第3回 意外に見落としがち!教師の振る舞いがクラスコントロールに影響する!

教師になったばかりのときって、導入内容や練習方法に気が取られがちです。しかし、教師の立ち居振る舞いや話し方もクラスコントロールに影響するんです。

  • 教室に入ってくるだけで、雰囲気が明るくなる先生
  • 視線を向けられるだけで、空気がピリっとする先生

私たちが学生のときにも、こんな先生がいましたよね?動作や話し方で教室の雰囲気を変えられる教師になりましょう!

目次

教師の態度で授業にメリハリを!

自分の授業を録画して、見てみたことあります?

教師の立ち居振る舞いって、けっこう教室の雰囲気を作るんですよね。動作から感じる人の雰囲気ってありますからね。

日本語教師を始めたばかりのときって、導入や練習に気をとられ、自分が教室内でどのように動くかまで意識できないことが多いですが、立ち居振る舞いで教師の印象が決まったり、動き方で授業にメリハリがでたりします。意外に大切ですよ。

立ち方が人に与える印象

立ち方で印象が決まること、ありますよね?教室で下記のような動作、していませんか?

  • 教卓に手をついたまま話す
  • 腕を組んだまま話を聞く
  • ポケットに手を入れて、授業する
  • 壁にもたれて試験監督をする

日本ではお店で商品を売るとき、テーブルに手をついたまま売りませんよね?部下は上司の話を腕を組んだまま聞きませんよね?

学習者が日本人と接するときに避けたほうがいい態度は、教師も教室では避けたほうが賢明です。

教卓に手をついたまま話すと偉そうに見えたり、壁にもたれて話すと学習者までだらけてしまうことがあります。実際に教師の立ち居振る舞いが原因でクレームになったのを聞いたことがあります。

教師の動きで教室の雰囲気を変える

授業にメリハリがなかったり、学習者の集中力が続かなかったりすることがあります。そんなときは教師の動きで改善してみましょう。

  • 教室の前を左右に動く(もちろん動きすぎはおかしいですよ)
  • 机と机の間を歩きながら指示を出す

最近は黒板ではなく、プロジェクターを使った授業も多くなってきています。その場合はリモコンで画面操作したり、レーザーポインターで示したりすると、教室後方にいても指示が出しやすいですね。

授業の様子を録画してみて、自分がどのような雰囲気で授業をしているのかチェックしてみるのもいいですね!(とは言うものの私は恥ずかしくてなかなかできませんが…)

教師の視線

授業中はどこを見て話していますか?

  • 教師を見ている学習者

これは当然です。でも、他にも見るべきところ、送るべきアイコンタクトがあります。

  • 授業内容を理解するのが必死な学習者に「私はあなたを気にしているよ!」の視線
  • 授業中ぼーっとしている学習者に「大丈夫ですか?」の視線
  • 教師の問いかけに答えた学習者に「あなたの答えは聞こえているよ!正しいよ」のアイコンタクト

これらも大切なのです。

やっぱり、教師が学習者と意思疎通できていないと、クラスコントロールはできないですからね。視線やアイコンタクトは欠かせません。

クラス運営で知ってると得する?教師が話す日本語の影響力

日本語は男女差、年齢差、地域差などが現れやすい言語ですし、多少の差はあってもいいと思います。でも、私は学習者が日本人と話したときに、学習者の品格が下がらない日本語をかなり重視しています。

初対面で学習者に「君の名は?」と名前を聞かれてもびっくりしちゃいますし、女性の学習者に「この問題の答えは正しいだろ?」と質問されても困りますよね。

学習者に真似されて困る話し方は教室では厳禁です。

話し方・言葉遣い

毎日聞いている言葉って、すぐ覚えられるから学習者も口にしやすくなります。だからこそ教師は話し方に気をつけなければならないのです。

  • 学習者がアルバイト先の店長に話すときに、教師の話し方を真似しても失礼にはなりませんか?
  • 男性教師が話すタメ口の日本語を女性の学習者が真似する可能性を考えていますか?
  • 女性教師は年下の学習者と話すとき、子どもや弟妹と話す感じで話していませんか?

学習者に教師の話し方を真似するまでの日本語能力はなくても、自分に対して丁寧に話してくれているか、そうでないかは感じとることができます。私たちだって、そうですよね?

教師がクラスをまとめるには、教師がどれだけ学習者のことを思っているかを態度や話し方でも伝える必要があります。

ちなみに私は先輩日本語教師の影響を受けて、学習者が敬語を習ってからは教室でも敬語を使って授業をしています。学習者は耳にしないと、覚えられませんしね。

注意の仕方

私たち日本人が注意をされたのって、いつですか?

  • 小学校や中学校のとき、教師から注意された
  • 子どものとき、親から注意された

この2つがほとんどではありませんか?だから、学習者にも同じように注意してしまうんですよね。でも、学習者は私たちの子どもではないし、小中学生のように未成年ではないんです。(未成年のときもありますけど…)

だから気をつけなければならないこと。

  • 「日本では~だから、あなたも~しなさい!」と、日本を基準にして注意しないこと
  • 「あなたの国では~なのですね。日本で~すると…という意味に捉えられますよ」とまずは相手のやり方やルールを尊重する姿勢を忘れないこと

例えば、宿題やテストのときにいつもボールペンで記入してくる学習者。

試験のとき日本ではシャープペンシルで書いて、間違えたら消しゴムで消すのが普通です

と、日本の普通を伝える教師。

でも、立場を逆にして考えてみてください。あなたが留学中に試験は全てボールペンで記入しなければならないと指示を受けた。結構大変ですよね。

相手になぜボールペンで書いてしまうのかを聞いてみてください。きっと理由があるはずです。

日本ではボールペンで書いたあと、“ぐちゃぐちゃ~”と間違えた部分をボールペンで消すのはあまりいい印象ではない

ということを伝えるほうが、学習者に理解されやすいです。

日本人は日本の常識やルールが一番いい、と思いがち。テレビ番組でもやたら外国人に日本のいいところを聞く番組がありますよね。

でも、他の国には他の国の習慣ややり方があり、学習者にとってはそれが一番いいやり方なのです。相手のことを理解し、尊重することなしに、いい人間関係は築けません。

ちなみに叱り方については、SenSeeMediaの他のライターも触れています。

参考にしてみてください!

まとめ

私は大学で日本語を教えていたとき、学習者からしょっちゅう「先生、今日も元気ですね」と言われていました。いつも言われるので、変だな~と思っていました。

そして、コースが終わる最後に学習者から言われました。「授業中マイクを使わないのは木村先生だけですよ」と。教卓に固定されているマイクを使うと動きずらいので使っていなかっただけなんですけどね。

学習者は教師の声、動き方で元気か元気じゃないかを判断してくれることもあるようです。そりゃ、元気な教師のほうがいいでしょう。今一度、元気なクラスになるよう、教室での振舞い方をチェックしてみてください。

クラスコントロールについては、

第2回 学習者とうまくコミュニケーションがとれない そんな日本語教師への解決策

でも触れました。ご興味ある方は、ご覧ください!

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