どう防いだらいい?カンニングとの戦い方

こんにちは、大石祐子です!

みなさんは学生のカンニングを目にしたことはありますか?おそらく、多くの先生方が頭を悩ませているのではないでしょうか。

何度注意しても、なかなか止められない。ひとり注意したら、別の学生が怪しい動き…。本当に厄介です。

テストというのは実力を測るものであって、カンニングして高い点数が取れたところで、何もいいことはありません。

自分がどこまで理解できているのか把握できないし、癖になってしまうと他の試験(JLPTやEJU、大学の試験など)でも同じことをするようになります。失格や不合格になってからでは取り返しがつきません。

デメリットしかないことは学生もわかっているはず…なのに、なぜカンニングをしてしまうのでしょうか。それも、あの手この手を使って(笑)

学生のカンニングと戦うためにはまず、彼らを理解する必要があります。そして、根気強く対策をして、彼らの意識を変えていかなければなりません。

大切なのは想像力です。一緒に考えていきましょう。

目次

教師と学生の意識の違いを知ろう

学生はなぜ学校のテストでカンニングをしてしまうのでしょうか。想像したことがありますか?

友達より点数が低かったら情けないし(勉強しなかった自分が悪い!)、落第して友達とクラスが離れてしまうかもしれない。自分が成長することよりも、目先のことを優先させてしまうんですよね。

日本にいる留学生はJLPTやEJU、進学のための試験など、多くの試験を経験します。将来のために、何としてでもいい点数を取りたい。

でも、この問題はわからない。誰か助けて。という思いでカンニングをしたくなることもあるのかもしれません。気持ちは理解できなくもないけど…。

助け合いの精神で、当たり前のようにできない友達に教えてあげるという学生もいます。彼らのカンニングは、“見る”だけではなく“見せる”こともあるのです。

どこの国でも基本的にはカンニングはいけないことだと思うのですが、その考え方は様々です。わたしたち日本人が抱く意識とは違うのだと、割り切ったほうがいいのだと思います。

実際にあったカンニング例

では一体、学生たちはどうやってカンニングをしているのでしょうか。日本の小学校や中学校、高校などでは考えられないようなやり方をしてくることもあります。

以下に、わたしが実際に見聞きしたカンニング方法をいくつか挙げてみたいと思います。

・目を凝らす

これはやりたくなったことがある方もいるでしょうか(笑)カンニングの鉄板ですね。
隣や斜め前の答案を見ようとしたり、必死になって教室の掲示物を読み取ろうとしたりする学生は多いです。

・腕や太ももに書く

俯いて考え事をしているようにも見えましたが、何だか不自然。近づいてみるとスカートの隙間から漢字が!
結構衝撃を受けました。

・ペットボトルのラベルの内側に書く

テスト前に飲み物をしまわせているときにチラリと見えた文字。「わたしの国ではよくありますよ」と学生が教えてくれました。

・消しゴムケースの裏側に書く

消しゴム本体に細かい字を書いている学生もいました。大変だっただろうに…その分の力を覚えることに使ってほしいものです。

・シャープペンシルの透明部分に紙を入れる

シャープペンの中に字を書いた紙を入れていて、くるくる回しながら見ていました。近寄ると手で隠すんです…。事前のチェックが必要ですね。

・帽子のつばの裏に書く

これも母国ではよくあると学生が教えてくれました。つばの裏側に目立たない色で書いておいて、深くかぶっていると怪しいそうです。

・スマートウォッチを見る

事前に語彙などを写真に撮っておき、スマートウォッチで見ようとしている学生がいました。小テストのときから注意が必要です。

・独り言のようにつぶやく

問題文を読むときに、声を出さずに口を動かす学生は多いです。そうではなく、記号問題や聞きとり問題の答えを母国語でボソッとつぶやく学生がいます。周りを助けているつもりなのでしょう。

・提出する直前に友達にちらっと見せる

終わった学生から提出しに来させる方式をとっている場合は要注意です。早く終わった学生(できる学生)が、ほかの学生にちらっと見せようとすることがあります。

学生って本当にいろいろ考えますよね。その労力を勉強に使ってくれればいいのに…。さて、皆さんはどうやってこれらと戦いますか?

教師が事前にできること

まず、教育機関の方針とカンニングに対するルールを確認しましょう。

どのように対処していくのかが教師によって違うと、学生たちは先生を見て行動を変えるようになります。一貫した態度が重要です。

教育機関、学生たちの目的や国籍などによって、カンニングの方法や度合いは変わってくると思います。皆さんのクラスにはどのようなカンニングが起こりそうですか?

また、カンニングが起こらないように、教師であるわたしたちは事前にどんなことができそうですか?

