英語で日本語を教える間接法、日本語教科書「まるごと」で実践!

こんにちは!SenSee編集部のハルです!

私は東京の日本語学校で非常勤講師として働きつつ、いろいろな会社と繋がってお仕事の幅を広げているところです。

最近、「ここで教えたいな〜」とずっと憧れていた場所に採用され、時給も日本語学校の倍近くを提示されて感無量!

お仕事内容は、間接法によるクラス授業でした。間接法とは、学習者が理解できる言語で教える教授法です。私は欧米の学生達に対して、英語で日本語を教えました。

今回は、日本語教科書「まるごと」を使って、私がどのように間接法で授業を進めたか、実践報告をしたいと思います。

皆様の中にも、英語を使って日本語を教えている方も多いのではないでしょうか。間接法の情報ってあまりないですよね。私の経験がご参考になれば幸いです。それではご一緒に見ていきましょう!

目次

英語で日本語を教える間接法は、英語力が必要?

英語で日本語を教えるなんて、英語力が必要じゃない?と思われるかもしれませんが、いいえ、英語力よりも授業力です!

実は、私は英語がペラペラではなく、ペラぐらいかも(笑)。それでもなんとか授業ができたのは、練りに練り上げた教案のおかげ!

授業内容がよければ、下手な英語でも学生は耐えてくれます(笑)。

例えば、

・文型導入を分かりやすくする(説明は2分以内)

・練習はゲーム形式(動詞ジェスチャーゲームやビンゴや形容詞カード並べ)

・活動はペアワークやグループワークやプレゼン

など、飽きさせないように工夫しました。

授業スライドも、ローマ字のルビは必須で、英語のキーワードを入れたり、作文もローマ字OKにするなど、日本語表記のストレスを減らすことが、間接法では有効と感じました。

また、間接法で教える時はノリが大切で、私は以下の言葉で学生を褒めて、雰囲気を上げていました。

・Good job!

・Perfect sentence!

・ I like your handwriting.  Beautiful! (ひらがなの時)

・Are you ready for___?  Yeah!  (次のタスクに進む時)

・I’m proud of you.  You should be proud of yourself. (最後の授業)

最終日、学生たちがバーっと私のもとへ寄ってきました。「ハル先生はいい先生だってみんなで話していたんです」と口々に言ってくれた時、英語は通じなくても、心は通じたな〜と嬉しく思いました!

英語で日本語を教える間接法、日本語教科書「まるごと」で実践!

国際交流基金が出している日本語教科書には、「いろどり」と「まるごと」があります。「いろどり」はオンライン教科書で、私がオンライン授業で使用した際の感想はこちらをご覧ください。

今回の案件は対面授業だったので、紙の教科書の「まるごと」になりました。以下、「まるごと入門A1りかい」を使用して感じた教えやすい点と教えにくい点です。

「まるごと入門A1りかい」の教えやすい点

教科書は大判でオールカラーなので、見やすくて楽しいイメージ!音声もプロの日本人の発音なので、聞き取りやすいです。以下、間接法でも教えやすい点です。

ダイアログにローマ字表記がある

ローマ字表記は全部ではないのですが、各課の会話部分にあります。ひらがなが苦手な学生もスラスラ読めて会話に集中できます。

シラバスが良い

最初の動詞を「食べます」「飲みます」だけに絞ってるのがナイス!「Nを」「Placeで」と助詞を使って文を広げ、「何を」「どこで」と疑問詞で会話に持っていく流れが素晴らしい。

「まるごと入門A1りかい」は場面シラバスでありながら、積み上げ式のような構成で、学生が理解しやすくておすすめです!

「まるごと入門A1りかい」の教えにくい点

実は、授業で「まるごと」を丸ごと使うのは無理でした(笑)。以下、その理由です。

練習問題に未習文型が多すぎる

練習問題に未習文型が多すぎて、説明に時間が取られました。しかも上のレベルで時間をかけて学習する文型まで入っていて、教師側が「これは教えない」と切り捨てる必要があるかも…。

文型説明が一切ない

何を教えたらいいか明記されていないので、教師によって教える文型が異なることも。実際、代講の先生が教えた文型が私の予想と違って、お互いびっくり!チームティーチングが難しいかも…。

助詞がシンプルじゃない

「私の家にエアコンがあります」なら教えやすいですが、教科書は「私の家にはエアコンがあります」と「には」が提示…。自慢している?何と比べてるの?と邪推を生む要因に(笑)。

「まるごと入門A1りかい」はシラバスが秀逸なので、私はシラバス通りに自作スライドを作って、練習問題やダイアログは取捨選択、という使い方をしました。ご参考までに!

まとめ

今回は、教科書「まるごと」を使って、英語で日本語を教える「間接法」で授業をした感想をお話しました。

ちなみに、日本語で日本語を教えるのは「直接法」で、多くの日本語学校の指導方針となっています。英会話学校でも、アメリカ人教師は英語で英語を教えるし、語学学校では主流な教授法です。

でも娘が小学生の頃、英語を学ばせようとネイティブの先生のクラスに連れて行った時、娘がギャン泣きしたんですよね(笑)。直接法って、先生の言っていることが理解できない時、すごいストレスかも…。

私たち日本語教師は、そんな学生の心理に配慮して、柔軟に英語を使用して学生の理解を助けてあげたいですね!

それでは、また別の機会に。

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