日本語教師養成講座の教育実習担当講師が気づいた!模擬授業がレベルアップするための8つのポイント

こんにちは。

フリーランス日本語教師・日本語教師のたまごサポーターの内藤みゆきです。

わたしは日本語教育に関わるさまざまな仕事をしていますが、その一つに「大学の日本語教師養成講座の講師」があります。

日本語教師養成講座の授業はいろいろありますが、わたしの担当科目は「教育実習」です。

教育実習はこれまで座学で日本語教育についての幅広い知識を身に付けてきた受講生が、実際に教案を書いて授業をしてみるという養成講座の集大成です!

  • 「わかってはいるけど、勉強したことをどう授業にしていくかわからない…」
  • 「とにかく怖い!緊張する~!」

実習のことを考えると、ドキドキしてしまう日本語教師のたまごの方も多いのではないでしょうか?

この記事では、これから実習を控えている方や、まさに今実習中で担当講師からの厳しい指摘に打ちのめされている方へ、模擬授業がレベルアップするための8つのポイントをお届けできたら幸いです。

目次

日本語教師養成講座で模擬授業を控えたあなたへ!もう怖くない教育実習!

わたしが教育実習を担当して受講生の授業を見て気づいたことを8つのポイントとしてまとめました。

これらは実は日本語教師養成講座生だけじゃなく、新人日本語教師の方がしてしまいがちなところでもあります。

「自分の授業は大丈夫かな?」
と振り返るきっかけにしていただけたらうれしいです!

未習語彙・文法に注意する

賛否両論ありますが、日本語教師養成講座では『みんなの日本語』を使って、実習をするところが多いのではないでしょうか。

『みんなの日本語』の特徴は文型積み上げです。
このテキストを使う場合、未習語彙・文法については特に注意しておく必要があります。

その中でも初級では、どの文型や語彙が未習か既習かを把握しておくことは、とても大切です。

それは基本的に、「既習の知っている文型・語彙だけを使って、導入する」からです。

もし、未習文型や語彙を使って授業を進めたら、学習者は何を言っているのかわからず、そこで思考が止まってしまい、ぽかーんとしてしまいます。

みなさんもことばがわからない外国に行って、先生がペラペラと知らないことばで授業を進めているとしたら、どうでしょうか?

置いていかれたような寂しい気持ちになったり、授業への参加をあきらめてしまったりするのではないでしょうか。

もちろん、既習語彙や文型だけを使うと不自然になるから、自然なコミュニケーションで未習語彙・文法にこだわらないほうがいいという意見もあります。

でも、それはある程度、語彙や文型の難易度を把握している中堅以上の日本語教師の場合。

養成講座生や新人教師の方がそれをやってしまうと、普通に日本人と話すようにペラペラと長く話したり、難しすぎる語彙を使ってしまいがちです。

それで、最初のうちは既習か未習かをきちんと把握しておくことが大切です。

教案ができたら、目次や語彙リストを見ながら、未習がないか確認するのをおすすめします。

学習者への指示は明確に

「学習者への指示がわかりにくい」

これもわたしが養成講座生の授業を見て気づいたことです。

教育実習で学習者にリピート、練習、ペアワークなどの指示を出すとき、どうしますか?

特に初級では使えることばが限られています。

「あてていきますので、単語を言ってくださいね」や、「では、一人ずつ言ってみましょう」
などでは難しすぎて伝わりません。

「相手はおとなだし、丁寧に話したほうがいい」

そう思ってしまう気持ちもよくわかります。

でも悲しいことに、丁寧すぎる指示はそのことばを知らないために伝わらないんですよね~。

それではどうやって、指示を出したら学習者に伝わるでしょうか?

わたしの場合、「はい!」、「いっしょに!」、「どうぞ!」などと言っています。

限られたことばで伝えるには、時にはジェスチャーも交えて、明るい表情も大切です!

授業数を重ねるうちに、学習者も「この先生の“はい!”はみんなでリピートするということだ」とわかって、授業がスムーズに進むようになります。

自分の授業の型を作ると、そのあとがラクになりますよ。

身近な例を出す

ポイントの1つ目で「未習語彙・文法に注意する」というものをあげたのですが、教科書になくても積極的に導入していきたい語彙もあります。

それは学習者の生活に身近な語彙です。

教科書に出てくるかといって、授業でも身近じゃない語彙を使っていたら、学習者はいつ使うかわからず、覚えようとしません。

例えば、日本で美術館に行ったことがない留学生向けの授業で、「昨日、美術館へ行きました」と教えてもリアリティに欠けてしまいます。

“美術館”よりも、“セブンイレブン”、“イオン”、“友達の家”などのほうが身近なのでは?

もちろん、アートに興味がある学習者相手なら、”美術館”を使った練習はアリですね。

学習者に合わせて、使用語彙を提示していくことが大切です。

教師の話し過ぎに注意

日本語教師は日本語を教えることが仕事ですが、「教える」ことを意識しすぎてしまうと、教師が話しすぎてしまうことがよくあります。

目的は教師が「教える」ことではなく、学習者が日本語を「理解して、使えるようになる」ことです。

そのためには教師の説明は最小限にして、学習者とコミュニケーションを取りながら、進めます。

学生時代に受けてきた授業をを振り返ってみてください。

教師が一方的に話す講義スタイルの授業では、眠くなっていませんでしたか?

