上下関係はあるの?専任講師と非常勤講師の関係とは ~国内日本語学校~

こんにちは!

わたしは以前、日本語学校の専任講師として働いていました。新卒で入り、年齢も経験も一番下からのスタートだったので、わたし以外の先生はみんな先輩!という感じでした。

何年かして大学生のインターンを担当することになったのですが、ある実習生がこんなことを聞いてきました。

「専任講師って非常勤講師より偉いんですか?」

どちらが偉いのか。あまり意識したことはなかったけど、大学生にはそう見えているのか…。日本語学校で働いている皆さん、どう思いますか?

確かに、専任講師は学校運営や授業の方針などについて指示を出すことが多いです。組織図で表すとしたら、非常勤講師が下につく形になるでしょう。

でも、一般的な上司部下の関係とは少し違うような気がするんですよね。

専任講師の経験が足りない部分を、ベテランの非常勤の先生に助けてもらうこともあるし、急な代講をお願いすることもあります。非常勤講師がいないと学校は成り立ちません。わたし個人的には、非常勤講師の先生方に鍛えていただいた部分も大きいです。

持ちつ持たれつな、日本語学校の専任講師と非常勤講師。今回は、それぞれの立場を尊重しながら、どうしたら良い関係が作れるのか考えてみたいと思います。

目次

日本語学校で働いている皆さん、人間関係の悩みはありますか?

教師をしていると悩みは尽きませんよね。学生のこと、授業のこと、働き方のこと…。教師間の人間関係で悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

日本語学校で働いていると、先生同士の連携がとても大切になってきます。授業の引継ぎはもちろん、カリキュラムや教材の使い方など、相談しながら進めることもあります。

人間なので、合う合わないはありますよね。それはしょうがない!でもそうではなく、「非常勤講師だから、言いたいことが言えない」「専任講師だから、非常勤講師と仲良くなりづらい」といった立場の違いが壁を作ってしまうこともあります。

それって何だかもったいない気がしませんか?

相手の仕事内容や立場を理解したら、少しずつ歩み寄りができるかもしれません。これまでわたしが体験したり、見聞きしたりした悩みを中心に考えてみたいと思います。

~専任講師の場合~ 非常勤講師との関係づくりがわからない

専任講師が非常勤講師の先生と関わるうえで、つい忘れがちなことがあります。

専任講師は…

  • ひとつの学校に所属しているということ
  • 学校にいる時間が長いということ
  • 専任講師しか知らない学校の情報があるということ

同じ感覚で非常勤講師と接していると、「そこまで学校のことは考えられない」「時間外にあまり相談しないでほしい」といった不満が出てきてしまうことがあるんですよね。

非常勤講師には日本語学校や他の仕事と掛け持ちをしていたり、通学や研究をしていたり、家事育児に追われている先生もいます。

専任講師と違って、非常勤講師は授業や決められた会議などを除いて、学校にいても基本的にはお給料が発生しません。

日本語の先生は「学生のためなら時間を惜しまない!」という方も多いので、気軽に相談に乗ってくれるかもしれませんが、それぞれ時間の制約や事情があるということを理解して付き合うことが大切だと思います。

また、仕事内容柄、専任講師は知っていて、まだ非常勤講師に公開していない情報もありますよね。話してはいけないことがあるから、「あまり非常勤講師と仲良くしないように」と注意されたことがある専任講師もいるようです。

年齢が近かったり、同じ趣味を持っていたりしたら、仲良くなるのは問題ないとわたしは思います。でも、仕事の話は「ここまでしか話せません」と、どの先生にも平等に!

気を許して仲の良い先生にだけポロっと機密情報を話してしまった…なんてことは避けたいものです。バランスが大事ですね!