カンニング例に対する防衛策

例えば、前に挙げたカンニング例を防ぐためには以下のようなことが考えられます。

・目を凝らす

 →掲示物は剥がすか、見えないようにする。
  周りの学生とは十分に距離をとる。
  教室を移動させて、隣の学生とテストが異なるようにする(見ても意味がないようにする)のも一つの方法です。
  また、テストに必要のないものはカバンの中に入れて、チャックまで閉めさせましょう。

・腕や太ももに書く

 →スカートの中まで見るわけにはいきませんが…手のひらや手の甲は事前に確認できますね。

・ペットボトルのラベルの内側に書く

 →テスト中、飲み物は禁止にする。カバンの中にしまわせる。

・消しゴムケースの裏側に書く

 →消しゴムはケースから出して、机の上に置かせる。テスト直前に教室を回り確認する。

・シャープペンシルの透明部分に紙を入れる

 →机の上に置かせて、テスト直前に教室を回り確認する。

・帽子のつばの裏に書く

 →(授業中も禁止しているところも多いかと思いますが)帽子はとってカバンの中に入れさせる。

・スマートウォッチを見る

 →腕時計はアナログ時計のみ、机の上に置かせる。

・独り言のようにつぶやく

 →私語禁止をテスト直前に厳しく注意する。声を出すのもダメだと伝える。

・提出する直前に友達にちらっと見せる

 →提出のさせ方をよく検討する。前に持ってこさせるのか、教師が回収するのか…など、教室の大きさや学生の人数に合わせて決める。

教師の心構え

わたしは学生から、「先生はテストのとき、顔が怖くなりますね」と言われます。テスト監督は授業以上に神経を使うので、顔も怖くなるし疲れるんです。

授業中の小テストでありがちなのですが、学生にテストをさせている間に、教案の確認をしたり、授業道具を整理したりしていませんか?

学生はそんな先生の目を盗むのが得意です。テストが始まったら、教室の隅々まで目を光らせて、見ていることを学生に伝えましょう。

日ごろの小さなテストから緊張感を持たせることが大切です。中間試験や期末試験、模擬試験、授業中に行う小テストでも監督の態度を変えてはいけません。

また、カンニングをしたらどうなるか、わかりやすいルールを決めて、しつこいくらい学生に伝えてください。減点や零点にするルールなのであれば、口だけではなく実際に減点する姿勢を徹底しましょう。

カンニングが起きてしまったときの対処

可愛い学生たち。教師としてはできれば減点や零点にしたくありません。でも見つけてしまったら、ルールに沿ってきっちりと対処するべきです。

その際、どう対処するかまでルール化されているといいと思います。

他の学生の邪魔をしないように、メモをしておくのか、静かに答案用紙を取り上げるのか、教室から出るよう指示するのか。

ひとりの学生にかまってしまうと、他の学生がカンニングする可能性もあることを考えなければなりません。

言うまでもありませんが、対処するときはどんな学生も平等に!普段の態度は関係ありません。

「カンニングをしてはいけない」 根気強く伝えよう

学校ではなぜテストをするのでしょうか。JLPTやEJUは何のために受けるのでしょうか。

きっと学生たちは、理解はしていると思います。でも、習慣のように身についていないと“つい”カンニングをしてしまう。母国で当たり前のようにしていたことは、簡単には直りません。

大変ですが、これも教師の仕事です。根気強く向き合いましょう!どうか「このクラスはダメだ」と諦めないでください。

わたしはよく“架空の悪い学生”を作り、「こんなことをする学生がいたんですよ。どう思いますか?」とカンニングの話をします。

「足に漢字を書いていたんですよ。皆さんの国では普通なの?」大抵笑いが起きます。そして「わたしたちはそんなことしません」という言葉が学生から出てくるようにします。

「そうですよね。こんな恥ずかしいことする人は、このクラスにはいないですよね。信じていますよ」カンニングはしてはいけないこと、恥ずかしいことなのだという意識をもってもらえるように、普段から伝えるようにしています。

「みんなを信じています」というのが重要。信頼されていた先生を裏切りたくないという学生は多いです。日ごろから信頼関係を作っておくことも、カンニングをなくすために必要なのことなのではないかと思います。

カンニングとの戦いは長いかもしれません。でも、戦っているのは一人ではありません。同じクラスを担当している先生方と情報共有しながら、ぜひ愛をもって厳しく注意し続けましょう。

いつかきっと先生の想い、伝わりますよ!

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この記事を書いた人

大石 祐子のアバター 大石 祐子 授業空間コンサルタント

「安心して本音が話せる関係づくり」がモットー。

大学時代に国語教育と日本語教育を学び、ボランティアをきっかけに日本語教師を志す。卒業後は都内の日本語学校に専任講師として就職し、学生や講師の信頼を得るために毎日奔走。授業をはじめ教務運営においても自分なりのメソッドを構築し、主任教員を任されるようになる。

自身の経験を活かし、新人研修や大学生のインターンなど、教師力育成に特に力を注いだ。現在はオンライン講師として日本語教育に携わっている。

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