【特集】「本当に理解している?不安なJLPT読解対策授業からの脱却」(1)読解問題を知ろう!!

こんにちは、鈴木コウジです。

教師のみなさんが「JLPTで学生が一番苦労しているのは?」と聞かれたら、

間違いなく

「読解」

と答えるのではないでしょうか?

学生は「読解、難しい〜」と言いますが、その原因は「漢字が難しい」「文法がわからない」「語彙を知らない」など様々です。

一方、教師は、読解の授業で「何を教えたらいいのか?」「問題を解くためのテクニックを教えればいいのか?」「漢字・語彙・文法まで説明していたら、時間が全然足りない」と、多くの悩みを抱えていると思います。

このようなみなさんの悩みを解消するのが、今回からの特集です!

読解問題とは何か、学生の学習方法、読解授業のやり方などを紹介していきます。

今回は、以下の2つがポイントです。

  • ・JLPTの読解の問題がどういうものなのか?=問題の形式
  • ・どうやって解くか?=解き方のポイント

これをしっかり理解することから始めます。

目次

読解対策問題集いろいろ

読解問題を見るためには、問題そのものに触れなければなりません。そのため、まずは、問題集から見ていきましょう。

日本語学校には、大抵、以下に紹介する教科書のシリーズが置いてあると思います。これらを使えば問題なく、対策授業を進められると思います。

問題集の特徴と使い方を簡単にまとめておきました。ご参考に。

【日本語総まとめシリーズ(アスク)】

  •  ◆文法・漢字・語彙・聴解・読解と揃っているので、全てまとめて使うのがおすすめ
  •  ◆N3は6週間、N2・N1は8週間で終了できるので予定が立てやすいのがメリット
  •  ◆読解は問題量が少なく、難易度が高くないので、ドリルとして別の問題集が必要。

新完全マスターシリーズ(スリーエー)

  •  ◆文法・漢字・語彙・読解・聴解と揃っている。全て使うと学生には負担。
  •  ◆どの科目も絵がほとんどなく、字がびっしりというイメージ。
  •  ◆読解の問題量は多く、難易度もやや高め。

スピードマスターシリーズ(Jリサーチ)

  •  ◆文法・語彙・読解・聴解がある。
  •  ◆読解は、ドリルとして使いやすい。
  •  ◆読解の問題量は標準的、難易度も易〜普通。

パターン別徹底ドリル(アルク)

  •  ◆一冊に文法・漢字・語彙・読解・聴解がまとまっている。
  •  ◆読解部分の問題量は少なめで、難易度は易〜普通。
  •  ◆問題の解き方・解説が詳しい。

おすすめの組み合わせ

 全て使ったことがある私のおすすめは、以下のようになります。

JLPT対策の期間がスケジュールにある場合・対策授業が長くとれる場合

 「日本語総まとめ・読解」+「新完全マスター・読解」or「スピードマスター・読解」

  →学生のレベルに応じて、新完全マスターとスピードマスターのどちらかを選ぶ。
  →「日本語総まとめ」の他の科目と合わせて、スケジュールに読解を組み込んで使う。
   練習量を補うために、もう一つの問題集を使う。

JLPT対策の期間がスケジュールにない場合・対策授業が短い場合

 「パターン別徹底ドリル」+「新完全マスター・読解」or「スピードマスター・読解」

  →学生のレベルに応じて、新完全マスターとスピードマスターのどちらかを選ぶ。
  →一冊で全ての科目を進める。練習量を補うために、もう一つの問題集を使う。

読解問題の形式と解き方のまとめ

N3〜N1レベルの読解問題の種類について、問題形式と解き方を簡単にまとめました。教師のみなさんは、形式を理解して、問題を見たらすぐに、解き方を学生に指導できるようにしましょう。

[形式]は、問題の構成や特徴です。
[解き方]は、教師が指導する際に、学生に伝えてほしいポイントです。

内容理解・短文

  • [形式] 200字程度の文。1文に質問1問。
  • [解き方]質問文を読んでから、問題文を読む。

内容理解・中文

  • [形式] 200〜400字程度の文。1文に質問2問。
  • [解き方]段落一つに対して、問題が1つあることが多いです。
    • 本文の段落と問題の対応をチェックしておきましょう。
    • ほぼ第1段落と1問目が対応します。
    • 質問文を先に読んでおくほうがいいでしょう。

内容理解・長文(N3、N1のみ)

  • [形式] 400字以上の文。大問1つ、質問5問程度。
  • [解き方]問題の形式は中文とほぼ同じです。
    • 「筆者の考え・一番言いたいこと・テーマなど」は、ほぼ最終段階に書いてあります。
      ない場合は、序盤に書いてあることがあります。

統合理解(N2、N1のみ)

  • [形式] AとBの2文。大問1つ、質問3問程度。
  • [解き方]AとBの文を読んで答える問題なので、質問文を先に読んでおくのがよいでしょう。

主張理解・長文(N2、N1のみ)

  • [形式] 400字以上の文。大問1つ、質問5問程度。
  • [解き方]「なぜ・どうして」とその答えになる部分や、「筆者の考え」となるところを見つけられるように読んでいくのがよいでしょう。

情報検索

  • [形式] 資料の読解。大問1つ、質問2問。
  • [解き方]時間があれば、どんな学生も解ける問題です。
    • 自信があるなら最初にやってしまうのをおすすめします。
    • 時間が足りなくなり情報検索まで辿りつけない場合も多いです。
    • 最後にあるので時間がない状態では間違えます。

まとめ

今回は具体的な教え方ではなく、JLPTの読解問題そのものについてまとめました。

ここまで読んでみて、問題形式と解き方が頭に入りましたか?

問題形式と解き方を覚えるには、実際の読解問題と今回の形式と解き方を照らし合わせて確認することをおすすめします

読解対策を初めて担当する方、読解を教えるのが不安な方は、問題形式と解き方をしっかり覚えてください。ここがしっかりと理解できていれば、自ずと読解の指導がスムーズに進むようになりますよ。

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