授業クレームの悩みから抜け出そう!3つの原因と対策、心構えまでご紹介

  • 学習者に「先生の授業がわからない」と言われた。。
  • 学習者が理解しているかどうか不安…
  • 学校が行う授業に関するアンケート結果がよくなかった…

など、授業評価が芳しくない場合、どのように改善したらいいのでしょうか?かつて私も、クレームの嵐を受けていたことがあります。

学習者が事務所にクレームを言いに行く姿は、今でも目に焼き付いています。そんな私も、今では後輩の教案をチェックしたり、授業にアドバイスをするようになりました!今回は、日本語教師17年目・クレームを克服した私が「授業がわからない原因」をお伝えします。

それでは早速、一緒にみていきましょう!

目次

原因第1位 説明の日本語が難しすぎる

学習者からの「授業がわからない」というクレームの原因のほとんどはコレです。学習者に「先生の説明がわからない」と言われた方は特に、ご自分が語彙や文法を説明するときに、どのように話しているかを確認するのが解決への近道!

対処法はズバリ、下記の4STEPです!

STEP

語彙や文法を説明するときに話す日本語を、あらかじめ教案に台詞として書いておく。学習者がわかりやすいうに、説明は短文の日本語にすること。

STEP

あらかじめ教案に書いた説明の台詞に、未習語彙や未習文法がないか、学習者の使用テキストを確認し、使用 テキスト巻末にある索引などを使って確認する。

STEP

学習者の聴解力が在籍するレベルのものとは限らない。要は中級の学習者でも、聴解力が中級レベルとは限らない。なので、説明に使用する日本語は、学生の日本語レベルよりひとつレベルを下げること。

STEP

説明の際、教師がしゃべりすぎないこと。

この手順①~③を実践すれば、学習者に「先生の授業がわからないんですが…」と言われることは大きく減ることでしょう。

私は今まで教案チェックを引き受けたことがありますが、教師の発言語彙の中に未習語彙や未習文法があることは多々あります。ただし、クレームを言われるか言われないかは、学習者の未習語彙や文法をチェックするかしないかの差。ぜひ、上記のステップをチェックしてみてください!。

また、「STEP④ 説明の際、教師がしゃべりすぎないこと」も重要です。説明のときに、学習者が理解していないんじゃないか、と思えば思うほど、「もっと説明をしないと!」「もっと詳しく説明しないと!」と思い、さらに説明を加える教師がいます。

しかし実は、説明を加えれば加えるほど、学習者はわからなくなるというのが気付きづらい落とし穴。学習者にとっては、聞き取れない・意味がわからない日本語が続くだけなのですから。説明は準備した説明で十分です。余計な説明を加えるのであれば、再度同じ説明を行った方がいいケースが多いんです!

原因第2位 指示が不適格

ウォーミングアップなのか、導入なのか。雑談なのか、導入なのか。口頭練習なのか、筆記練習なのか。学習者に明確に指示していますか?

導入したのであれば、導入文章を板書し、学習者の視線をその例文に向けることがなにより大切!導入から説明に移る際、

教師:今日、練習する文法はこれです

教師:今日、勉強する文法は何ですか

などと、学生に確認することが大切です。

このように確認することによって、学習者は「あ、今からこの文法を学習するのか」と意識します。

導入から練習に移る際も、「では、練習しましょう」と大きな声で学生に知らせます。そして、どんな練習であるのかも知らせます。単純な口頭練習であれば、「今から、口の練習をします」がよいですし、教師が見せるカードやイラストで練習するのであれば、「このカード(絵)を見てください」などと言い、クラスのほぼ全員が気付くまで待ちます。

手をパンッと叩いたり、黒板をコンコンと叩いたりして、教師がいる方向に注目を向けるのもひとつの方法です。

練習は全体練習のあとに、個人練習をするのが基本です。個人練習をする際、練習させる学習者を教師が指名しますが、必ず、日本語の成績が上位の学習者を指名し、見本となる練習方法を他の学習者に示すこと。このことによって、成績が下位の学習者も練習方法が理解できます。

原因第3位 学習者とのコミュニケーション不足

突然ですが、以下のような学習者の情報はどれくらい知っているでしょうか?

  • 名前
  • 出身地
  • 趣味
  • 特技
  • 興味があること
  • アルバイト先
  • 仕事etc…

これらの全てを知る必要はありませんが、授業を通してお互いに知り合うことは必要です。教師は学習者に日本語を教えるだけではないですし、教師が教える側で、学習者が学ぶ側というわけでもありません。教師が上で、学習者が下の上下関係では絶対になく、「授業を通して、お互いが交流する」そんな気持ちで授業にのぞむことが大切です。

以前に、私の授業にクレームが出て、当時の主任が頻繁に教案チェックや授業見学などをしてくださいました。主任からは「教案も授業も大きな問題はない。でも、木村さんは授業を楽しんでいないんでしょう?クレームにおびえているんでしょう?」と言われました。

まさにその通りでした。クレームを言う学習者が怖くて、その怖い学習者とコミュニケーションなんてとる勇気がありませんでした。学習者と意思疎通ができ、信頼関係があれば、多少の失敗ではクレームは出ないということにこのとき気づいたのです!

今一度教案を見直し、日本語を使って会話を楽しむ部分があるか、確認しましょう。そして、授業中の自分の態度が「日本語を教えますよ!」ではなく、「日本語を使って、関係を深めましょう」というスタンスであるかどうか、見直してみることをお勧めします!

言ってはいけない言葉

学生が理解しているかどうか不安な教師ほど、「わかりましたか」と学習者に聞ききがちですが、この「わかりますか」の質問は実は無意味

なぜなら、わからない学習者はわからないと言いません。学習者がわかったかどうかは、教師が問題を提示し、確かめましょう。提示した問題ができていたら、学習者はわかっています。もしも提示した問題ができていなかったら、それは「わかっていない」ということ。

各練習の最後に、わかっているかどうかを確認する練習をしてみてください。

まとめ

昔、筆者も自分の授業にクレームが出て、どうして日本語教師になったんだろう・・・と思い悩んでいた時期がありました。その時に周りの人にアドバイスをもらって、作った教案は今もまだ使っています。

そして、そのときに対処方法を学んだので、今は以前ほど怖がらずに授業をすることができるようになりました!今、クレームに悩んでいる方は、本記事での内容をぜひ復習いただき、クレームゼロで明日から笑顔で教室へ行ってくださいね!

ご覧いただきありがとうございました!

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