意外に大切!「他の教師と同じ」であること。授業見学のすすめ

日本語教師なら誰もが「良い授業とは」を考えると思います。

  • どんな授業がいいのだろうと悶々と考えていらっしゃる方。
  • どんな授業がわかりやすい授業なんだろうと考えていらっしゃる方。

ここは一つ、同僚の授業を見学してみてはいかがでしょうか?

百聞は一見に如かずで、一人で悩んだり参考書を読んだりするよりも、授業を見たほうが問題解決しやすいです。私が授業のクレームをもらったときも、同僚の授業を見て解決しました。

授業を見学すると

  • 自分がいいと思った授業を参考にするので、自然と自分の授業にも自信が持てます
  • 学習者の立場で授業を見ることで、わかりやすい授業がどんな授業なのかがわかります

今日は授業見学のいいところをまとめてみました。これを読めば、わかりやすい授業に一歩近づけます!

目次

授業の悩みを解決し、良い授業にする方法

みなさんは授業で悩んだとき、どうやって解決していますか?

同僚に相談したり、情報を検索したりといろいろな方法がありますよね。でも私が悩みを解決するときに一番役に立った方法は授業見学です。

だから、今、授業のことで悩んでいる教師の方にも授業見学をお勧めします。

なぜ「他の教師と同じ」がいいのか?

授業中に学習者が戸惑うこと、何だと思いますか?

それは「先生によってやり方が違うこと」です。次のような言葉を学習者がよく口にします。

  • A先生は復習してから小テストをしてくれるのに、B先生はしてくれない。
  • A先生の日本語はわかるのに、B先生の日本語は聞いてもわからない。
  • A先生とは週に3回一緒に勉強しているから、やり方に慣れているけど、B先生とは週に1回しか勉強していないからやり方に慣れない。

こういうクレームを言う学習者、けっこう多いんですよね。でも、教師によって違うことって結構あるんです。人が違うから、やり方が違って当たり前。

学習者を混乱させる「教師間の違い」とは…

  • 教師によって、導入から練習への移り方や、口頭練習の指示の出し方が異なる
  • 教師によって、導入や文法説明のやり方や進め方が異なる
  • 教師によって、話し方が異なる

逆に、これらのことがクラスで一貫していると、教師が授業しやすいのはもちろん、学習者も勉強しやすくなります。

私たちが学生時代、キャラが濃い先生はいませんでしたか?先生にあだ名をつけたりなんかして…。日本語教師もそんなキャラ濃い教師であっていいのですが、教師によって異なる部分が多すぎると学習者が困惑しちゃうんですよね。

授業力アップのために、授業見学で見るべきところ

「他の教師と同じ」であるために、授業で見るべきところは3つ。

  1. 導入から練習への移り方や、口頭練習の指示の出し方
  2. 導入や文法説明のやり方や進め方
  3. 教師の話し方

この3つのうち、

  • ①導入から練習への移り方や、口頭練習の指示の出し方
  • ②導入や文法説明のやり方や進め方

この2つをクラスで統一(又は似たような形)にしておくと、教師と学習者がお互いにやりやすくなります。

具体的を挙げると…

例1

A先生:「練習しましょう」と言って、絵カードを使う練習からする

B先生:単語レベルの変換練習から始める

→学習者の日本語レベルが低い場合、学習者はA先生の授業を難しく感じます。

例2

A先生:「練習しましょう」と言うだけ

B先生:「練習しましょう」と言いながら、「練習」と書かれたカードと教科書を提示している

→聴解が弱い学習者にとっては、A先生の指示がわかりにくいかもしれません。

③の「教師の話し方」について

A先生:いわゆるタメ口も使いながら授業をしている

B先生:教科書とおりの日本語しか使わない。

こんなときはどうしましょう?

学習者にはいろいろな日本語が聞き取れるようになって欲しいと思うなら、話し方まで統一させる必要はないかもしれませんね。でも、学習者が混乱するようであれば、ある程度教師側の言葉をコントロールする必要があります。

日本語学校勤務で授業見学しづらい理由と解決策

私は専任講師だったとき

「専任講師が非常勤講師の授業を見学すると、
『(専任講師に)評価されている』
と感じて、あまりよくない。
だから見学するなら、専任講師の授業にしてね」

と言われたことがあります。

私が非常勤講師だったときは、給与が支給されない卒業式や発表会などへの参加を躊躇したことがあります。だって、同じ時間に別の学校で授業すれば、お給料がもらえますからね。

そのことを考えると、給与が支給されないのに、半日ほどの時間を使い授業見学する人はあまりいないんじゃないかな…と思います。

だったら、これはどうでしょう?

今は簡単に動画が撮れる時代。自分の授業を撮って、仲がいい同職の友人に見てもらいましょう。そして、授業のフィードバックをもらうのです。同じ日本語教師として、自分の授業の良いところや改善点を指摘してもらうと、指導力が向上します。

日本語教師の養成講座で仲良くなった人と授業の録画を見せあうのもいいかもしれません。ポイントは「仲がいい相手」とすることです。仲がいい相手でないと、本音が言い合えませんからね。

もちろん、専任講師も非常勤講師も自由に授業見学OK!給与も交通費も支払われなくても、自分の勉強のために学校に行くわ!という方は、どんどん授業見学してくださいね!

まとめ

私には今でも忘れられない授業があります。日本語教師の研修の一環で見学させてもらった授業。

いかにも「授業」という授業ではなく、教師と学習者が楽しくしゃべっていたら、その日の学習項目が終了していたという感じの授業でした。

教師ひとりひとりはオリジナリティある授業でしたが、練習のやり方や指示の仕方はどの教師も統一していて、非常にわかりやすかったのを覚えています。

学習者も教師の指示に戸惑うことはありませんでした。

皆さんも「わかりやすい授業」のために授業見学してみてくださいね。

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