます。

次に、講師が警察になり、学生に自由に道で拾ったものを警察に届ける場面練習をします。ユーモアのある学生は面白い物を拾って、クラスが明るくなる活動です。

場面2:泥棒が入ったので救急車と警察に電話する

ここで家族を登場させます。娘を床に倒れさせた状態で、カメラを自宅の床に向け、「私の娘です!娘が?」「倒れています」と学生に動詞を言わせます。この文型は、救急車を呼ぶ時に「女の人が倒れています」で使えることを教えます。家族が出られない方は、人形に「田中さん」と書いて、「田中さんが倒れています」から始めても良いでしょう。

次に、娘(または田中さん人形)に「どろぼう・・・」と言わせ、「泥棒です!みなさん、どうしますか」と、警察に電話する場面を作ります。イラストを見せ、「もしもし、窓が?」「割れています」、「植木が?」「倒れています」など、学生に動詞を言わせます。

最後に、講師が警察になり、学生に自由に被害を訴えてもらいます。これは対面授業でも使える手法です。私はイラストを教室にばらまき、私も床に倒れ、「皆さん、教室が大変ですね、先生も、あああ~」と言って、学生を講師室に行かせ、被害を訴えてもらっています。

場面3:不動産に文句を言う

講師が不動産業者、学生は家を借りるお客様です。学生に「壁が汚れています」、「電気が壊れています」など、自由に文句を言ってもらいます。

場面4:レストランに文句を言う

講師がウエイトレス、学生はお客様です。学生に「グラスが汚れています」、「料理に虫が入っています」など、自由に文句を言ってもらいます。

まとめ

オンライン授業では、対面授業以上に、学生の発話を促すことが大切です。画面上で学生の顔が講師に向いているので、講師は学生が自分の話を聞いてくれていると思いがちですが、実際は、目を開けたまま寝ているかもしれません。私は勤務先の会議でこの状態になったことがあります。学生に集中してもらうためには、「レッスンの80%が学生の発話」が理想です。

今回は「(自動詞)ています」の導入や練習方法をご紹介しました。自動詞・他動詞が苦手な学生は多いですが、ただ覚えるのではなく、今回のようにドラマ形式で導入や練習をすると、学生が生き生きとして発話が増え、「今日は面白かった!」と言ってくれます。そして活動の場面4までくると、学生は自由自在に「(自動詞)ています」が使いこなせるようになっています。皆様も一度、試してみてください。

次回は、「(他動詞)てあります」についてご紹介したいと思います。この二つは、学生がよく混同するので、その違いが分かるような導入方法についてお話しできればと思っています。

それではまた別の機会に。

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