~非常勤講師の場合~ 専任講師とうまくいかない

学校の規模や専任講師の年齢、キャラクターによって、非常勤講師に見える“専任講師像”は様々ですよね。わたしが専任になったばかりのころは「育ててあげなきゃ」と思われていたようです(笑)

日本語教師デビューが、日本語学校の非常勤講師という方も少なくないと思いますが、その場合、以下のようなモヤモヤが出てくることも。

  • 専任講師が怖くて言いたいことが言えない
  • 専任講師がいつも忙しそうなので話を聞いてもらえない
  • 非常勤の立場で学校運営に意見していいものか悩む

“専任講師が怖い”というのは、その人が怖いというだけでなく、非常勤講師を管理している“専任講師という存在が怖い”という意味も込められているのではないでしょうか。

「何か意見したら、入るクラスや待遇に影響があるのではないか」と思ってしまうことはありませんか?

また、専任講師が会議などに出ていてゆっくり話せる時間がないことも多いですよね。タイミングを見計らうのもなかなか大変。そんなときはメールやほかの手段で相談するのもひとつの手ですね。

非常勤講師も学校にとっては欠かせない存在です。授業や学校運営に関する意見も貴重なもの。ここは専任講師が真摯に受け取る姿勢が大切になってきますが、伝え方の工夫は必要かなと思います。

日本語学校、専任講師と非常勤講師の仕事内容の違いを理解しよう

専任講師と非常勤講師のどちらも経験がある先生は、仕事内容や大変なことなどがわかりますよね。でも、どちらかしか経験したことがない場合、相手がどんなことを抱えていて、どのくらい大変なのかは、正直よくわからない…。

相手の事情や仕事内容をすべて把握するのは難しいですが、大まかに、こんなところが違うんだなと意識するだけでも相手を見る目が変わってくるかもしれません。

日本語学校での専任講師の役割って何?

専任講師と一口に言っても、それぞれの役割がありますし、担当することも様々です。わたしが専任講師をしていたころは、椅子の組み立てやパソコンの設定、出版業者や旅行業者との打ち合わせなどなど、何でもしました(笑)

教育機関によっても異なると思いますが、本当にいろいろな仕事があります。

ただ、共通しているのは、“学校運営に関わっていること“ではないでしょうか。

自分の担当する授業はもちろんですが、教室の設備のこと、カリキュラムのこと、教材のこと、学校行事のこと…学生や学校にとって何が良いのか、常に考えます。

考えることがたくさんあるため、気持ちに余裕がないこともあると思います。(怖いと感じてしまっている原因の一つはここにあるかも…?)

非常勤講師が働きやすい環境を整えるのも、専任講師の大切な役割です。穏やかに意見が聞ける機会を作れるといいですよね。

日本語学校での非常勤講師の役割って何?

非常勤講師は授業に入ることが主なお仕事になります。人によってはカリキュラム作成や進学指導に関わることもあるでしょう。

専任講師に比べて、任されることが絞られているので、細かい部分まで気がついたり気になったりするかもしれません。

例えば、担当しているクラスの学生。授業中や休み時間にしか気がつくことができない小さな変化があります。学校には言っていないけど、非常勤講師にだけ悩みを打ち明ける学生も。生活や人間関係など、相談の内容によっては専任講師に報告が必要です。

また、他の学校や仕事と掛け持ちしている場合は、違った視点から学校の現状をとらえられるかもしれません。大学院での研究や子育ての経験も、視野が広がりますよね。

そういった非常勤講師の報告や力で、学校が抱えている問題が解決したり、問題が大きくなるのを防げることもあります。何か気がついたことがあったら、ぜひ積極的に専任講師と話をしてみてくださいね!

良い関係を築くために気をつけたいこと

専任講師であっても、非常勤講師であっても、立派な日本語教師であることに変わりはありません。いち日本語教師として授業や教材、学生対応などについて話をするときは対等です。上も下もないと思います。

ただ、立場としてできることには違いがあるので、情報共有と連携が大事ですね。

わたしは専任講師になりたてのときも、主任を務めていたときも、非常勤講師の先生にたくさん助けていただきました。先生たちのためにも、学校をより良い環境にしなきゃと、頑張る理由のひとつになっていたと思います。

専任講師と非常勤講師は、一緒に学校を運営していく仲間です。先生同士の関係が良いと、それは学生にも伝わります。

上下関係を気にするのではなく、お互いに敬意と思いやりをもって接することを大切にしていきたいですね!

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