わたしはアウトプットの機会がなく、インプットばかりの授業を受けていると、よく睡魔に襲われていました(苦笑)

日本語の授業は外国語の授業です。

学習者が眠くならないように、たくさん発話する機会を作って、コミュニケーションを楽しめるといいですね!

学習者の発話を促す質問をする

では具体的に「教師が話しすぎないで、学習者とコミュニケーションを取りながら進める」とはどういうことでしょうか。

養成講座生の方の授業を見ていると、ただ書いてあることを学習者に読ませるだけだったり、リピートさせたりするだけのことがあります。

確かに口は動いているから、ただ聞いているだけよりはいいのかもしれませんが、頭を使っていないので、定着しないし、退屈してしまいます。

では、どうすれば学習者の発話を促すことができるのか?コツは、学習者自身のことを質問して、答えてもらうことです。

例えば、絵を見て「昨日、映画を見ました」と言わせるだけではなく、「○○さんは昨日、何をしましたか」と聞けば、学習者自身のことが話せます。

初級でもできるので、授業のときにちょっと意識してみるといいですね。

ペア練習でフォローする

教育実習や授業では、教師と学習者とのやりとりだけじゃなく、ペア練習をさせることがあります。

学習者がペア練習をしているとき、教師(養成講座生)はどこを見ていますか?

わたしが見ていた教育実習では、養成講座生の方がペア練習中に教案を確認していることがありました。

ただでさえ緊張して頭が真っ白になりがちな教育実習。

次に何をするか教案を確認したい気持ちはよくわかります!

でも、学習者が指示したとおりにペア練習ができているのか、チェックする必要があります。

特に初級では、教師の指示がうまく伝わっていないことも多く、フォローが必要なことが多々あります。

例えば…

  • 「この絵は何の絵なのか」
  • 「どの絵を見て話すのか」
  • 「ことばがわからない」
  • 「何を話せばいいかわからない」

などで学習者が困っていることがあります。

机間巡視してサポートすると、何をするかわかっていなかった学習者も練習に参加できます。

ペア練習は一人ひとりを丁寧に見て、サポートできるチャンスです!

クラスだと特に、学習者の練習をじっくり見られる時間は貴重なので学習者のことをしっかり見てサポートしましょう。

予想外の質問をされたときは一度自分で考える

教育実習や実際の授業をしているとき、学習者から予想外の質問をされることは本当によくあります。

特に日本語教師のたまごの方は、教案にないことを聞かれると、戸惑ってしまうこともありますよね。

そんな時はどう対応したらいいでしょうか?

予想外の質問にもその場で答えられれば一番いいのですが、答えられないときもあります。

「調べてから、また教えますね」と教師の宿題にするのもいいでしょう。

授業後に、落ち着いて考えたり調べたりすれば、答えられるかもしれません。

でも、すぐに「それはまた今度教えますね」と言ってしまうのはよくないかのではないでしょうか。

それは質問に答えようとしないと、学習者は「この先生は質問に向き合ってくれない」と信用をなくしかねないからです。

教師の宿題にするのは、まずその場で考えてみて、どうしても答えが見つからないときの最終手段に!

日本語学校の模擬授業などでは、採用側の教師がわざと質問をし、どう対応するかを見ています。

学習者の予想外の質問が、教師を成長させてくれるとポジティブに捉えていきたいですね!

また、学習者の発音はクリアじゃないことがありますが、何を質問しているか正しく理解することも必要です。

自分のクセに気づく

これを読んでいるみなさんは、自分にどんなクセがあるか知っていますか?

「なくて七癖、あって四十八癖」ということわざがあるように、だれでも自分で気づかないクセがあります。

口癖、姿勢、視線、身振り手振り、表情など…その多くは自分では気づいていません…。

学習者は教師をずっと見ているので、「この先生はよく“えっと…”と言うな〜」など教師自身が気づいていなくても教師のクセに気づいていることも多いです。

学生時代、授業中に先生の口癖を数えたこと、ありませんか?

自分では気づかなくても、人のクセは気になるものです(笑)

ではどうやって自分のクセに気づくことができるでしょうか?
それは「自分の授業の動画を見ること」です!

見るのがイヤな気持ちは百も承知です…。

恥ずかしいし、自分のダメなところばかり目につく…イヤですよね~!

でも効果絶大です!

担当する教育実習最後の振り返りの授業では、自分の初めての模擬授業の動画を見てコメントしてもらいました。

養成講座生は自身のクセに気づいたり、初回と今を比べて成長を感じられたようです。

みなさんもぜひ!覚悟を決めて授業の動画を見てみてください。

養成講座で録画していない場合は、家で練習しているときにでもスマホで動画を撮ってみてくださいね。

まとめ:日本語教師養成講座の教育実習は日本語教師デビューへの第一歩!模擬授業を楽しもう!

以上、日本語教師養成講座の教育実習を見ていて気づいた8つのポイントについて書きました。

大事なことは「教師(養成講座生)目線から、学習者目線に移すこと」です。

実習中はなかなか余裕がないかもしれませんが、学習者にとってどうかという視点を意識してみてください。

担当講師に厳しい指摘をされることもあるかもしれませんが、成長するための愛のムチだと思って、日本語教師デビューへの第一歩、ぜひ楽しんでくださいね♪

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次
閉じる