お客様は子ども!キッズレッスンで日本語教師のスキル全開!

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

私は東京の日本語学校で非常勤講師として、欧米の学生を中心に教えています。学校では、クラス授業と並行して、プライベートレッスンも担当しています。レッスンは大人相手が多いのですが、時々お子様の依頼がきます。

私のキッズレッスンは、保護者から、「ハル先生は本当に子ども好きで、教えるのが楽しい、って感じですよね」と言われますが、実際は、私は子どもが苦手で、レッスン前はちょっと気が重いんです。

でも、いざレッスンになると、子どもって熱量が高くて、いつの間にか、私自身も熱くなってくるんです!日本語教師のスキルが全開する感覚です。

今回ご紹介するのは、私と、私が尊敬する友人のレッスン風景です。それではご一緒に、キッズのレッスンを覗いてみましょう!

目次

キッズレッスンの依頼をするのはどんな人?

キッズレッスンの依頼者は、ざっくり分けて二つ、行政(区市町村)か、保護者です。

私の友人は、行政の事業で、区立中学校に通う外国籍の子どもをボランティアで教えています。日本語がつたない子ども達は授業についていけず、孤立し、将来に悲観的になるそうです。

友人はそんな子ども達を励まし、1人でも多く高校に進学させたい!と言っていました。子ども達の将来にとって、中卒と高卒の差は大きいそうです。友人は日本語だけでなく、教科の指導、心のケアもしていて、子どもに寄り添っている姿に、すごいな~と尊敬しちゃいました!

私の場合は、保護者からの依頼なので、行政の「頑張って目標達成」よりも、単純に「楽しい」ことを優先しています。保護者のニーズはこちらの方が高い気がします。保護者依頼のキッズレッスンは、以下、こんな感じです。

子どもと大人のレッスンは、どう違う?

大人のレッスンは、受講者がお客様ですが、キッズレッスンの場合、受講者である子どもだけでなく、保護者もお客様です。レッスンでは保護者目線、こども目線の二つを、意識するようにしています。

保護者の教育方針を知ろう!

保護者目線としては、まずは授業前に、保護者とじっくり話をすることが大切です。私が必ず押さえるポイントは3つです。

  1. どうしてお子様が日本語を勉強したいのか(させたいのか)
  2. レッスンで何をしたいか
  3. レッスンで講師に気をつけてほしいこと

1、2番は皆様も質問すると思いますが、実は3番がとても重要です。レッスンで講師が気をつけなかったばかりに、保護者が不快になる場合があります。

アレルギーの有無は命に関わるので、学校が事前に確認してくれています。私は以前、アレルギー無しの情報だったので、子どもが喜ぶかな〜と思って、クッキーであげもらいの練習をしました。

案の定子どもは喜んで、食べたい!と保護者に言いましたが、保護者は許可しませんでした。欧米人は基本的にアジアのお菓子を信頼していません。オーガニックにこだわる方もいます。保護者の困惑した顔を見た瞬間、しまった!確認すればよかった、と思いました。

また、子どもが自閉症やディスレクシア(知性はあるが文字を読むことが困難)である場合、特別なケアが必要です。たいてい自己申告してくれますが、どんな対応をしたらいいか、しっかり聞き取ることが大切です。

子どもウケする物を用意しよう!

子ども目線としては、やはり子どもが好きなものを準備するのは鉄則でしょう。以下は、レッスンで子どもウケが良かった物です。

  • 折り紙
    色、形、数助詞などで使用。折り紙で何か折る時は、舟のトリック、飛ぶカエルなどが人気。鶴を折るのは大人でも難しい。
  • 色ペン
    絵を書かせて発表用。
  • 出席簿とシール
    出席簿にシールがたまると達成感あり。女の子には可愛いシールが人気。

「困ったときの折り紙!」は、キッズレッスンを担当したことがある方は、ウンウンとうなずかれますよね。折るだけでなく、切り紙もできます。私は桜の切り紙を台紙に貼らせたら、思いのほか芸術的に仕上がって、保護者に喜ばれました。

色ペンは、これがないと授業にならないくらいです。自国の地図、好きな物などを書かせて発表してもらいます。欧米のお子様はプレゼンに慣れているので、保護者や他の先生の前で発表してもらい、みんなに褒められて嬉しそうでした。

ゲーム形式で教えよう!

子どもが喜ぶもの、それはゲームです。私はいつもゲームをキッズレッスンに組み込んでいます。しかも立ったり移動したり、座らない方がいいようです。子どものキャッキャという笑い声が聞こえたら、授業は成功です。

以下はレッスンで子どもが夢中になったゲームです。

  • 色鬼
    色を導入後、鬼が色を言って他の人はその色の物を触る。触る前に鬼にタッチされたら、鬼交代。
  • ビンゴゲーム
    動詞、形容詞、数字などをシートに書かせる。講師はビニール袋に紙切れを入れておき、お互いに引いて読み上げる。
  • ジェスチャーゲーム
    動詞、形容詞などを導入後、一方がジェスチャーをして、他方がその動詞、形容詞を答える。動詞の「死にます」は子どもが迫真の演技をして盛り上がります!

まとめ

キッズレッスンの準備は、私にとって楽しい時間です。100円ショップを廻って、何か授業に使える物がないかな〜と探したり、自分の子育てを振り返って、この時期の子どもはコレが好きだよね〜と、押入れの知育玩具を掘り出したり。私、教材作成が、結構好きなんです!

日本語教師の能力って、「教える力」だけじゃないと思います。「準備する力」も、授業の出来を左右すると感じています。キッズレッスンは、私の「準備する力」を最大限引き出してくれる、そんな存在です。

次回は、大人の授業について、私がどんな準備をしているのか、教案はどうしているのか、7年間の経験から導き出したやり方をご紹介しようと思います。

教案を書くのに何時間もかかっている先生方、いらっしゃいませんか? もっと効率的にできるかもしれませんよ? 次の記事をお楽しみに!

それではまた別の機会に。

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